2019年10月19日

『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』三浦英之

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牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って [ 三浦 英之 ]
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 アフリカで、年間3万頭以上のゾウが牙を抉り取られて殺されている。密猟組織のドン、中国大使館員、日本の象牙業者…。「真犯人」は誰なのか? アフリカゾウの密猟を追ったノンフィクション。

 アフリカゾウ虐殺の「真犯人」は誰だ!? アフリカで、年間3万頭以上のゾウが、牙を抉り取られて虐殺されている。野生のゾウは絶滅の危機に瀕し、今後十数年のうちに地球上から姿を消してしまうと言われている。その犯人は、象牙の国際密猟組織。元アフリカ特派員の筆者は、密猟で動くカネが過激派テロリストの資金源になっている実態に迫り、背後に蠢く中国の巨大な影を見つける。そして問題は、象牙の印鑑を重宝する私たち日本人へと繋がっていく。密猟組織のドン、過激派テロリスト、中国大使館員、日本の象牙業者。虐殺の「真犯人」とは、いったい誰なのか……。選考委員満場一致の第25回「小学館ノンフィクション大賞」受賞作。

 第25回「小学館ノンフィクション大賞」受賞作でもある本書は、元アフリカ特派員の著者がアフリカ南部における象牙マーケットの全貌を描き出し、取引された象牙の行く末と私達の生活を結びつけた衝撃のノンフィクション。アフリカでは、1940年代に約500万頭いたとされているアフリカゾウが、2010年代にはすでに約1割の50万頭にまで激減しており、このままのペースで密猟が続けば、野生のゾウはわずか10数年で絶滅してしまうかもしれないと言われており、著者はそんな象牙を取り巻く全容を解明すべく、取材をまとめていますが、本書が書かれる内容は衝撃的で、象牙の密漁の実態や、無関心かつ無知な人々、そしてアフリカの貧困問題……と闇は非常に深いです。

【満足度】 ★★★★☆
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2019年10月18日

『カゲロボ』木皿 泉

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カゲロボ [ 木皿 泉 ]
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 カゲロボというものがいるらしい。学校で、職場で、病院で、家庭で、街角で、カゲロボは私たちをずっと見守っていてくれるのだろうか? それとも罰するためにいるのだろうか? 『小説新潮』他掲載を改題して単行本化。

 今日も、誰かがささやく。「あいつがカゲロボらしいよ……」。いつも、誰かに見られている……。最初は他愛のない都市伝説の筈だった。しかし、イジメに遭う中学生、周囲から認知症を疑われる老人、ホスピスに入った患者、殺人を犯そうとする中年女性など、人生の危機に面した彼らの前に、突然現れた「それ」が語ったことは。いま最注目の作家が描いた、救いをめぐる傑作。

 本書は、人間社会に紛れ込み、人や猫にそっくりなロボット「カゲロボ」が関係する9つの連作短編集。人間社会に紛れ込んで、バレることなく生活しているカゲロボという存在を物語にした作品ですが、不思議な世界観ではあるものの、連作集としては面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月17日

『会社を綴る人』朱野帰子

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会社を綴る人 [ 朱野帰子 ]
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 注意散漫で自信がなく、何をやってもうまくできない紙屋は、あまりの仕事のできなさに何もしないでくれと言われる始末。だが、唯一誇れる文章力で、文書にまつわる事件を解決し…。『小説推理』連載を加筆し書籍化。

 何をやってもうまくできない紙屋が家族のコネを使って就職したのは老舗の製粉会社。唯一の特技・文を書くこと(ただし中学生の時にコンクールで佳作をとった程度)と面接用に読んだ社史に感動し、社長に伝えた熱意によって入社が決まったと思っていたが……配属された総務部では、仕事のできなさに何もしないでくれと言われる始末。ブロガーの同僚・榮倉さんにネットで悪口を書かれながらも、紙屋は自分にできることを探し始める。一方、会社は転換期を迎え……? 会社で扱う文書にまつわる事件を、仕事もコミュニケーションも苦手なアラサー男子が解決!? 人の心を動かすのは、熱意、能力、それとも……? いまを生きる社会人に贈るお仕事小説。

 物語は、仕事はできないが文章を書く特技を活かして、会社で起こる事件に文章を使って解決していくというストーリーですが、その仕事の出来なさぶりは小説だからいいものの、現実にこういう主人公がいれば、会社はかなり迷惑するだろうし、エンタメ物語としてはいいでしょうが、感情移入しづらい作品でした。

【満足度】 ★★★
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2019年10月16日

『AIに負けないためにすべての人が身につけるべき「営業学」』金川顕教




 仕事は遊び、遊びは仕事。“公私混同”こそ新しい時代の営業スタイルであり、人生のスタイル! どんな人でもすぐさまクリエイティブになる営業手法を、常識的すぎる旧時代の営業と比較しながら紹介する。

 顧客は神様ではなく恋人。人脈は深く狭く。仕事は遊び。遊びは仕事。どんな人でもすぐさまクリエイティブになる営業2.0のススメ。

 本書は、旧時代の営業ではなく、今の時代に適した営業についてを紹介したもの。価値観の合わない人間は無視、尊敬できる人とだけ付き合う、好きなお客様を選んでいい、割り勘の関係で良い……など、仕事と遊びを混同し、楽しみながら営業する発想についてが書かれています。確かにAIが台頭しても失われないのは、人と人とのふれあいであり、本書で書かれる「価値観の違う人に、無理に合わせる必要はない」はとても納得します。付き合いも広く浅くではなく、狭く深くということにも共感できますし、仕事も遊びも楽しんで行うことが書かれていますが、この考えにも共感です。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月15日

『おまえの罪を自白しろ』真保裕一

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おまえの罪を自白しろ [ 真保 裕一 ]
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 総理がらみの疑惑を糾弾されている代議士・宇田清治郎。その最中、3歳の孫娘が誘拐された。犯人の要求は記者会見での「罪の告白」。保身のための駆け引きを模索する官邸サイドと戦う宇田一族。「家族の戦い」が始まる!

 「総理の友人に便宜を払うため、国交省や県に圧力をかけたのではないか」…衆議院議員の宇田清治郎は、こんな疑惑を糾弾され、連日、メディアに追われていた。その最中、三歳になる孫娘が誘拐された。「記者会見を開いて、おまえの罪を自白しろ。今まで政治家として犯してきたすべての罪を、だ」。犯人が提示したタイムリミットは翌日の午後5時。動機は宇田清治郎への怨恨か。それとも、総理の罪を暴くことにあるのか。警察は、思い当たる過去の罪を事前に打ち明けてくれ、と宇田を説得する。保身のための駆け引きに長けた「官邸サイド」と対峙するのは、宇田家・次男の晄司。宇田一族、総理官邸、警察組織……。三者の思惑が入り乱れる中、刻々とタイムリミットが迫る。晄司たち家族の戦いが始まる!

 本書は、政界の疑惑が絡んだ誘拐サスペンス。誘拐事件は勿論のこと、政治家一家の生き残りを賭けた駆け引きの緊迫した展開は非常に面白く、いわゆる政界のドロドロ感もうまく表現しています。事件の真相は物足りず、ラストでやや肩透かしを喰らったものの、作品としては楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月14日

『身近な生き物 オス・メス「見分け方」事典』木村悦子




 ネコやイヌからペンギン、タコ、タツノオトシゴまで、さまざまな生き物のオスとメスの違いを、見た目や行動などから紹介。左ページにオス、右ページにメスを配置し、人に話したくなるトリビアとともに、わかりやすく解説する。

 身近にいるペットや、里山などの自然に暮らす野生動物、動物園や水族館で出会える外国の動物など、なじみ深い動物たち約50種のオスとメスの見分け方を紹介! 大きさや色などの見た目の違いだけではなく、行動の違いからオスとメスを見分けられることも。ヒトとは違う繁殖や子育てのしかたには驚きの連続! パートナーをめぐる自然界の厳しさには涙! 途中で性別が変わる不思議な動物も!? イラスト満載、動物の豆知識がたくさんつまった一冊なので、読み終わるころには、きっとあなたも誰かに説明したくてウズウズするはず!

 本書は、身近な生き物のオスとメスの見分け方を解説したもの。イラストもとても丁寧に描かれていて、雑学的な内容でとても読みやすく、動物界のトリビアも面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月12日

『梟の一族』福田和代

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梟の一族 [ 福田 和代 ]
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 忍者の末裔にして一瞬も眠らない一族“梟”の住む里が、火災で壊滅。誰がどんな目的で里を襲ったのか? 行方不明者の安否は? “梟”の女子高生・史奈が、巨悪と戦う! 『小説すばる』連載を加筆し書籍化。

 “梟”の一族…。誰ともなくそう呼びならわされた人々には秘密があった。限界集落で身を隠すように生活している彼らは眠らないことに加えて、生まれつき常人離れした身体能力を持っているのだ。それゆえに歴史の影で大きな役割を果たし続けてきたのだった。榊史奈は一族の末裔中、唯一の十代として期待を一身に背負いながらも、平和に暮らしていた。集落が何者かにより襲撃され、彼女を残して全員が消えてしまうまでは…。敵の目的とは一体何なのか。単身で逃亡生活に追いやられた史奈は、一族の生存を信じて、また己のルーツに関する真実を知るため、戦い続ける。“梟”は、死を恐れない。

 物語は、滋賀の山間に暮らす「梟」と呼ばれる忍者の末裔の村が、ある夜、何者かに襲撃され、1人死亡し、残り12人の住民は全員行方不明となってしまい、村の掟に従って風穴に隠れていた16歳の史奈だけが、取り残され、悲しみながらも、仲間を探し出すため外の世界に出る…というストーリー。もう少しストーリーの展開に幅を持たせてほしかったとは思いますが、設定が凄く良かっただけに、シリーズ化もしてほしい作品です。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月11日

『泣ける競馬』平松さとし

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泣ける競馬 [ 平松 さとし ]
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 武豊がキタサンブラックでの有馬記念制覇を報告した意外な人物、オジュウチョウサンをとりまく男たちの想い…。騎手、調教師、馬主など競馬関係者たちの感動秘話。『Yahoo!ニュース個人』連載に書き下ろしを加える。

 騎手、調教師、馬主……誰も書かなかったホースマンたちの感動秘話。競馬のすべてを取材してきた著者が、さまざまなシーンの舞台裏……騎手、調教師、馬主らホースマンたちの感動エピソードを綴った一冊。珠玉の「32話」収録!

 本書は、馬に関わる騎手とホースマン達の物語で、一話8ページ前後の短編が32話掲載されています。ホースマン達のエピソードは、これまで表に出ていない話も多く、競馬ファンにとってはまさに「泣ける話」が詰まっています。名勝負の舞台裏、ホースマン達の人間ドラマ……と競馬には数多くの想いが繋がっていることも感じられる素敵な一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月10日

『日本人の9割がやっている残念な健康習慣』ホームライフ取材班編




 1日1万歩、糖質制限、発酵食品、半身浴、筋トレ…。巷の常識はもう古い!? だれもが気になる健康をテーマに、よかれと思ってやっている習慣や何気なく行っている習慣に警鐘を鳴らし、よくない理由と正しい方法を紹介する。

 何気なくやっているけれど、じつはその習慣は大いに問題あり! 例えば、目薬のあと目をパチパチする。入浴剤入りの湯で髪を洗う……。これらの行動は、まったく無駄か逆効果。あるいは損をしたり、危険を招いたりする。本書では、衣食住の幅広い習慣の中から、よくある残念な習慣をピックアップ。ダメな理由と正しいやり方を解説し、一歩進んだ裏ワザ的な方法も紹介している。この一冊があれば、もう、日々の“残念”がなくなるはず。

 本書は、何気なくやっているかもしれない、やりがちな残念な行動とその理由が130項目紹介されたもの。「歯ブラシを濡らして歯磨き剤をつける」「髪が短い、髪が薄いから自然乾燥」「足の爪は指のカーブに合わせて切る」「豆腐は四角く切って食べる」「目薬をさしたあと、目をぱちぱちする」「アラームのスヌーズ機能を使う」「カーテンをちゃんと閉めて寝る」……など、ダメな理由と正しいやり方、さらに裏技的な方法も紹介しています。

【満足度】 ★★★★
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2019年10月09日

『ニッポンを解剖する! 北海道図鑑』

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ニッポンを解剖する! 北海道図鑑 (諸ガイド)
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 北海道の名所・文化を徹底解剖! 自然景観の成り立ちや幻想的な風景の秘密、古代から近代化までの歴史、地域を支える産業やそこでしか見られない美景、ホットスポットを紹介。

 縄文遺跡から、IT農業、宇宙開発まで!? 壮大なスケールで奥深い魅力を持つ「北海道」をまるごと解剖!! 通常のガイドブックでは、あまり知ることのできない北海道の名所の詳細や、自然・歴史・文化・地場産業などを、文章だけではなく多彩な写真やイラスト、表などをふんだんに使い、わかりやすく図解して紹介しています。この一冊で「北海道」の見方、楽しみ方が変わる! 読んで面白い、知って旅に出たくなる、新しい形のガイドブックです。

 本書は、「東京」「京都」「名古屋・東海」「沖縄」「金沢・能登」に続くシリーズ第6弾となる北海道図鑑で、壮大かつ奥深い北海道の魅力を、多彩なイラストや写真でまるごと解剖しています。北海道と聞いて思い浮かぶ大自然に始まり、縄文時代から近・現代に至るまでの歴史や文化、広大な土地や豊富な資源を生かした産業、人気&話題の観光スポットなど幅広いテーマを取り上げており、「御雇い外国人」「道産酒」といった北海道ならではのコラムも充実しています。

【満足度】 ★★★★
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