2020年01月22日

『罪の轍』奥田英朗

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罪の轍 [ 奥田 英朗 ]
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 東京オリンピックを翌年にひかえた昭和38年、浅草で男児誘拐事件が発生した。しかし犯人が求めていたのは、大金でも、子どもの命でもなく…。犯罪ミステリ。『小説新潮』連載を改題し単行本化。

 刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独……。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く……。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描く社会派ミステリの真髄。

 本書は、東京五輪前年の「吉展ちゃん事件」をモチーフに、犯人とその周辺人物、捜査員らに多視点で迫る犯罪ミステリ。犯罪小説・警察小説としても読み応え抜群で、犯人が抱える悲しい過去と壮絶な孤独、それを追う刑事たちの執念の捜査は見事な描写で、犯人と刑事の心の交流も胸が熱くなります。

【満足度】 ★★★★
ラベル:罪の轍 奥田英朗
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2020年01月21日

『3万年前の航海の謎を解く 日本人はどこから来たのか?』NHKクローズアップ現代+取材チームの全記録




 3万年前、日本人の祖先は、大陸からどうやって来たのか。世界最大の海流である黒潮に阻まれた最難関ルートを、どのようにして渡ったのか。古代の大航海を再現した研究者と取材チームの格闘の記録。

 本書は、3万年前、日本人の祖先は大陸からどうやって来たのか?の謎に迫るため、研究者たちによる古代の大航海を再現した公開実験「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」をNHK番組取材班が3年にわたり密着取材したものをまとめたドキュメント。本書は「クローズアップ現代+」および「NHKスペシャル『人類誕生』」チームによる制作で、祖先たちがどれほどの困難を乗り越えて渡海したのか体感することの意義を説いた一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年01月20日

『潜入ルポ amazon帝国』横田増生

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潜入ルポ amazon帝国 [ 横田 増生 ]
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 “世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのか。アマゾンのさまざまな現場に忍び込み、「巨大企業の光と影」を明らかにするルポルタージュ。

 「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。

 本書は、15年前にアマゾン潜入記を書いた著者が、再び同社の物流センターに労働者として潜り込み、アマゾンに2度目の潜入をした著者が巨大化した倉庫の内側を描いたルポルタージュ。潜入ルポとしては約半分で、後半はアマゾンについてや、アマゾンのやり方の検証が書かれていますが、今のアマゾンの実態をまとめています。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年01月18日

『関ヶ原合戦は「作り話」だったのか 一次史料が語る天下分け目の真実』渡邊大門




 激戦の末、裏切りで勝敗が決したとされる関ケ原合戦。小説やテレビドラマなどでおなじみの逸話はフィクションだった? 同時代の一次史料から関ケ原合戦を眺め、最新の研究を踏まえて、従来のイメージを覆す。

 三成と上杉の「挟撃策」、午前中は押し気味だった西軍、迷う小早川秀秋……。通説の「関ヶ原」は完全に覆った! 豊臣秀吉の死後、天下を狙う徳川家康。一方、豊臣政権を守ろうとする石田三成は、上杉家の直江兼続とともに家康を東西から挟撃する策を練る。さらに関ヶ原で西軍は、後年、ドイツのメッケルに「西軍勝利」と言わしめたほど見事な布陣をし、東軍と互角以上に戦いながらも、小早川秀秋の裏切りで敗れた……。小説やテレビドラマ、映画等でおなじみのこれらの逸話は、後世に編纂された二次史料から生まれたフィクションであった。では、同時代の一次史料から関ヶ原合戦を眺めたとき、何が見えてくるのか。最新の研究を踏まえて、従来の関ヶ原のイメージを完全に覆す書。

 本書は、関ヶ原の戦いの一次史料をもとに関ヶ原合戦を再検証したもの。豊臣秀吉の死後から関ヶ原の戦後処理までの間、徳川家康始め多くの諸大名の心情や思惑・政略を丹念に吟味しており、これまで小説やテレビドラマなどで取り上げられた数々の通説の誤りを鋭く指摘していて興味深い一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年01月17日

『シリーズ人体 遺伝子 健康長寿、容姿、才能まで秘密を解明!』NHKスペシャル「人体」取材班




 がんや認知症、アレルギーを防ぐDNAがある、緑茶や運動でDNAスイッチが切り替えられる…。遺伝子学の最前線を伝える。NHKスペシャル「シリーズ人体U遺伝子」第1〜2集を書籍化。山中伸弥との特別対談も収録する。

 NHKスペシャル総合司会タモリさんと山中伸弥教授による、大好評の人体シリーズ。今「人体の設計図」遺伝子の秘密が驚異のスピードで解明されています。これまでの常識が180度変わる最先端の研究報告を世界各地に取材。DNA顔モンタージュ、百寿者の秘密、糖尿病の治療薬、がん抑制遺伝子、誰もが持って生まれる約70個の突然変異とは?などなど、自分自身の体の中で起きている奇跡が眼前にくり広げられ大反響を呼んだ同番組を書籍化。番組では伝えきれなかったDNAのスイッチを良いほうに変える食事や運動についても紹介します。

 本書は、遺伝子に関する最近の研究状況を、分かりやすく解説したもの。今まで「遺伝子」と呼ばれ、詳しい解析が行われてきたのは、全DNAの2%に過ぎず、技術の革新は、ゴミとさえ言われてきた残り98%の領域の秘密を解明し、そこには人類進化の秘密を解き明かす鍵まで眠っていることが明らかになり、との「トレジャーDNA」について書かれていますが、DNAの驚異の世界がここに書かれています。

【満足度】 ★★★★
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2020年01月16日

『ジェインズヴィルの悲劇 ゼネラルモーターズ倒産と企業城下町の崩壊』エイミー・ゴールドスタイン




 ウィスコンシン州南西の街ジェインズヴィルでは、経済のすべてがゼネラルモーターズを中心に回っているといっても過言ではなかった…。工場閉鎖によって引き起こされた企業城下町崩壊の実情を描くノンフィクション。

 世界トップレベルの自動車企業・ゼネラルモーターズ(GM)。その生産工場が閉鎖したとき、企業城下町ジェインズヴィルの分断が始まった……。『ワシントン・ポスト』で30年以上のキャリアを持つ女性ジャーナリストが、一市民のパーソナルな物語を通して「分裂したアメリカ全体の物語」を描き出した、衝撃のノンフィクション!

 本書は、著者が元GM工員、その家族、教育者やソーシャルワーカー、政治家、財界人など、ジェインズヴィルのさまざまな人々に緻密なインタビューを実施し、プラント閉鎖以降の彼らの生活や行動を事実のみならず心理まで克明に描写したノンフィクション。一企業に依存していた自治体がそれを喪った途端、ドミノ倒しのようにあらゆる経済活動が停滞し、人々の人生が坂を転げ落ちていくさまは、決して他人事ではなく、一企業に依存することでの再転換への難しさが書かれ、職を失った3つの家族の苦闘を軸に、ゼネラルモーターズ(GM)の経営破綻後の5年間の企業城下町の変容を追っていますが、ここには厳しい現実が記されています。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年01月15日

『神前酔狂宴』古谷田奈月

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神前酔狂宴 [ 古谷田 奈月 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2020/1/15時点)




 神社の結婚披露宴場で働く浜野、梶、倉地。配膳スタッフとして日々披露宴の「茶番」を演じるうちに、神社の祀る神が明治日本の軍神であることを知り…。結婚、家族、日本という壮大な茶番を切り裂く。『文藝』掲載を単行本化。

 本書は、日清・日露戦争の英雄を祀る神社に併設された結婚式場を舞台に、結婚式という、新郎新婦にとっては人生の一大事のお祭りという茶番の裏側と、その向こう側にある国や宗教と絡めて、信仰に対する現代人の感覚も炙りだす物語。お仕事小説と思いきや、神の存在や神のもとで働くことの意味を問い直す作品でもあり、神前結婚や披露宴を細やかに描きながら茶番劇としている視点は斬新でもありますが、個人的にはイマイチでした。

【満足度】 ★★★
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2020年01月14日

『学校に入り込むニセ科学』左巻健男




 「水からの伝言」、EM菌、ゲーム脳、親学、白砂糖有害説…。教員や生徒の善意を利用して勢力拡大を目論むニセ科学。その危険性に警鐘を鳴らしてきた第一人者が、学校に侵入する怪しげなニセ科学を一刀両断。

 本書は、著者の書いた『暮らしの中のニセ科学』と内容的にかなり近いですが、興味深かったのは、こうしたニセ科学を誰が学校教育に持ち込もうとしているのかの部分と、ニセ科学に対する科学的立場からの批判は読み応えがありました。実際には科学的な根拠はなく、勢力拡大を目論むニセ科学に対しての警告の意味では一石を投じる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年01月13日

『奇跡の名馬 2 Fターフメモリー』兼目和明




 語り継ぎたい、名馬たちの記録と記憶…。最狂三冠馬オルフェーヴルから、血統の常識を覆したキタサンブラック、角が生えた名馬、小さな島の歴史的名馬まで、日本の名馬・世界の名馬・競馬以外の名馬を厳選した歴史的名馬本。

 「未来の先まで語り継ぎたい、名馬たちの記録と記憶」……三冠馬オルフェーヴルから324戦197勝の女傑、角が生えた名馬、小さな島の歴史的名馬まで……。前作『奇跡の名馬』出版から10年。前作で紹介しきれなかった名馬、新時代に降誕していった名馬たちを収録。さらに、自国の名馬、世界の名馬、競馬以外の名馬も一同に厳選・選別をかけて結集させた一冊。

 本書は、約800ページ弱の超大ボリュームの名馬コラム集。日本の馬は勿論のこと、海外の有名馬やあまり日本の競馬ファンに馴染みのない名馬まで収録されていますが、日本からは近年を代表する暴君三冠馬オルフェーヴル、北島三郎の愛馬キタサンブラック、前作で登場しなかったテイエムオペラオー、トウカイテイオーやスペシャルウィーク、シンザンなどから、伝説的アラブの名馬、琉球幻影の白馬、横浜競馬時代の名馬などが取り上げられ、世界からはフランケル、シーザスターズといった超歴史的名馬から誰も知ることのないようなギリシャ、南アフリカの名スプリンター、インド・パキスタン・ジャマイカ、セントヴィンセントグレナディーン諸島、中南米伝説の怪物たち…と、マニアックな視点からも紹介されており、競馬ファンにはぜひともオススメしたい一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年01月11日

『この道をどこまでも行くんだ』椎名 誠

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この道をどこまでも行くんだ [ 椎名誠 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2020/1/11時点)




 コブラの踊り、タクラマカン砂漠の白骨林、アウシュビッツの今…。思いがけない不思議な光景が満載! 自然・人々への讃歌フォト50枚を、エッセイとともに収録する。『東京スポーツ』連載を改題、加筆修正して単行本化。

 すざまじいスケールで眼前に展開する人間たちのカオスもあれば、その地で生を全うしていくのがよくわかるしわくちゃ顔の女性のおだやかさと、南米大陸に広く棲息するラクダの仲間=グアナコの優しげな顔などにも目を向ける。アウシュビッツ収容所跡の周辺で牧草を刈り込む老農夫にフォーカスし、命を見つめたメッセージで締め括る味わい深い“シーナの世界”。

 本書は、著者の旅行記エッセイで、世界の極地や辺境の地での体験を写真と共に紹介しています。それぞれの話が短くまとまっていて、写真と共に紹介されているだけに、読みやすい旅行記でした。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:31| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする