2025年03月15日

『コンビニ全史 日本のライフスタイルを変えた50年の物語』中村直文




 無数の「プロジェクトX」を生んだ挑戦者たちの物語!おにぎり開発、プレミアムPB、物流革命、24時間営業、銀行業参入…。セブンイレブン買収騒動、『コンビニ人間』村田沙耶香さん対談、レジェンド鈴木敏文氏の名言などを収録!

 コンビニが消費を、そして日本の文化を変えた。日経MJ元編集長が描く、コンビニ化するニッポンの物語。国内店舗数が5万店を超え、売上総額11兆円超、年間160億人が利用するコンビニ。大小さまざまなメーカー、卸、サービス企業が積極的な投資を進め、巨大な経済圏を作りあげた。コンビニおにぎり、からあげの登場。POSシステムによる単品管理。24時間365日営業。公共料金収納の取り扱い。トイレの開放。店内のATM設置。独自PBのプレミアム商品発売。イートインやカフェの導入……いまや生活インフラとなったコンビニエンスストアのイノベーションの歴史を解き明かす!

 本書は、セブンイレブン1号店誕生から50年、小売業態の1つにすぎなかったコンビニが、ライフスタイルを変え、インフラになるまでの物語。コンビニの本格的なチェーン展開が始まってから、今では社会インフラの一つとも言われていますが、米国生まれのコンビニはなぜ、これほどまでに日本社会に受け入れられたのか。そして、コンビニの拡大によって私たちのライフスタイルはどう変わったのかが、コンビニの歴史と現況からまとめられています。

【満足度】 ★★★★
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2025年03月14日

『イラスト図解 知っているようで知らない 物価のしくみ』斎藤太郎/木下智博




 物価は私たちの生活と密接に関わっていますが、物価を測る指標や物価の変動する要因など、基本的なしくみは知らない人が多いのではないでしょうか。本書を読むことで、消費者物価指数の測り方、為替レートと物価の関係、金融政策の物価への影響など、さまざまな視点から「物価のしくみ」を知ることができます。物価への見方が一変することでしょう。

 近年、物価の上昇が続いており、話題となっています。2024年7月、一般の消費者に「日頃よく購入する品物の価格は1年後どの程度になっているか」を聞く調査が行われ、全体の45.2%の人たちが「5%以上上がる」と回答しました。しかし、消費者物価指数という物価の動きを表す数値を見ると、消費者が予想する「5%以上の上昇」は過去20年間で一度もありません。2%を超えたのも、2014年、2022年、2023年の3回だけなのです。物価に関する数字やしくみを理解することで、自分の中の思い込みが変わるきっかけになります。本書を読むことで、経済ニュースへの理解も深まるでしょう。

 本書は、「そもそも物価とは何か」「物価が変動する要因」「物価が上がると生活はどうなるのか」など、意外と知らない物価の知識について、誰でもわかりやすいようにイラスト図解を用いて解説した一冊。消費者物価指数の測り方、為替レートと物価の関係、金融政策の物価への影響など、様々な視点から「物価のしくみ」を知ることができます。

【満足度】 ★★★★
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2025年03月13日

『あやふや記憶の本棚 思い出せないあの本、探します』あやふや文庫




 6.6万人の本好きさんが探してくれた、みんなの「あいまいな本の記憶」と、その正解。6031冊が判明。

 本書は、思い出そうとしても思い出せない、皆さんの記憶の中にある本を探し出してくれる×アカウント「あやふや文庫」(@ayafuyabunko)が、これまでに探し当てた本をまとめた一冊。古い本、日本作家以外、児童書、純文学…などが多いこともあって、知らなかった本が多かったですが、未解決の本が早く探し出せればと思いますし、読書好きとして中々面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2025年03月12日

『老い方がわからない』門賀美央子

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老い方がわからない [ 門賀美央子 ]
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 どうすれば老害と言われず、若さにしがみつく醜態をさらさず、年相応の分別と年齢以上の価値を持つ老人になっていけるのか? 健やかで美しい老い方を追求したユーモア溢れるポジティブエッセイ。

 「人生100年時代」到来!シニア世代は、どうすれば若者に老害と言われず、若さにしがみつく醜態を晒すことなく年相応の分別と年齢以上の価値を持つ老人になっていけるのか。話題作『死に方がわからない』で「自分のためのよりよき死に方」を追求した著者が、今度は「健やか、かつ美しい老い方」を、とことん探究した、老い方のハウツーエッセイ。

 本書は、50代を迎えた著者が、ひとり暮らしのボッチが、人生100年時代において健やかに老後を生きる方法を追求したエッセイ。。「会社員、既婚、子どもあり」を前提とした日本の社会保障や、単身高齢者への支援が行き届かない現状などの問題を提示しつつ、それらの解決への道筋や、筆者の導いた答えを書いており、豊かな老後を迎えるためのヒントを得られる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2025年03月11日

『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』青柳碧人




 事件の最後に「あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの?」の決めセリフが炸裂する大好評「赤ずきんシリーズ」の第3弾が登場! 今作では「アラビアンナイト」の世界で赤ずきんが大活躍します。王妃が王様に語る、「アラジン」「アリババ」「シンドバッド」といった物語の中で起きる殺人事件を、赤ずきんが名推理で解決していきます。空飛ぶ絨毯やランプの魔人といった小道具も盛り込み、これまで未読の方でも楽しめます。

 童話×ミステリ第3弾!またまた事件に巻き込まれた赤ずきん。謎をスッキリ解決!できるのでしょうか?「アラジンと魔法のアリバイ」お母さんが市場で買ったコーヒーを飲んでいた赤ずきん。指輪の魔人に連れられて、あるアラビアの国にやってきました。国の大臣がヤギの乳で殺されたというのですが…。「アリババと首吊り盗賊」空飛ぶ絨毯に乗せられた赤ずきん。森の中で墜落し、アリババに助けてもらいました。アリババはお兄さんを捜しに洞窟に向かい「開け、ゴマ!」と叫びます。そこにあったのは…。「シンドバッドと三つ子の事件」不思議な布で小さくなってしまった赤ずきん。海で出会ったシンドバッドから、アラジンの事件で知り合った大臣の3人の甥が不審な死を遂げたことを聞き、推理を展開しますが…。「アラビアの夜にミステリは尽きず」王妃が話す、赤ずきんの活躍を楽しんでいたペルシャの王様。ですが王様はまだ「赤ずきんの本当の物語」を知らずにいたのです…。

 本書は、「赤ずきんシリーズ」の第3弾で、今回は千夜一夜物語ををベースにアラジン・アリババ・シンドバッドと物語を紡いでいきます。魔法ありきの連作ミステリとして、世界観と共に楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2025年03月10日

『おきざりにした悲しみは』原田宗典

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 「おれはもうおじさんではなく、おじいさんだ」…様々な思いをおきざりにして、これまで生きてきた長坂誠、65歳。その運命の歯車が、或る姉弟との出会いから動き出す…。おきざりにされた者など、いない。生きていくかぎり、ささやかではあれ希望が生まれ、その旅は続いてゆくから。吉田拓郎の名曲にのせて贈る、昭和の香り漂う令和の物語。

 本書は、吉田拓郎の同タイトルの曲から着想を得た物語で、様々な人生の曲折を味わった人の優しさが描かれる作品。著者の6年ぶりの書下ろし小説で、まさか吉田拓郎の曲から小説を描くとはあまりにも意外で、しかも著者の25年以上前の『スメル男』の系譜で、初期の作品を彷彿とさせてくれていて、ひとり暮らしの65歳の主人公と幼い姉弟の交流を描いた物語は、優しさ、詩情、途轍もない夢などに溢れ、予想以上の素晴らしさでした。

【満足度】 ★★★★☆
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2025年03月08日

『ルポ 京アニ放火殺人事件』朝日新聞取材班

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ルポ 京アニ放火殺人事件 [ 朝日新聞取材班 ]
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 2019年7月、京都市伏見区にある「京都アニメーション・第1スタジオ」で起きた放火殺人事件。死傷者68人を出した凄惨な事件はなぜ起きたのか。裁判での証言や供述調書および独自取材を通して、青葉真司被告が起こした事件の実相に迫る。

 36人もの命を奪った戦後最悪の事件は、なぜ起きたのか。「京都アニメーション・第1スタジオ」で起きた放火殺人事件から4年半ほどが経った2024年1月25日、青葉真司被告に死刑判決が言い渡された。143日間(23回)に及んだ裁判は事件の何を明らかにし、遺族や負傷者は何を思ったのか。裁判の記録と独自取材を通して、凄惨な事件の実相に迫る。

 本書は、京都アニメーション放火殺人事件の犯人・青葉被告の生い立ちから事件を起こすまでをたどり、どのような人生を送ってきたのかを浮き彫りにしたルポで、朝日新聞デジタルに連載された記事をまとめ、加筆されたもの。特に目新しい内容はなかったものの、改めて被害者の方々のご冥福をお祈りします。

【満足度】 ★★★☆
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2025年03月07日

『猛獣ども』井上荒野

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 「■通」していた男女が熊に殺された…。閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。愛の行方の複雑さを描く傑作長編!

 物語は、山林に囲まれた別荘地で、1組の男女が熊に襲われて死亡する出来事から始まりますが、住民たちの関心の矛先は熊ではなく、その2人が不倫カップルであったことから、別荘地の管理人の男女と、定住者である6組の夫婦の事件後の不穏な心模様を細やかに描いた作品。登場人物たちの心理描写もリアルで様々な側面からスリルも味わえる展開で、危ういバランスを維持して展開していく人間模様に目が離せませんでした。

【満足度】 ★★★★
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2025年03月06日

『円かなる大地』武川 佑

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 時は戦国、北の大地。「とこしえの和」は成るのか…。謎多きアイヌの壮年・シラウキがクマの襲撃から助けた少女は、蛎崎氏の娘・稲姫だった。礼として居城に招かれるが、それが戦の思わぬ発端となってしまう。和睦の条件は「15日以内に仲介人となる安東氏を出羽国から連れ帰る」という困難なものだったが、それでも二人は「友との約束」を胸に、稲の許嫁、無頼の女傑、女真族、恐山の怪僧など心強い協力者とともに、難題に立ち向かう。

 時は戦国、北の大地。謎多きアイヌの壮年・シラウキが人喰いクマの襲撃から助けた少女はなんと、蠣崎氏当主の娘・稲姫だった。礼として居城に招かれるが、それが思わぬ和人とアイヌの戦の引き金を引いてしまう。稲は己の無知が招いた惨状を目の当たりにして、和睦には自ら打って出ることを決意する。一方シラウキも稲姫の姿に心打たれ、少年期の惨劇の清算を和睦へと託すのであった。無頼の女傑、女真族、恐山の怪僧……二人は心強い協力者とともに和睦の中人となりうる出羽国・安東氏のもとへ向かう。果たして二人は、「とこしえの和」を実現することができるのか。

 物語は、16世紀半ばの北海道と北東北を舞台に、長年続くアイヌ民族と和人の争いに終止符を打つため、蠣崎氏当主の姫が仲間とともに、主筋に当たる出羽国の安東氏に和睦の仲介を求める歴史小説。戦国時代のアイヌと和人の関係が怒涛の展開で描かれ、コシャマインの戦いから大館騒動までの経緯など、意外な形で史実との繋がりも描かれており、アイヌと和人の闘いと交流を骨太の作品として表現しています。

【満足度】 ★★★★☆
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2025年03月05日

『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』冨山和彦




 少子高齢化による深刻な人手不足と、デジタル化の進展による急激な人余りが同時に起きつつある日本社会。人手不足はローカル産業で生じ、人余りはグローバル産業で顕著に起こる。これまでの常識に捉われるホワイトカラーは、生き残る選択肢がほとんどなくなってゆく。企業再生支援の第一人者による、国、組織、個人…それぞれの抜本的再生を促すための緊急提言!

 深刻な人手不足と、デジタル化の進展による急激な人余りが同時進行する日本。生成AIをはじめとする技術革新によってホワイトカラーの仕事が急速に奪われていく局面で、自分自身の生き方、働き方、スキルをどうすべきか?

 本書は、少子高齢化による深刻な人手不足と、デジタル化の進展による急激な人余りが同時に起きつつある日本社会で、人手不足の状況でなぜ人が余るのかを解説した一冊。AIやデジタル技術の発展によって、従来のデスクワークやオフィス業務が急速に変化している現状に警鐘を鳴らし、どのような働き方を目指すべきかを提案しており、デジタルシフトの課題と対策なども参考になりました。

【満足度】 ★★★★
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