![]() 注文をまちがえる料理店 [ 小国士朗 ] |
まちがえることを受け入れて、まちがえることを一緒に楽しむ。2017年6月に2日間限定でオープンした「認知症を抱える人」が接客をするレストランで、本当にあったものがたりを紹介。企画の発起人である著者の解説も掲載。
2017年6月。日本のみならず世界中の話題をさらったレストランがありました。その名は「注文をまちがえる料理店」。接客をするのは“認知症を抱える人”。まちがえることを受け入れて、まちがえることを一緒に楽しむ。この不思議であたたかいレストランのものがたりを1冊にまとめたのが本書です。1部ではこのレストランで本当にあったお話(物語)を、2部ではこの企画の発起人である小国士朗氏による解説ならびにレストランにかける思いを掲載しています。忘れちゃったけど、まちがえちゃったけど、まあいいか。
本書は、宮沢賢治の童話『注文の多い料理店』をモチーフにし、試験的にプレオープンした「注文をまちがえる料理店」のプロジェクトや、実際のエピソードなどを紹介したもの。ハプニングは当たり前のように起きましたが、訪れた客はみんなそのハプニングを楽しみ、評判は国境を越え、社会福祉先進国のノルウェーからも高い評価を受けたとのこと。本書では企画者である著者の視点だけでなく、スタッフとして働いた認知症の当事者を支えている、ケアワーカーや家族からの寄稿も数多く寄せられており、社会福祉の領域に、新しい価値観と示唆を与える一冊です。
【満足度】 ★★★★
ラベル:小国士朗 注文をまちがえる料理店