![]() わたしの本棚 [ 中江有里 ] |
カズオ・イシグロ、北村薫、スティーヴン・キング…。女優、コメンテーター、作家として活躍する著者が、大切な転機あるいは危機を救ってくれた24冊について綴る、読書エッセイ。『文蔵』掲載を改題し、加筆・修正。
自分を成長させてくれた、たいせつな24冊。カズオ・イシグロ、北村薫、スティーヴン・キング…わたしの本棚はまさに“人生の写真アルバム”。女優、コメンテーター、作家として活躍する著者の読書エッセイ。
本書は、単なる書評集ではなく、幼くして両親が離婚し、自らの意思で母のそばにいることを選んだ著者が、転校した先の小学校で『家なき子』を手に取り、生きていくためには何が必要か、何もできない今の自分という存在、絵空事ではなく現実を突きつけてくる本との出合いについてを、『家なき子』を皮切りに『倚りかからず』『わたしを離さないで』など、人生の折々に出合い、大きな示唆を与えてくれた24冊の本のことが当時の思いとともに綴られたエッセイ。両親の離婚、芸能界デビュー、4つの高校生活、通信制の大学入学、脚本家デビュー、突発性難聴、祖母や叔父の死去、母親の再婚……と、様々な人生の転機に出会った本の紹介は、単なる書評とは違って重みのある内容でもありました。「本は逃げるための手段で道具だ」という言葉もとても印象に残りました。
【満足度】 ★★★★☆