2019年03月20日

『ウェルカム!ビートルズ』佐藤 剛




 誰が、どのようにして、ビートルズを日本に呼ぶことができたのか。経済復興の象徴だった東芝電気とその子会社として生まれた東芝レコードにまつわる、歌と音楽とビジネスをめぐる物語。『エンタメステーション』連載を書籍化。

 東芝レコードは、1960年代中盤にビートルズのレコードを日本で発売。空前の大ヒットとなる。範一郎は、ビートルズの招聘を計画。1964年の東京オリンピックのために落成された日本武道館を、コンサート会場に使用する構想を描いた。その実現のため、東芝の石坂泰三、読売グループの正力松太郎、協同企画の永島達司、東急グループの五島昇など、高度成長期を支えるサムライたちに思いの丈を伝え、動かす。そう、あの武道館の熱狂の裏には、感動のビジネスドラマがあったのだ。

 本書は、サブタイトルに「1966年の武道館公演を実現させたビジネスマンたち」とありますが、ビートルズ来日を巡る人間ドラマを描いたノンフィクション。音楽ビジネスの視点から、ベールに隠されていたその実現過程を丹念な取材で掘り起こしており、ビートルズのマネージャーのブライアン・エプスタイン、広報担当のトニー・バーロウ、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、キャピトルのA&Rだったデイブ・デクスター・ジュニア、担当ディレクターの高嶋弘之、『ミュージック・ライフ』の草野昌一と星加ルミ子、そして永島達司、正力松太郎、石坂泰三など多様な登場人物の動きが生き生きと描写されて、壮大な人間ドラマが浮かび上がってきます。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 17:41| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする