2019年06月06日

『火災・盗難保険金は出ないのがフツー』加茂隆康




 家が全焼しても高級品が盗まれても、保険金は出ない。あの手この手で支払いを渋り、救済されるはずの被害者を苦しめる損保。彼らの狡猾な手口を暴き、どうすれば保険金を正当に引き出せるか、実際の裁判をもとに徹底的に解説。

 火災保険や盗難保険に入っていれば、事故の際、保険金は当然出ると思われている。しかし、現実には家が全焼しても、高級品が盗まれても、保険金は出ない。それは、保険金の支出が損害保険会社にとって「損失(ロス)」でしかないからだ。あの手この手で支払いを渋り、救済されるはずの被害者を苦しめる損保。彼らの狡猾な手口を暴き、どうすれば保険金を正当に引き出せるか、実際の裁判をもとに徹底的に解説する。

 本書は、弁護士でもある著者が実際に手がけた事案をもとにして書かれたもの。保険金を払わない損保会社名はさすがに匿名ではありますが、じっくり読むと、会社名が分かり、日本を代表するような著名な会社が、様々な理屈を付けて支払いに応じていないことに驚かされます。著者によれば、損保会社は巨額の保険金をできるだけ支払いたくない。そのため、少しでも疑わしい点があれば、「保険金支払い不能」という通知を被保険者に送り付ける。訴訟になれば、時間も金もかかる。ひょっとすると被保険者側が泣き寝入りしたり、諦めたりするかもしれない。もし訴訟になって負けたら、その時に払えばいい…そうした不埒な考えが、損保に共通するポリシーなのだという。なお、各章の終わりには弁護士の視点から、正当な保険金を引き出すテクニックがまとめられているため、万が一の時のマニュアルにもなる一冊です。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 17:08| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする