2019年11月30日

『ストーカーとの七〇〇日戦争』内澤旬子

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ストーカーとの七〇〇日戦争 [ 内澤 旬子 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2019/11/30時点)




 ネットで知り合った男性との交際から8カ月。ありふれた別れ話から、恋人はストーカーに豹変した。執拗なメール、ネットでの誹謗中傷…。恐怖の神経戦を描いたリアルドキュメント。『週刊文春』連載を単行本化。

 本書は、ストーカー化した元交際相手が逮捕されてから仮釈放されるまでを描いたリアルドキュメント。ネットでのやまない中傷や身の安全を考えた転居、弁護士や警察とのやりとりなど、当事者にとって恐怖と混乱でしかない事柄が次々と起こり、その緊迫感が伝わってきます。被害者が守られるわけではない現実や、法律や公的機関が自分の味方になってくれるわけではないことなど、報復の恐怖も内容から想像できます。ただ、一番悪いのは加害者ではありますが、ここまでエスカレートするに至った経緯では、加害者の感情を逆撫でする言動も幾つか見られただけに、気持ちは理解できますが、もう少し違った対応を取るとここまで長引くことはなかったのではないかとも思いましたが、その点が読んでいても、どうしても引っかかりました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 17:19| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月29日

『紙幣の日本史』加来耕三

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

紙幣の日本史 [ 加来 耕三 ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2019/11/29時点)




 長く愛され続けた肖像たちの真相、激動の時代の肖像たちの逸話、お馴染みとなった肖像たちの裏話、令和を彩る肖像たちの真実…。お札の肖像が採用された時代背景を見つめ、意外な歴史エピソードを探る。

 なぜ、あの人物は、そのとき“お札”に描かれたのか…。「令和」へと年号が変わり、令和6年(2024年)の新紙幣発行を前に、これまで紙幣に描かれてきた肖像と、その肖像が採用された時代背景を見つめ、検証することを目的とした一冊。

 本書は、紙幣の肖像の時代背景や、印刷技術の制約を検証したもの。明治から令和に至るまでの紙幣に描かれてきた全ての人物について、それぞれの生涯や人柄、彼らが肖像に起用された経緯や時代背景とともに紹介しています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 15:35| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月28日

『新聞という病』門田隆将

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

新聞という病 (産経セレクト) [ 門田隆将 ]
価格:968円(税込、送料無料) (2019/11/28時点)




 マスコミだけが情報を独占できた時代は「過去のもの」となり、その過程で新聞の実像が浮き彫りにされていった。変貌するジャーナリズムの姿や本質を見失いつつある世の中を指摘する。『産経新聞』『正論』掲載を書籍化。

 ジャーナリズムの王として長く君臨した日本の新聞は、なぜ今、「国民の敵」となってしまったのだろうか。中国や韓国を持ち上げ、ひたすら彼らを利する新聞は、日本に天文学的数字の損害を与え、国益を毀損しつづけている。かつて記者クラブに潤沢に記者を配置し、情報を独占して自らの主義主張、イデオロギーに基づいて情報を「加工」し、大衆に下げ渡していた新聞が、インターネットの発達でその「正体」が暴露されてしまった。「権力の監視」を大仰に謳い、「ファクト」を殺す新聞の傲慢さは、いったいどこから来ているのか。どのようにして新聞記者は情報自体を歪めるのか。平成とは、そんな新聞の実態が明らかにされた時代だった。ついには新聞自体が「日本最大の病巣」となってしまったありさまを余すところなく浮き彫りにする。令和の時代、どう新聞と向き合うべきなのか、目から鱗の具体論! 朝日新聞を謝罪に追い込んだ気鋭のジャーナリストが「生き残る情報」、「死ぬ報道」を喝破する。

 本書は、著者が産経新聞で連載する「新聞に喝!」と、月刊『正論』に寄稿した原稿を元にまとめたもので、平成から令和に時代が変わる中、新聞が憲法や安全保障、原発問題などのテーマに対し、どのように報道してきたかに深く切り込んだ一冊。新聞が衰退した原因として、朝日新聞での誤報や虚報を中心に疑問を呈していますが、書かれている内容は殆ど同意するものばかりで、主義主張によって真実をねじ曲げる報道をするのではなく、あくまでも事実に基づいた報道こそ、新聞としての本質でもあり、報道のあり方こそ、各新聞社で考えてほしいものです。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 18:36| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月27日

『時喰監獄』沢村浩輔

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

時喰監獄 [ 沢村 浩輔 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2019/11/27時点)




 明治の初め、北海道の奥地に建てられた第六十二番監獄。入ったら二度と出られないというこの監獄に、奇妙な囚人が集うとき、秘密は暴かれ、時をかける大事件の幕が上がる! 思惑と「時間」が絡み合うプリズン・ミステリー。

 第六十二番監獄。明治の初めに北海道の奥地に建てられたその監獄は、収監されれば二度と出られないという噂から、〈黒氷室〉の異名で恐れられていた。〈黒氷室〉行きとなった青年・北浦は、奇妙な囚人たちに出会う。三度目の脱獄を目論む不死身の男・赤柿、帝都の私立探偵だという浮世離れした美青年・御鷹、そして閉ざされたはずの監獄に、ある日突然現れた記憶喪失の男。こいつは誰で、どこからやってきたのか? 謎を探るうち、北浦は監獄の〈本当の目的〉を知る!

 本書は、明治時代初期に、北海道の原生林の中に造られた監獄を舞台とした作品ですが、カバー文の「プリズン・ミステリ」に期待して読んでいきましたが、ミステリというよりもSF作品で、監獄を舞台としたタイムトラベルものだったため、正直肩透かしを喰らったような感じで、展開もB級活劇のようで、個人的にはイマイチでした。

【満足度】 ★★☆
posted by babiru_22 at 19:18| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『サリエルの命題』楡 周平

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

サリエルの命題 [ 楡 周平 ]
価格:2035円(税込、送料無料) (2019/11/26時点)




 突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬も全国民にはとうてい行き渡らず…。命の重さを問う長編。『小説現代』掲載を加筆し単行本化。

 悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使……。日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?

 本書は、突然変異のインフルエンザウィルスであるサリエルを背景に、日本の国民健康保険問題を追求した社会派サスペンス。政治家の本音と建前や、現在の医療制度の問題点も浮き彫りにしており、現実問題として考えさせられる作品です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 14:44| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月25日

『出身成分』松岡圭祐

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

出身成分 [ 松岡 圭祐 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2019/11/25時点)




 11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられた、平壌郊外の保安署員クム・アンサノ。謎の男の存在に辿り着くが、自国の体制に疑問を抱き始め…。鉄壁な国家が作り出す恐怖と個人の尊厳を緻密に描き出す、社会派ミステリ長編。

 平壌郊外の保安署員クム・アンサノは11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられた。犯人として収容されている男と面会し記録を検証するが、捜査の杜撰さと国家の横暴さを再認識するだけだった。実はアンサノの父は元医師。最上位階級である「核心階層」に属していたが、大物政治家の暗殺容疑をかけられ物証も自白もないまま収容されている。再捜査と父への思いが重なり、アンサノは自国の姿勢に疑問を抱き始める。そしてついに、真犯人につながる謎の男の存在にたどりつくが……。鉄壁な国家が作り出す恐怖と個人の尊厳を緻密に描き出す、衝撃の社会派ミステリ長編。

 本書は、北朝鮮の平壌郊外で起こった殺人事件を追ったミステリ。北朝鮮の階層制度を背景に、ノンフィクションを読んでいるような感覚で、北朝鮮の実態をうまくミステリに取り入れていて、リアリティを感じる作品です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:30| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月23日

『救いの森』小林由香

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

救いの森 [ 小林由香 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2019/11/23時点)




 子どもがいじめや虐待、誘拐など命の危険を感じた時に起動させると、児童救命士がかけつける「ライフバンド」。その検査のため、新米児童救命士の長谷川は小学校に出向くが、そこでわざと警告音を鳴らす少年と出会い…。

 いじめや虐待、誘拐など命の危険を感じた時に起動させると、児童救命士がかけつける「ライフバンド」。児童保護救済法が成立し、義務教育期間の子どもにその着用が義務づけられた。ある日、新米児童救命士の長谷川は「ライフバンド」の検査で小学校に出向き、そこでわざと警告音を鳴らす少年と出会う…。生きづらい現代に希望を照らす、衝撃の問題作!

 本書は、いじめや虐待など、子供達のSOSに駆けつける児童救命士の奮闘ぶりを描いた作品。物語で描かれる児童保護救済法というものが成立しない世の中であってほしいとは思いますが、将来的にはこのようなことが起きても不思議ではないと思ってしまいますが、物語の設定の着眼点は非常に良いとも思いますし、子ども達の様々な問題にこそ、現実的にメスを入れなければならないとも思うだけに、問題提起的にもいい作品でした。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:58| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月22日

『恐怖を知らない人たち』アビゲイル・マーシュ

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

恐怖を知らない人たち [ アビゲイル・マーシュ ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2019/11/22時点)




 善意をもたないサイコパスと、犠牲をいとわない利他主義者。その差は恐怖のとらえ方にあった。最新脳科学でサイコパスの脳を徹底分析。また、哺乳類の利他行動の起源や、いかに獲得したかを検討し、人間の利他的可能性も探る。

 本書は、サイコパスの分析から、サイコパスの対極ともいえる利他主義とはどういうメカニズムなのかを明かす内容。脳の扁桃体に異常があることにより、恐怖という感情を理解できず、他人の恐怖も理解できないサイコパスと、対極的でもある利他主義者についてが書かれていますが、改めて利他主義について考えさせられる一冊でした。

【満足度】 ★★★
posted by babiru_22 at 16:52| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月21日

『ガラリ一変! 競馬の見方』西内 荘

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ガラリ一変!競馬の見方 [ 西内 荘 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2019/11/21時点)




 1頭の馬には各分野の多くの人々の手が掛かっていて、そのなかの重要なポストに装蹄師がいる。数々の名馬を支え、救ってきた“カリスマ装蹄師”西内荘が、装蹄師の仕事、これまでの担当馬などについて語る。

 本書は、不世出の名馬ディープインパクトの装蹄師として知られる著者が、装蹄師の仕事や思考、競走馬への深い愛情を綴った一冊。ディープインパクトはもちろん、担当してきた歴代の名馬のエピソードや、装蹄師という職業について詳しく語っています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:54| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月20日

『恐竜まみれ 発掘現場は今日も命がけ』小林快次

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

恐竜まみれ 発掘現場は今日も命がけ [ 小林 快次 ]
価格:1595円(税込、送料無料) (2019/11/20時点)




 誰もまだ見たことのない身体を持ち、考えてもみない生態で暮らしていた恐竜の痕跡は、まだまだ見つけられるはず…。恐竜に取り憑かれた学者の超スリリングな発掘記。「デイノケイルス」「むかわ竜」の発掘秘話も満載。

 未知の恐竜化石を求めて、1年の1/3は発掘調査へ。ゴビ砂漠の灼熱、想像を絶する大濁流、「墜落しないよう祈れ」というアラスカのヘリを生き延びながら、歩きに歩く。最終日の大発見に身震いし、恐竜界50年の謎にしぶとく挑み、ついに日本初の「全身骨格」を掘り出した! 恐竜に取り憑かれた学者がその日常を明かす、超スリリングな発掘記。

 本書は、恐竜研究の第一人者である著者が、恐竜化石発掘調査における様々なエピソードを紹介したもの。日本初の大型恐竜の全身骨格「むかわ竜」の発掘に至るまでの過程は非常に興味深いものでもあり、様々な発掘体験の話からは大変さも伝わってきます。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:46| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月19日

『究極の歩き方』アシックススポーツ工学研究所




 50歳を境に足や歩き方の衰えが始まる。いつまでも健康で楽しく暮らすにはどこに気をつけるべきか、靴を選ぶときどんな点に注意すべきか、運動するならどんなスポーツが望ましいか、アシックスが解説する。

 日本人の足を知り尽くしたアシックスの研究部門が、ウォーキングシューズ作りを通して研究分析した日本人のための「究極の歩行術」を初公開。日本人の足は50歳を境に激変します。50歳からの歩き方次第で、100歳まで元気に歩けるかどうかが決まるのです。理想の歩行姿勢とは? 若く見える歩き方は何を意識すればよいのか? 足の衰えを防ぐ靴選びとは? アシックスが長年培ってきた足と歩き方に関するデータを駆使して、より長く元気に歩くための秘訣を解説します。

 本書は、アシックススポーツ工学研究所が執筆・編集したもので、普段の生活では中々気付くことができない足形や歩き方の変化に対し、どのように対処したらよいかを具体例を交えて解説し、より多くの人々に、年齢を重ねても元気に歩いていただくための「究極の歩き方」を提案したもの。50歳を境に足や歩き方が衰えやすいこと、多くのエビデンスや図解を用いて足や歩き方の変化を紹介するとともに、その変化に対処するトレーニング方法、シューズの選び方、日常生活での注意点など、生活に役立つ情報として非常に参考になりました。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 17:13| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月18日

『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

クジラアタマの王様 [ 伊坂 幸太郎 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2019/11/18時点)




 製菓会社に寄せられた1本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。だが訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速し…。書き下ろし長篇小説。

 製菓会社の広報部員「岸」は、ヒット商品への異物混入事件が起きたため、謝罪会見の準備に追われていた。そのさなか、会議室で眠りに落ちた彼は、何かと戦っているような夢をみる。ある日、彼のもとに都議会議員の「池野内征爾」が夢の中で会った≠ニ近づいてくる。続いて、世間で人気のダンスグループのメンバー「小沢ヒジリ」までが、同じ夢の中にいた≠ニ言い出して……。それまで何の接点もなかった3人の日常が、“夢”を媒介に大きく動き始める。ハシビロコウに導かれ、「岸」たちは二つの世界を救えるのか。

 本書は、サラリーマンの主人公と政治家と芸能人が、なぜか夢の中で一緒に戦い、その結果が現実の世界に反映されるというファンタジー作品でもありますが、著者らしい仕掛けが幾つも用意されていて、夢と現実との往復の世界観が展開を盛り上げていて、特に後半のスピードある展開は実に面白かったです。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:29| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月16日

『狂歌』佐伯琴子

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

狂歌 [ 佐伯 琴子 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2019/11/16時点)




 福岡のフリーペーパーの女性編集長のもとに、広告主の男から恋の歌が綴られた手紙が届く。時が経ち、男は仮想通貨の取引所を起ち上げ、女が社長を引き受けていた。順調に拡大していた事業が危険な方向に流されて…。

 本書は、仮想通貨交換会社を舞台に、不正な会計操作、結ばれてはならない男女が溺れていく恋と欲望、余計者を闇に葬る排他的なムラ社会など、人間が欲望に取り付かれ正気を失っていく様を復讐劇として描いた作品。男女の欲望が復讐心と恋心の交錯として描かれ、抑えがたい思いや欲に駆られた人間の凄みがストレートに表現されています。

【満足度】 ★★★★
ラベル:狂歌 佐伯琴子
posted by babiru_22 at 17:26| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月15日

『キャバレー』ビートたけし

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キャバレー [ ビート たけし ]
価格:1595円(税込、送料無料) (2019/11/15時点)




 駆け出し芸人・綾小路きみまろは、酔っ払い相手の漫談から、いつか売れる日を夢見るが…。70年代に花開いたキャバレーを舞台に綴る、笑いと哀愁とノスタルジー溢れる長編小説。『オール讀物』掲載を単行本化。

 70年代、キャバレー文化華やかりし頃を舞台に、なかなか芽が出ずドサ廻りを続けてくすぶる「綾小路きみまろ」と、破天荒すぎる芸でキャバレーの客を呆れさせながらも漫才ブームで一躍スターに躍り出る「ツービートのたけし」。 互いに意識しながらも顔を合わせることなくそれぞれに芸を磨いていく二人だが、漫才ブームを横目に漫談の道を選んだきみまろはなかなか世に出られない。「お前、売れろよ!」ときみまろを応援しつつも、自分は常に金策に追われているキャバレー支配人・多田や、用心棒として毎日ステージに詰めるうち妙にお笑い通になってしまった粗暴だが情に篤いチンピラの高橋、店の専属歌手でヤクザの情婦のジャネット北川、新宿の裏社会を泳ぐ得体の知れないオーナー、……どぎつくも哀愁の漂う登場人物たちが、華やかなステージの裏で繰り広げる悲喜こもごも。きみまろと多田支配人の友情、高橋と情婦の恋情など、芸人道以外の物語も生き生きと描き込まれ、作家ビートたけしのストーリーテラーぶりが光ります。そしてラストは、笑いの頂点から見た景色を知る著者にしか書けない、寂寞たる境地に圧倒されること間違いなし。

 本書は、綾小路きみまろを主人公に、キャバレー周りや、旅回りのきみまろがブレークするまでを描いた物語。70〜80年代の歌舞伎町のキャバレーが舞台となっていて、昭和の古き良き時代の背景がノスタルチックで味のある作品です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:44| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月14日

『売り渡される食の安全』山田正彦

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

売り渡される食の安全 (角川新書) [ 山田 正彦 ]
価格:946円(税込、送料無料) (2019/11/14時点)




 農薬基準400倍に緩和。遺伝子組み換えもゲノム編集も表示なしでOK…。なぜ日本だけが世界と逆走するのか? 日本の農業政策を見続けてきた元農水大臣が、種子法廃止の裏側にある政府、巨大企業の思惑を暴く。

 私たちが日々食べるお米の安全・安心を守ってきた法律が廃止された。このままでは多様な銘柄は激減し、遺伝子組み換えの表示もなくなり、価格も高騰してしまう。日本の食を見続けてきた元農水大臣による緊急刊行。

 本書は、TPP反対運動を担ってきた元農林水産大臣の著者が、種子法廃止によって日本の農業と日本人の食に起こり得る、食に対しての警鐘を鳴らした内容。種子法廃止に始まった一連の影響についてを分かりやすく解説し、自国農業と食の安全についてを考えさせられる一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:43| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『一度死んだ僕の、車いす世界一周』三代達也




 石畳地獄のヨーロッパ、尻に鞭打つ長距離列車…。世界はバリアに溢れている。でもあらゆるバリアは、人の手で越えられる! 車いすで、介助者なしのひとり旅をした著者が、波瀾万丈の270日間を綴る。

 本書は、18歳のとき、バイク事故で頸髄損傷を負ったことで、車いす生活を余儀なくされた著者が、過酷なリハビリを経た後、会社員時代に思い切ってハワイを一人旅したときに体感した「世界の広さ」に魅了され、遂に世界一周を決意し。世界のバリアフリー情報を発信するため、あえて介助者をつけず1人で「車いす旅」に挑んだ旅行記をまとめたもの。世界各地を回る中で、車いすだからこその大変さ、周りの人々の温かさ、旅の大変さや楽しさを描いた旅行記ですが、心のバリアフリーについて考えさせられる一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:41| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月12日

『大人の対応力』齋藤 孝

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

大人の対応力 [ 齋藤孝(教育学) ]
価格:1430円(税込、送料無料) (2019/11/12時点)




 今求められる“軽やかでユーモアのある大人”になるための極意を伝授。「嫌味を言ってくる」「責任を押し付けられる」「結婚しないのかと聞かれる」など、人間関係のよくある悩み40への、大人の対応を紹介する。

 できる人は“返し”が違う。キレる、不機嫌になる、場の雰囲気を壊す、デリカシーがない、グレーゾーンがない人で溢れかえる今、求められる“軽やかでユーモアのある大人”になるための極意。人間関係のよくある悩み40の俊逸で品のある対応をご紹介!!

 本書は、具体例を上げて、どういった対応をするのが大人の対応なのかを紹介したもの。様々な場面で大人の対応が求められますが、決して感情的にならず、ユーモアや雑談力を駆使することの大切さを紹介しています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 17:34| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月11日

『悪の五輪』月村了衛

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

悪の五輪 [ 月村 了衛 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2019/11/11時点)




 アジア初の五輪開催を翌年に控えた東京。ヤクザの人見は、五輪公式記録映画の監督に中堅クラスの錦田をねじ込むことで、興行界をのし上がろうとするが…。『小説現代2019年5月号特別編集 吉川賞特集』掲載を単行本化。

 1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板した。博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。オリンピック組織委員会には政治家、財界関係者が名を連ねており、その下には土建業者や右翼、ヤクザ、さらには警察までもが蠢いており、あらゆる業種が莫大な利権に群がっている。稀郎は記録映画の監督選定に権限を持つ委員たちの周辺を洗い、金や女を使って言うことを聞かせようとする。東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。

 物語は、五輪開催を翌年に控えた昭和の東京を舞台に、公式記録映画監督に決まっていた黒沢明の突然の降板から、後任に市川崑が決定するまでの間に暗躍する者たちのドラマを、実在の大物ヤクザや戦後最大のフィクサー・児玉誉士夫、映画界のドン・永田雅一などを登場させ、虚実織り交ぜて描いたクライムノベル。映画界を軸にしながらも、労働者に蔓延するヒロポン、警察の腐敗、五輪を盾にした傷痍軍人の追放、私利私欲にはしる政治家、第三国人への差別など、戦後日本の歪みや闇を描いた作品で、当時の時代背景と共にオリンピックの舞台裏が面白く描かれています。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 20:17| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月09日

『「いいね!」戦争 兵器化するソーシャルメディア』P・W・シンガー/エマーソン・T・ブルッキング




 政治や戦争のあり方を世界中で根底から変えたSNS。インターネットは新たな戦場と化し、情報は重要な兵器となった。軍事研究とSNS研究の第一線で活躍する著者が、誰もが当事者になり得る新種の戦争の本質に迫る。

 大統領選挙から麻薬抗争まで、SNSは政治や戦争のあり方を世界中で根底から変えた。インターネットは新たな戦場と化し、情報は敵対者を攻撃する重要な兵器となった。「いいね! 」「シェア」を奪い合って荒らし行為やフェイクニュースが氾濫し、ネット上の戦闘が現実の紛争や虐殺を引き起こすことさえある。軍事研究とSNS研究の第一線で活躍する著者が、多数の事例をもとに新たな戦争の実態を解明。誰もが当事者としてグローバルな争いに巻き込まれていく過程と事実をえぐり出す衝撃作。

 本書は、インターネットを利用した政治、戦争についての事例を集めて分析したもの。トランプの大統領就任、ロシアによるSNSを通した米国大統領選挙への干渉、マレーシア航空機撃墜事件、イスラム国など過激派のSNS戦など近年の国際的な事件とSNSとの関連について、ネット社会の負の一面についても丁寧に説明しています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:17| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月08日

『安楽死を遂げた日本人』宮下洋一

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

安楽死を遂げた日本人 [ 宮下 洋一 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2019/11/8時点)




 スイスでの安楽死を希望する難病の女性。それを実現するにはハードルが高かったが、彼女の思いは海を越え、人々を動かしていった…。安楽死を求める人々と関係者を取材したルポルタージュ。「安楽死を遂げるまで」の続編。

 ある日、筆者に一通のメールが届いた。<寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います> 送り主は、神経の難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前に死を遂げたいと切望する。彼女は、筆者が前作『安楽死を遂げた日本人』で取材したスイスの安楽死団体への入会を望んでいた。実際に彼女に面会すると、こう言われた。「死にたくても死ねない私にとって、安楽死は“お守り”のようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」 彼女は家族から愛されていた。病床にあっても読書やブログ執筆をしながら、充実した一日を過ごしていた。その姿を見聞きし、筆者は思い悩む。<あの笑顔とユーモア、そして知性があれば、絶望から抜け出せるのではないか> 日本で安楽死は認められていない。日本人がそれを実現するには、スイスに向かうしかない。それにはお金も時間もかかる。四肢の自由もきかない。ハードルはあまりに高かった。しかし、彼女の強い思いは、海を越え、人々を動かしていった……。患者、家族、そして筆者の葛藤までをありのままに描き、日本人の死生観を揺さぶる渾身ドキュメント。

 本書は、理想の死を求めてスイスに渡った日本人に密着したルポルタージュで、安楽死が認められた国で主体的に死を選ぶ人々を訪ね歩いた『安楽死を遂げるまで』の続編。安楽死に向かう人の感情をただ受け止めることはせず、自殺幇助の曖昧さに悩み、それでも目の前で行われた死の意味を問う内容は、改めて安楽死についてを考えさせられる内容で、欧米人と日本人の安楽死についての考え方の違いについてはとても分かりやすかったです。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 16:25| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする