2019年11月06日

『夢見る帝国図書館』中島京子

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夢見る帝国図書館 [ 中島 京子 ]
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 友人から依頼された「日本で最初の国立図書館の小説」を綴りながら、涙もろい大学教授や飄々たる元藝大生らと共に思い出をたどり、友人の人生と幻の絵本の謎を追い…。本を愛した人々の物語。『別冊文藝春秋』連載を書籍化。

 「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」 作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったなら……資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。日本で最初の図書館をめぐるエピソードを綴るいっぽう、わたしは、敗戦直後に上野で子供時代を過ごし「図書館に住んでるみたいなもんだったんだから」と言う喜和子さんの人生に隠された秘密をたどってゆくことになる。喜和子さんの「元愛人」だという怒りっぽくて涙もろい大学教授や、下宿人だった元藝大生、行きつけだった古本屋などと共に思い出を語り合い、喜和子さんが少女の頃に一度だけ読んで探していたという幻の絵本「としょかんのこじ」を探すうち、帝国図書館と喜和子さんの物語はわたしの中で分かち難く結びついていく……。

 本書は、明治に誕生した図書館と、江戸時代から続く上野の町と、昭和生まれの女性二人の歩みを綴った小説。上野にある国際子ども図書館の歴史と戦中から戦後を生き抜いたある女性の歴史を通して本や図書館という存在について深く考えさせられる作品で、文豪達のエピソードが興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:06| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする