2019年12月11日

『老父よ、帰れ』久坂部羊

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老父よ、帰れ [ 久坂部 羊 ]
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 老人ホームから認知症の父を自宅に引き取った、45歳の好太郎。父の介護に懸命に取り組むが…。高齢者医療を知る医師でもある著者が、家族の悲喜劇を描く。『小説トリッパー』連載を改題、加筆修正して書籍化。

 45歳の矢部好太郎は有料老人ホームから認知症の父・茂一を、一念発起して、自宅マンションに引き取ることにした。認知症専門クリニックの宗田医師の講演で、認知症介護の極意に心打たれたからだ。勤めるコンサルタント会社には介護休業を申請した。妻と娘を説得し、大阪にいる弟一家とも折にふれて相談する。好太郎は介護の基本方針をたててはりきって取り組むのだが……。隣人からの認知症に対する過剰な心配、トイレ立て籠もり事件、女性用トイレ侵入騒動、食事、何より過酷な排泄介助……。ついにマンションでは「認知症対策」の臨時総会が開かれることになった。いったい家族と隣人はどのように認知症の人に向き合ったらいいのか。懸命に介護すればするほど空回りする、泣き笑い「認知症介護」小説。

 本書は、高齢者医療を知る医師でもある著者が、在宅での認知症に懸命に取り組むがゆえに空回りする家族の悲喜劇を描いた物語。作品はユーモラスに書かれているものの、リアリティがあり、在宅介護の過酷さも伝わってきます。認知症高齢者の思いがけない行動も見事に描写されており、介護の現実がよく表現された作品です。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 16:59| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする