2020年02月06日

『愚か者の身分』西尾 潤

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愚か者の身分 (文芸書) [ 西尾潤 ]
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 言葉巧みに相手の個人情報を引き出すことがマモルの仕事。ある日、上司からタクヤと距離を置くように指示されるが、タクヤの部屋には大量の血痕が…。戸籍ビジネスの末端で蠢く半グレたちを描いた新時代のクライム群像劇。

 身寄りなし。写真付きIDなし。金なし。そんな優良人物をSNSを駆使して探し出すのがマモルの仕事だ。狙うは戸籍。女性を装い言葉巧みに相手の個人情報を引き出して、売買が成立すれば報酬をもらえる。ある日、マモルは上司から不可解な指示を受ける。タクヤと距離を置け。自分にこの仕事を紹介してくれた先輩に、なにが起きたのか。翌日、タクヤの部屋の掃除を命じられたマモルが見たのは、おびただしい数の血痕だった。もう、タクヤはこの世にいない。悲しみにくれるマモルに一通のメールが届いた。それは、タクヤからのメッセージだった―。罪を犯してでも生まれ変わりたい―戸籍ビジネスの末端で蠢く半グレたちを描いた新時代のクライム群像劇!

 本書は、第2回大藪春彦新人賞受賞作。社会の最下層で蠢く半グレたちを主人公に、戸籍ビジネスを舞台としたクライムノベル。物語の設定は非常に面白く、テンポの良い展開も良かったですが、色々と詰め込みすぎていたため、登場人物の深みが足りなく感じた点がややマイナスでしたが、作品としては面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年02月05日

『楽園の真下』荻原 浩

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楽園の真下 [ 荻原 浩 ]
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 日本でいちばん天国に近い島、志手島。その島で世界最大級のカマキリが発見された。フリーライターの藤間は、取材のため現地へ向かう。だが、楽園とは別の姿が…。科学サスペンス長編。『オール讀物』連載に加筆して単行本化。

 日本でいちばん天国に近い島といわれる「志手島」は、本土からは船で19時間、イルカやクジラの泳ぐコーラルブルーの海に囲まれ、亜熱帯の緑深い森に包まれている。そんな楽園で、ギネス級かもしれない17センチの巨大カマキリが発見された。『びっくりな動物図鑑』を執筆中だったフリーライターの藤間達海は、取材のため現地を訪れるが、志手島には楽園とは別の姿があった。2年間で12人が、自殺と思しき水死体で発見されており、ネットでは「自殺の新名所」と話題になって「死出島」と呼ばれていたのだ。かつて妻を自殺で失った藤間は、なぜ人間は自ら命を絶とうとするのかを考え続けており、志手島にはその取材も兼ねて赴いていた。やがて島で取材を続ける藤間の身の回りでも不審死が……。

 本書は、著者の作品としては珍しいパニックサスペンスでしたが、ホラー要素もあり、大きなカマキリと自殺の関連性から、物語はとんでもない方向へ進むことにもなり、後半はジュラシックパークを思わせる手に汗握る展開となりますが、エンタメとして楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2020年02月04日

『47都道府県の歴史と地理がわかる事典』伊藤賀一




 面積が2番目に小さい都道府県は? 天然記念物の数が日本一多い都道府県は? 各都道府県の歴史・地理を深掘り解説。各地に足を運んで集めた「鉄板ネタ」「地雷ネタ」も盛り込んだ、読んで楽しく役に立つ事典。

 現在の都道府県制度ができたのは、1947年に施行された地方自治法。だが、日本の地方行政区分の歴史は1300年以上前までさかのぼる。変化に富んだ地形と気候、国vs.地方、地方vs.地方のしのぎを削る勢力争い、そのなかで育まれた個性豊かな産業、文化、人々の暮らし……都道府県は、存在そのものが日本人の心のよりどころだ。各都道府県の歴史・地理をコンパクトながら深掘り解説、全都道府県に足を運んで集めた「鉄板ネタ」「地雷ネタ」まで盛り込んだ、読んで楽しく役に立つ画期的な事典。

 本書は、47都道府県の歴史、名所、特産などのデータを一通り掲載したもので、各都道府県の特色が分かりやすく解説されています。新書ということもあり、多少物足りない部分はあったものの、雑学として面白く読むことができましたし、雑学好きな人にはオススメの一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年02月03日

『もしも刑務所に入ったら 「日本一刑務所に入った男」による禁断解説』河合幹雄




 法務省刑事施設視察委員会委員長として、刑務所だけでなく少年院や女子少年院など、全国各地の矯正施設を視察してきた著者が、入所から退所するまでの流れ、受刑者たちの生活実態、刑務所の現状などを解説する。

 作業・娯楽・食事・イベント……驚きにあふれた受刑者/刑務官のリアルな生活とは? 全国にある矯正施設を知る著者だからわかった「塀の中の真実」。 本書は、法務省刑事施設視察委員会委員長等を歴任した著者が、刑務所の実態や現状についてをまとめたもの。内容は大きく6つに分かれていて、それぞれで『「罪」によって行き先が決まっている』『刑務所の暮らしはどんなものか?』『受刑者の楽しみと癒し』『刑務官とはどのような職務なのか?』『刑務所が抱えている問題』『出所後の生活』…について興味深い内容が書かれています。刑務所には入ったことはありませんが、受刑者として入りたくない実態が紹介されていますが、改めて受刑者の改善更生のため必死で働いている刑務官の姿勢こそもっと評価すべきとも思います。

【満足度】 ★★★★
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『舌 天皇の料理番が語る奇食珍味』秋山徳蔵




 舌は味覚の器であり愛情の触覚でもある。半世紀以上を天皇の料理番として様々な食材を知り尽くした著者が、古今東西の箴言や寓意を織り交ぜながら、秘食・強精について大いに語り、イカモノ談義に華を咲かせる。また味と香りだけではなく歯切れや舌触りなどの触感に焦点をあてた名著。

 本書は、「天皇の料理番」として知られる著者のエッセイ集で、奇食珍味と器のことなどが綴られた一冊。古今東西の食器や調理器具の逸話や、からだと美味しさを感じる心の話など、各章ごとにテーマが変えられていて、職人としての凄さを痛感する内容でもあります。滋養強壮料理についてなども中々興味深く、単行本として初出より半世紀以上経っていますが、現在でもその内容は全く衰えることはなく、食の奥深さを感じました。

【満足度】 ★★★★
ラベル:秋山徳蔵
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2020年02月01日

『ブラックシープ・キーパー』柿本みづほ

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ブラックシープ・キーパー [ 柿本みづほ ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2020/2/1時点)




 孤独で冷酷な殺し屋と、純真な“魂”が出会ったら? 映画「レオン」と「ブレードランナー」へのオマージュを込めた、近未来の札幌を舞台に描く、希望と再生の物語。

 2035年、札幌は禁断の科学実験の弊害で大量に生まれた“羊飼い”で溢れていた。“羊飼い”は異能力を持ち、その力を使うためには別の人間の精神力を消費する必要があった。そのために彼らに隷属される者たちのことを、人々は“羊”と呼んだ。元刑事で、現在羊飼いとして暮らす桐也は、2年前“羊”にされた姉が精神を病んでいく姿に耐えられず、自らの手で姉を撃ったトラウマに囚われていた。そんな自己嫌悪と孤独に苛まれる日常の中で、“羊”として生まれた無垢な少女に出会う。この日から、桐也は、生きるための小さな希望を見つけていく。

 本書は、第11回角川春樹小説賞受賞作。カバー文にもあるように、映画『レオン』と『ブレードランナー』へのオマージュともいえる物語で、札幌を舞台とした近未来小説でしたが、主人公のトラウマを基にした特殊能力を持つ異能者同士の戦いは中々面白く、ラノベに近い作品でもありましたが、『レオン』や『ブレードランナー』の世界が好きな人にはオススメです。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 15:54| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする