成り上がった男が最後に求めたのは、馬主としての栄光。だが絶対王者が、望みを打ち砕く。誰もが言った。もう無理だ、と。しかし、夢は血とともに子へ継承され…。エンタメ巨編。『小説新潮』連載を単行本化。
継承される血と野望。届かなかった夢のため……子は、親をこえられるのか? 成り上がった男が最後に求めたのは、馬主としての栄光。だが絶対王者が、望みを打ち砕く。誰もが言った。もう無理だ、と。しかし、夢は血とともに子へ継承される。馬主として、あの親の子として。誇りを力に変えるため。諦めることは、もう忘れた……。圧倒的なリアリティと驚異のリーダビリティ。誰もが待ち望んだエンタメ巨編、誕生。
本書は、「2019年度JRA賞馬事文化賞」受賞作品で、山王耕造という一人の馬主を起点とした“人と競走馬の継承の物語”が、秘書兼レーシングマネージャーの栗須栄治の視点から描かれた作品。臨場感溢れるレースシーンはもちろん、牧場、厩舎、競馬場の描写や、ホースマンたちの心情も非常にリアルで、人と馬が次世代に血を継承しながら競い合う様子を馬主の秘書の独白を通して描く本格小説でもあり、馬に魂を注ぐ人たち、馬主、騎手、調教師、生産馬の牧場の人の苦悩、喜びが迫る程の迫力でもあり、馬を巡る人間ドラマとしても感動を覚える一冊です!
【満足度】 ★★★★☆
ラベル:早見和真 ザ・ロイヤルファミリー