上海のホテル「青龍飯店」で、25人(と3匹)の思惑が重なり合う…。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく。圧巻のエンタテインメント。『小説野性時代』掲載を単行本化。
イグアナが料理されれば盗賊団が上海に押し寄せ、そこに無双の甘党が上陸。風水師が二色に塗り分けられ、ホラー映画の巨匠がむせび泣くと秘宝『蝙蝠』の争奪戦が始まった! 革ジャンの美青年がカプチーノをオーダー、一瞬で10万ドルが吹き飛んだら、上海猛牛号で渋滞をすりぬけ、まぁとにかく寿司喰寧。歯が命のイケメン警察署長が独走し、青年が霊感に覚醒したとき、パンダが街を蹂躙する! 張り巡らされた魔術に酔いしれよ! 圧巻のエンタテインメント。
本書は、約20年前に出された『ドミノ』の続編で、前作から約5年後が描かれるドタバタ群像劇。全く関係のない25人と3匹が別々の場所でそれぞれの「問題」に直面しているうちに少しずつその輪が狭まっていき、ある瞬間、同じ場所で、一気に怒涛のドミノ倒しが起こる展開ですが、スピード感があり、エンタメとして楽しめました。
【満足度】 ★★★★