2020年06月29日

『わたしはナチスに盗まれた子ども 隠蔽された〈レーベンスボルン〉計画』イングリット・フォン・エールハーフェン/ティム・テイト




 ナチスが純血アーリア人の子どもを生産するべく作った組織〈レーベンスボルン〉。自分がそこからもらわれてきた里子だと知った著者は、自分のルーツをたどる旅に出る…。〈レーベンスボルン〉の全貌と出自の真相を綴る。

 終戦後のドイツ。少女イングリットは両親から冷遇されてきた理由が、自分の素性にあると知る。彼女は里子…それもただの里子ではなく、ナチスが純血アーリア人の子どもを“生産”するべく作った組織“レーベンスボルン”からもらわれてきた子どもだったのだ。本当の名前はエリカ・マトコ。しかしそれ以外に、自分についてわかることは一つもなかった。やがて60歳を目前にしたイングリットは、ドイツ赤十字や歴史学者の協力を得て、自分のルーツをたどる旅に出る。謎多き“レーベンスボルン”の全貌と、筆舌につくしがたい出自の真相が明らかに。

 本書は、著者自らが長年にわたり自らの出自の真相を辿ったノンフィクション。ナチスドイツが推進したレーベンスボルン計画によって幼いころに拉致された外国出身者の著者が、どこで生まれ、どういう経緯でドイツに来ることになったのか、そして実の両親や家族はその後どうなったのかを、20年にわたって著者が探し続けた記録でもありますが、ナチスドイツの負の歴史や出生の秘密は、悲劇でもあり、数多くの謎と歴史の事実が印象に残る一冊です。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 18:01| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする