風俗に通う夫、不実を隠した父、危険な恋愛に耽る娘。主婦・絵里子の穏やかな人生は、大切な人の〈秘め事〉で一変する。大きな虚無を抱えた彼女に再び命を吹き込むのは…? 『婦人公論』連載を単行本化。
風俗に通う夫、不実を隠した父、危険な恋愛に耽る娘…夫の心も、娘の顔も、今は見たくない。結婚20年、主婦・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。次々つきつけられる思いがけない家族の“真実”。大きな虚無を抱えた絵里子に、再び命を吹き込むのは整形した親友、乳癌を患った老婦、美しい風俗嬢…。人生の中盤、妻でも母でもない新たな道が輝き出す傑作長編。
本書は、主人公である主婦・絵里子が、夫の風俗店通いと娘の危ない恋愛を知り、自身の生き方を考え始め、家庭から新たな世界に踏み出す物語。主人公目線だけで描かれるため、登場人物の背景事情が薄く、物語の設定が良かっただけに展開に活かしきれていないように感じたのが少々残念です。
【満足度】 ★★☆
ラベル:窪 美澄 たおやかに輪をえがいて