2020年08月31日

『ルポ技能実習生』澤田晃宏




 技能実習生の最大の供給国となったベトナム。政府の後押しもあり、日本を目指す農村部の若者たち。彼らの夢は「300万貯金する」こと。日越の関係機関、実習生、支援団体を取材。国際的な労働力移動の舞台裏を全部書く。

 中国にかわり技能実習生の最大の供給国となったベトナム。「労働力輸出」を掲げる政府の後押しもあり、日本を目指す農村部の若者たち。多額の借金を背負ってまで来日した彼らの夢は「300万円貯金する」こと。故郷に錦を飾る者もいれば、悪徳ブローカーの餌食となる者もいる。劣悪な企業から逃げ出す失踪者は後を絶たない。日越の関係機関、実習生、支援団体を取材し、単純労働者の受け入れ先進国・韓国にも飛んだ。国際的な労働力移動の舞台裏を全部書く。

 本書は、技能実習生の現実に迫ったルポルタージュ。技能実習生と特定技能外国人、特にベトナム人に絞って、現地での送り出し企業、監理団体、受け入れ企業、失踪者、実習生の家族など様々な人へのインタビューから、その実態と舞台裏が書かれています。貨幣価値のギャップと、そこに付け込むブローカー。安い労働力として扱われる現実や、追い込まれたうえの失踪についての他にも制度上の問題点についても、制度に関わる様々な立場の人達の声を集めており、日本の制度の脆さにも触れています。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月29日

『ルポ 老人受刑者』斎藤充功

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 増加する高齢の受刑者たち、福祉施設化する刑務所。彼らは刑務所を安住の地としなければならないのか。受刑者・出所者の生の声、刑務所・更生保護施設への現場取材を通して、漂流する老人たちの現実をさぐったルポルタージュ。

 著者はこれまで300人を超える元受刑者を取材してきた。そのなかで、近年顕著になってきたのは、高齢の受刑者たちである。塀の外の孤独で不安定な生活より、安全な刑務所を志願する老人たちが増加しているという。受刑者に占める65歳以上の割合は18.1%、数にして20年前の10倍となった。これは、刑務所の老人ホーム化なのか。再犯者率の増加、社会復帰・更正への対策は、ようやく進められているところだが、それだけでは解決できない、高齢化社会ならではの問題と言える。人生100年時代と呼ばれ、後半戦を健康で豊かに過ごそうという多くの高齢者がいる反面、社会から見捨てられ、置き去りにされる老人受刑者たち。刑務所、更生保護施設、支援組織を取材、高齢受刑者本人へのインタビューを行い、漂流する老人たちの現実に迫ったルポルタージュ。

 本書は、増え続ける高齢の受刑者、福祉施設化する刑務所…受刑者・出所者の生の声、刑務所・更生保護施設への現場取材を通し、塀の内と外のリアルに迫るルポルタージュで、高齢受刑者の抱える諸問題を紹介しています。貧困に陥った一部の高齢者にとって、「衣食住」を保証してくれる「刑務所」が唯一の「安全圏」となっている現実がありますが、刑の執行が刑務所の役割であるということをもっと強く訴えてほしいとも思います。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月28日

『よその島』井上荒野

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 妻が〈殺人者〉と知ったとき、穏やかな日常がサスペンスに変わる。東京での暮らしをたたみ、「島」に移住した70代の夫婦と、友人の小説家、それぞれの秘密、それぞれの疑惑があやしく溶け合うなかで〈真実〉が徐々に姿を見せていく。

 離島へ移住を決めた芳朗と蕗子、そして夫妻の友人・野呂。人生の終盤で実現した共同生活の滑り出しは順調に見えるが、三人はそれぞれ不穏な秘密を抱えており…。おいそれとは帰れないこの場所で、彼らは何を目にし、何を知るのか…。

 物語は、元骨董品屋の碇谷夫妻と元小説家の野呂、住み込みのお手伝い・みゆかとその息子も加わり、島での奇妙な共同生活から始まりますが、不穏な生活となる心理サスペンスとして描かれます。それぞれに秘密を抱えながら平然を装い、妄想と真実が交錯する作品でしたが、老後生活について考えさせられる物語ではあったものの、著者の作品としては異質な作品で、やや違和感を感じる作品でした。

【満足度】 ★★★
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2020年08月27日

『ヤバい選挙』宮澤 暁

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 「放送禁止用語」連呼の政見放送、「死んだ男」が立候補した都知事選、村民200人以上が一斉出馬した村長選…。その狙いは? 有権者の判断は? 屈指の選挙マニアが、半世紀分の資料から発掘した衝撃のエピソードを明かす。

 政見放送で「放送禁止用語」を連呼する候補者がいた。村民2百人以上が一斉出馬した村長選があった。「死んだ男」が立候補した都知事選があった。「問題候補者」の真の狙いは何だったのか。そして有権者はどんな判断を下したか。屈指の選挙マニアが、半世紀分の資料から発掘した衝撃のエピソードを明かす。国政選挙、地方選挙から「選挙権が剥奪されていた島」の初投票まで網羅した、「我らが民主主義制度」のヤバい事件簿。

 本書は、選挙に関する珍事件・怪事件の数々をまとめた事件簿。立候補者が死亡していた『幽霊候補事件』『200人以上も立候補者が出た村長選』『選挙権が剥奪されていた島』など、個性的な候補者や珍事件などが満載で、選挙マニアでもある著者が、半世紀分の資料から発掘した衝撃のエピソードを明かしていますが、選挙をめぐるヤバいエピソードが満載で面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月26日

『身近に潜む食卓の危険物』齋藤勝裕

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SUPERサイエンス 身近に潜む食卓の危険物 [ 齋藤勝裕 ]
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 私たちの身近な食卓には、さまざまな危険物が潜んでいます。山菜やキノコ、フグなど毒をもつ動植物や細菌性・ウイルス性の食中毒から、食品添加物、農薬、遺伝子組み換え作物など、食べ物に関連した危険物を幅広く解説する。

 本書は、大きく9章に分けられ、「危険物とは」「危険な植物」「危険なキノコ」「危険な魚介類」「危険な病原菌」「危険な食品添加物」「危険な農薬・公害物質」「危険な食器・調理器具」「危険な現代科学操作」…と、食卓に並ぶ食べ物に関連した危険物についてを解説したもの。食の安全が求められる現代ですが、参考になる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月25日

『漂流郵便局−お母さんへ− 届け先のわからない手紙、預かります』久保田沙耶




 瀬戸内の粟島にある古い郵便局舎を蘇らせたアートプロジェクト、漂流郵便局。「届け先のわからない手紙を受け付ける郵便局」として預かった4万通の手紙から、お母さんあて、お母さんからの手紙を収録。オリジナルはがき付き。

 返事はないとわかっていても、想いを伝えたい人…あなたにもいませんか? 心をゆさぶる69通の手紙。瀬戸内の小さな島にある不思議な郵便局の物語。

 本書で書かれる「漂流郵便局」は、もともと2013年の瀬戸内国際芸術祭の出展作品として、瀬戸内の粟島にある古い郵便局舎を蘇らせたアートプロジェクトで、「こちらは、届け先のわからない手紙を受け付ける郵便局です。いつか所在不明の存在に届くまで、手紙を漂わせてお預かりします。」というコンセプトが話題を呼んで、開局7年目の今、預かる手紙は4万通を超えましたが、本書は開局以来続々と届くお母さんあて、お母さんからの手紙を収録したもの。色々な人の想いが届く漂流郵便局の取り組みについても非常に興味を持ちました。

【満足度】 ★★★★
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『話すチカラ』齋藤孝/安住紳一郎

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話すチカラ [ 齋藤 孝 ]
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 明治大学時代の先生と教え子という師弟関係のふたりが、雑談からプレゼン、交渉、会話まで、すべてが上達する「話すチカラ」について縦横無尽に語りつくす。安住アナが現役の明治大学生たちを前に白熱講義した内容も紹介する。

 齋藤孝先生と安住紳一郎TBSアナウンサーは、明治大学時代の先生と教え子という師弟関係。いまや日本屈指の話し手となったふたりが、「話すチカラ」について縦横無尽に語り尽くす。安住アナが後輩の現役明大生たちを前に白熱講義した内容も紹介!

 本書は、人と話す時に意識すべきこと、相手に伝わる話し方のコツなど、安住アナと齊藤教授が明大生に話すチカラをテーマに講義した内容をまとめたもの。本書の中での「他人の3倍のインプットを心がける。あくまで、インプットはアウトプットの手段」というのがとても印象的で、話をする事だけでなく、日本語そのものについても深く掘り下げていて、改めて話をする奥深さも感じました。構成的にも非常に読みやすく、自分自身にも物凄く参考になる内容でもありました。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年08月22日

『パルプ・ノンフィクション 出版社つぶれるかもしれない日記』三島邦弘




 やれるだけやっても、売れない。好きだけじゃ、仕事にならない…。原点回帰を標榜する野生派出版社・ミシマ社に押し寄せる荒波に追い詰められた男は、それでもこれからの面白い働き方を信じて奔走する! 崖っぷち出版奮闘記。

 本の世界に、希望はあるのか? 可能性を求めて挑戦を繰り返す著者の、崖っぷち出版奮闘記! すべてのはたらく人に捧げる、ほがらかでクレイジーな、最前線からの「働き方」レポート。

 本書は、小さな総合出版社・ミシマ社の三島社長のエッセイ本。ミシマ社ではなく河出書房出版から出版されているというのが何とも面白いですが、何か変えないといけないと言う危機感を強く感じたエッセイで、出版業界の内側についても興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月21日

『南極に立った樺太アイヌ 白瀬南極探検隊秘話』佐藤忠悦




 白瀬矗の南極探検隊には、山辺安之助、花守信吉という2人の樺太アイヌ隊員が犬ぞり係として同行していた。有能なだけでなくひそかに隊長の命をも救っていた2人を含めた、白瀬南極探検隊の秘話を綴る。

 本書は、樺太アイヌを題材とした第162回直木賞受賞作『熱源』の参考資料としても注目されている名著の増補新版。世界初の南極点到達を目指し、白瀬中尉の率いた探検隊については有名ですが、その白瀬南極探検隊に樺太アイヌ隊員2名とアイヌ犬60頭近くが参加していたのはあまり知られていませんが、その足跡を丹念に辿っています。日本とロシアという大国の間に挟まれて翻弄された樺太アイヌの忘れられた歴史についてもしっかりと掘り起こした良書です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月20日

『地方議員は必要か 3万2千人の大アンケート』NHKスペシャル取材班




 「やりがいは?」「選挙にはお金がかかる?」「生まれ変わっても議員になりたい?」 全国1788議会のすべての議員にアンケートした結果と追加取材をまとめる。NHKスペシャル「崖っぷち!?わが町の議会」を書籍化。

 「あなたのやりがいは?」「選挙にはお金がかかる?」「生まれ変わっても議員になりたい?」。全国1788議会のすべての議員を対象にした前代未聞の企画。その結果と追加取材をまとめた議員のホンネがわかる一冊。

 本書は、昨年の統一地方選にあわせて地方議員に対する大規模、かつ本音に迫る詳細なアンケート調査を実施し、その調査結果をもとにNHKスペシャル「崖っぷち!? わが町の議会」が放送されましたが、その放送した大規模アンケートの結果を全面的に精査しなおし、放送後に寄せられた意見および追加取材で得られた内容などをまとめて書籍化したもの。議員としての生き方や本音にも踏み込んだアンケート内容も興味深かったですが、地方議会の制度的な役割、地方議会が抱える問題、行政・首長との議会のなれ合い、問題議員や政治とカネの問題、地方議会における女性議員の苦労と壁、町や村の議会で顕著な議員への「なり手不足」…など、幾つもの課題に地方議会としてどのように向き合っていくのかもぜひ取り上げてほしいです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月19日

『トラックドライバーにも言わせて』橋本愛喜




 幅寄せ、路駐…。公道上でとかく悪者にされるトラック。そのドライバーも「態度が悪い」と批判される。元トラックドライバーの著者が自身の体験と現役ドライバーの声をもとに、これまで語られてこなかった事情を解説する。

 強引な幅寄せ、ノロノロ運転と急ブレーキ、堂々と路駐…公道上でとかく悪者にされるトラック。そのドライバーも「態度が悪い」と批判されがちだが、内情を知れば、複雑な事情が見えてくる。「彼らは底辺職なのか」「休憩中エンジンを切らない理由」「プロの眠気対策」等々、これまで語られてこなかった本音を元トラックドライバーの女性ライターが徹底解説。読後、街中でトラックを見る目が一変すること必至!

 本書は、これまで語られてこなかったトラックドライバーたちの「本音」と、物流業界が抱える諸問題の本質を、元トラックドライバーで女性ライターでもある著者が徹底解説した一冊。トラックドライバーの実情と過酷な労働環境、物流業界の問題点が非常に分かりやすく書かれており、問題点の指摘だけでなく、ドライバーや業界への提言もあり、とてもバランスの取れた内容となっています。我々の生活も物流があって成り立っているところも多いだけに、構造的な様々な問題点が少しでも解決されることを望みます。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年08月18日

『東京ホロウアウト』福田和代

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 オリンピック開催間近の東京で、道路を狙ったテロが発生! 分断される道路、届かない食料、回収されないゴミ。物流のプロ、長距離トラックドライバーたちが東京を救うため立ち上がる! 『ミステリーズ!』連載を加筆修正。

 2020年7月。オリンピック開催間近の東京で、新聞社宛に「開会式の日、東京を走るトラックの荷台に青酸ガスを仕掛ける」という予告電話がかかったのが全ての始まりだった。直後、配送トラックの荷台から青酸ガスが発生するテロが次々と起こる。更に、何者かが仕組んだトンネル火災や鉄道線路の土砂崩れなどの影響で道が閉ざされ、東京の食料が品薄になってしまう。物流が狙われ、陸の孤島となりかける東京。その危機に、物流のプロである長距離トラックドライバーたちが立ち向かう!

 本書は、オリンピック開幕直前に物流テロに襲われる東京を、トラックドライバーたちが救うサスペンス。物語では、物流を狙った連続テロが発生し、その後スーパーやコンビニの商品が品薄になり、SNSやマスコミでそれが広がり、更に商品がなくなる…というのは新型コロナウイルスの時と同じ構図でもあり、物流の重要性と臨場感を特に感じました。物語では、トラックドライバーの連携と使命感についても描かれますが、物流を止めないために頑張っているトラックドライバーの方々がいるからこそ、日々の生活が支えられていると改めて感じましたし、エンタメとしての作品としても面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月17日

『逃亡者』中村文則

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逃亡者 [ 中村 文則 ]
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 第二次大戦下、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があった…。『中日新聞』他連載を加筆修正し単行本化。

 「君が最もなりたくない人間に、なってもらう」 第二次大戦下、“熱狂”“悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があった…。キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。

 本書は、第二次大戦にまつわる伝説の楽器をめぐる物語。悪魔の楽器と言われるトランペットを所持したことから、追われる身となる主人公についての物語ですが、キリシタン迫害やベトナムの戦禍も含めて、神の存在への問いと悪魔の楽器と飛ばれたトランペットにまつわるエピソードによって展開されます。様々な要素が詰め込まれ、重厚な作品となっていますが、読み応えのある作品でした。

【満足度】 ★★★★
ラベル:逃亡者 中村文則
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2020年08月15日

『すごい準備 誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!』栗原 甚




 仕事でも恋愛でも、ちょっとした「準備」のコツさえつかめば、「自分の思い・考え」が相手にしっかり伝わり、「最高の結果」を手に入れることができる。日本テレビのプロデューサーが、「相手の心を動かす」技術を明かす。

 本書は、テレビ局のプロデューサーとして数々の交渉を成功させてきた著者が、そのコツとなる「準備」の大切さについてまとめたもの。準備の大切さは誰もが知るところでもありますが、具体的な例を紹介し、仕事だけでなく生活の場においても準備が必要ですが、どのように準備を進めていって、コミュニケーションで活用するかなど、参考になるところが多かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月14日

『昭和の名騎手』江面弘也

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昭和の名騎手 (競馬ポケット) [ 江面 弘也 ]
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 天才、名人、闘将、鉄人、剛腕、名手…。昭和競馬は、騎手と馬が対になって甦る。福永洋一、武邦彦、加賀武見、増沢末夫、郷原洋行、岡部幸雄ら、往年の名騎手30人の騎手人生を追う。

 昭和の騎手たちには強い個性があった。レースにはスリルがあり、驚きがあった。日本競馬の礎となった大騎手がいた。世界をめざした先駆者がいた。大胆な騎乗でファンを沸かせた穴男がいれば、頑なに自分の乗り方を貫いた人もいた。……昭和競馬は、騎手と馬が対になって甦る。加賀武見、増沢末夫、武邦彦、郷原洋行、福永洋一、岡部幸雄ほか、昭和に輝いた30人の名ジョッキー列伝。

 本書は、昭和の時代に活躍した名騎手30人を取り上げた一冊。本書で登場するのは、順に、渡辺正人、蛯名武五郎、高橋英夫、保田隆芳、野平祐二、古山良司、栗田勝、加賀武見、増沢末夫、武邦彦、高橋成忠、横山富雄、吉永正人、中島啓之、郷原洋行、嶋田功、大崎昭一、菅原泰夫、田島良保、小島太、安田富男、福永洋一、柴田政人、岡部幸雄、西浦勝一、小島貞博、南井克巳、河内洋、的場均、田原成貴……の30人で、現役時代を知らない騎手もいましたが、それぞれの騎手にスポットを当て、往年の競馬ファンなら過去のレースもつい思い出してしまう一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月13日

『沁みる競馬』平松さとし

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沁みる競馬 [ 平松 さとし ]
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 互いに認め合う天才、武豊とフランキー・デットーリ。ある厩務員が抱く4千勝ジョッキーへの想いと願い…。騎手、調教師、馬主など競馬関係者たちの感動秘話第2弾。『Yahoo!ニュース個人』連載に書き下ろしを加える。

 大好評『泣ける競馬』から1年……待望の第2弾! 競馬のすべてを取材してきた著者が、さまざまなシーンの舞台裏……騎手、調教師、馬主らホースマンたちの心に染みるエピソードを綴った一冊。

 本書は、前作『泣ける競馬』に続いて、31もの様々な競馬エピソードをまとめたもの。競馬の世界で戦う騎手、厩務員、調教師、牧場スタッフ等々の人間ドラマが紹介されており、それぞれのホースマン達の熱い思いが伝わる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月12日

『植物はなぜ毒があるのか 草・木・花のしたたかな生存戦略』田中修/丹治邦和




 多くの植物が毒をもつのは、芽や、成長に必要な部分を食べられないための生存戦略。過去10年の食中毒被害データを中心に、生き残るために植物がつくり出す様々な毒と特徴を紹介。有毒植物と人間の関わりも楽しく解説する。

 トリカブトのようなよく知られたものだけではなく、じつは多くの植物が毒をもつ。例えばジャガイモは芽のみならず、未熟な状態や緑化した状態で毒をもち、毎年食中毒被害がおきる。それらは、芽や、成長に必要な部分を食べられないための植物のしたたかな生存戦略だった。過去10年の食中毒被害データを中心に、生き残るために植物がつくり出す様々な毒と特徴を紹介。また、古より植物の毒を薬に転じてきた人間の知恵と最新の医学情報まで、有毒植物と人間の関わりを楽しく解説。

 本書は、植物の毒をテーマに、植物と人間との関わりについて分かりやすく書かれたもの。実に様々な植物が毒をもっていることが分かりますが、その植物の毒のマイナスとプラスについても、植物の毒の危険性だけでなく、その有用性を含めて多角的に解説しています。多くの植物が取り上げられており、薬との飲み合わせの悪い植物など、最新の医学情報も押さえているので有用です。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年08月11日

『産業医が診る働き方改革 増補改訂版』産業医科大学編

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産業医が診る働き方改革 増補改訂版 [ 産業医科大学 ]
価格:899円(税込、送料無料) (2020/8/11時点)




 働き方改革の第一歩は、働く人の心身の健康から…。子育て・介護・病気治療と仕事の両立、ストレスや残業のない労働環境の整備など、働く現場の課題と対策を産業医がポイント解説する。加筆し再編集した増補改訂版。

 本書は、働く現場の健康課題を熟知する産業医が具体的な事例をもとに予防・改善策を解説したもの。ストレスの軽減や労働時間短縮などについて具体的にアドバイスしている他、食品や薬剤の製造工場で起こる職業性アレルギーや老眼対策、認知症の早期診断に関しての説明と指導も書かれており、労働環境について考えさせられる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月10日

『掃除屋 プロレス始末伝』黒木あるじ




 依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランレスラーのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬をせしめる背景にあるのは…。『小説すばる』連載に加筆修正し文庫化。

 依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランレスラーのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬をせしめる背景には、リング禍で今なお意識が戻らない親友の存在があった。身体に爆弾を抱えた藤戸が、最後の対戦相手に選ぶのは…。プロレスファンなら感涙必至、そうでなくとも胸が熱くなる哀愁ただよう男の美学の物語。本当の強さが、ここにある。

 物語は、49歳のベテランプロレスラーの主人公が、個人や団体の依頼により、試合中のリングで対戦相手のレスラーを人知れず制裁、粛清する「掃除屋」稼業についてが描かれる連作プロレス小説。試合の臨場感が伝わり、著者のプロレス愛を感じる作品です。

【満足度】 ★★★☆
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2020年08月08日

『十字架のカルテ』知念実希人

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十字架のカルテ [ 知念 実希人 ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2020/8/8時点)




 日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに影山が見据える未来とは。凛が精神鑑定を学ぶ理由とは…。『STORY BOX』掲載を単行本化。

 正確な鑑定のためにはあらゆる手を尽くす……日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに、影山が見据える未来とは。そして凛が精神鑑定を学ばねばならない理由とは……。

 本書は、刑法39条を題材に、精神疾患を持つ人物が罪を犯したときどう裁かれ、罪と向き合っていくのかを描いた連作小説。精神疾患による犯罪か否かを診断する、精神科医の立場から、心の闇を覗いていきますが、考えさせられる部分も多く、法と罪についてを心理描写も含めて丁寧に描いた作品です。

【満足度】 ★★★★
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