2020年09月30日

『「うまい!」の科学 データでわかるおいしさの真実』高橋貴洋




 卵かけごはんのおいしい食べ方は? ビールの苦みとキレ、どっちを重視する? プリンはやわらかめ派、硬め派? 味のスペシャリストが、最新技術で味を数値化して分析。「おいしさ」とは何なのかを徹底解説する。

 たまごかけごはんのおいしい食べ方は? ビールは苦みかキレ、どっち? 牛丼チェーンで一番おいしいのは? プリンはやわらかめ派、かため派? 食に関する論争はたくさんあるが、「味」や「おいしさ」は主観や好みで語られるので、決着がつかない。しかし、最新技術で味は数値化できる! 「うまい!」の真実が少しずつ見えてきた――。商品ブランディングや味覚のデータ化を手掛ける味のスペシャリスト「味香り戦略研究所」が、おいしさとは何なのか、徹底解説。

 著者は、10万アイテム以上の味分析を行い味のデータデース構築・解析などを手掛ける「味香り戦略研究所」主催の講師を務め、メディアや企業などを対象においしさについて講義しているとのことで、様々な美味しさについてを数値化して可視化したものが本書。「たけのこの里」と「きのこの山」、「サッポロ一番」のみそ味・しょうゆ味・塩味、吉野家・松屋・すき家の牛丼、コカ・コーラとペプシコーラ……など、様々な食品を取り上げ、データで比較しており、美味しさの数値化というだけでも面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月29日

『疫病2020』門田隆将

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 100年に1度と言われるウイルス禍の日本、中国、世界。新型コロナウイルス発生からの事象を細かく追い、検証し、本質を抉るノンフィクション。『正論』掲載の佐藤正久との対談も再録。

 本書は、新型肺炎はなぜ、中国・武漢の海鮮市場が「発生地」とされたのか、いち早く病気に気づいた2人の医師はなぜ処分を受けたのか、共産党の規律検査委員会や警察の公安部門まで摘発に動いた理由は何だったのか…など、ベールに包まれた多くの謎に応えたノンフィクション。武漢の医療最前線で行われた仰天の治療法や、2月半ばから投入され、効果を発揮した「5種類の薬品」など、中国がこの病気を克服した理由が具体的に明かされている他、いち早く的確な対策で国民の命を救った台湾と日本との徹底比較なども含めて、日本の多くの問題を鋭く指摘しており、読み応えある一冊です。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年09月28日

『暗鬼夜行』月村了衛

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 SNSに投じられた生徒の〈告発〉。突如浮上した、学校代表の「読書感想文」盗作疑惑。学び舎の陰より生まれし悪意が、一人の教師を奈落の闇に突き落とす…。『サンデー毎日』連載を単行本化。

 突如浮上した、学校代表の「読書感想文」盗作疑惑。疑心はやがて教室をのみ込み、職員室は地獄と化す。エンタメ小説の鬼才が、教育現場の圧倒的リアルに迫った学園震撼サスペンス!

 物語は、中学校を舞台に読書感想文の盗作疑惑をメインにしたサスペンス。著者のこれまでの作品と比べると異質ともいえるイヤミスでもありましたが、登場人物達が疑心暗鬼に取り憑かれた様子が克明に描かれ、読後感は決して良くなかったものの、しっかりと読ませるサスペンスでした。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月26日

『人が集まる街、逃げる街』牧野知弘

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人が集まる街、逃げる街 (角川新書) [ 牧野 知弘 ]
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 都心から郊外へ人気は回帰した。未来の郊外タウン・立川、成長管理型の開発が行われるユーカリが丘など、不動産開発の専門家が、人々を惹きつける街の魅力、その要因を解き明かす。『週刊東洋経済』連載から抜粋し再編集。

 都心から郊外へ人気は回帰した。近年の災害で脆弱性を露呈したタワーマンション群に、新型コロナ禍で「通勤」の概念が崩れ、価値が低下した「都心」。その一方、郊外が好調だ。未来の「郊外タウン」立川に、「成長管理」型の開発が行われるユーカリが丘、「新しい下町」像の清澄白河など、新しい試みが生まれている。不動産開発の専門家が人々を惹きつける街の魅力、その要因を解き明かす!

 本書は、ニュータウンの課題と挑戦、タワマン街の明暗、盛衰の分岐点に立つ街、今注目の成長する街、奮闘中の地方都市など、様々なテーマで街を分析した一冊。街間格差についてや、どのようにして若者や観光客を誘致し、街を活性化していくかの成功例についても書かれていますが、成功例の殆どは情報発信をうまく活用しているところで、人が集まる街は、いずれも努力を続けているところばかりで、街の魅力発信については非常に興味深かったです。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年09月25日

『ビルマに見た夢』古処誠二

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 第二次世界大戦下、ビルマの山村地帯で兵站勤務に就く軍曹の西隈。現地の労務者をまとめてゆくなかで直面した、想定外の出来事とは。今を生きる私たちの胸を痛烈に衝く5編を収録する。『小説推理』掲載を単行本化。

 第二次世界大戦下、ビルマの山村地帯で兵站勤務に就く軍曹の西隈。現地の労務者をまとめてゆくなかで直面した、想定外の出来事…。日本軍はペストの予防接種を進めようとするが、部落の長老は頑なに拒む。そんな長老に対し、軍医見習士官が演説を打つ。その内容は、ビルマ人にとってあまりに辛辣で不敬なものであったが…。「仏道に反して」。ビルマ人は労務でもロンジーをはく。肉体労働には適さない腰巻きのようなその衣服、そして長時間の昼寝。労務者から昼寝を取り上げようとする西隈に、部落長が放った言葉とは?「ロンジーの教え」。今を生きる私たちこそ、痛烈に胸を衝かれる5編。

 本書は、第二次大戦下、ビルマ駐屯の軍曹と住民たちの日々の逸話を描いた小説集。西隈担当の兵站業務やビルマ人との交流も戦時下にしては緩やかに描かれています。物語はインバール作戦が始まる直前の現地の物語として5つの作品が収録されていますが、インパール作戦の悲惨さを知るだけに、悲しい作品集でもあります。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月24日

『発注いただきました!』朝井リョウ

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 キャラメルが登場する掌編、「ウイスキーっておもしろい」を伝えられる小説、「女性と香り」にまつわるミニエッセイもしくは小説…。企業からのお題をもとに書いた作品を、解説とともに収録する。

 『桐島、部活やめるってよ』でのデビューから10年。森永製菓、ディオール、JT、JRA、アサヒビール、サッポロビール、資生堂、JA共済など、様々な企業からの原稿依頼があった。原稿枚数や登場人物、物語のシチュエーションなど、小説誌ではあまり例を見ないような制約、お題が与えられるなか、著者はどのように応えてきたのか!? 「キャラメルが登場する小説」「人生の相棒をテーマにする短編」「ウイスキーにまつわる小説」「20を題材にした小説」など、短編小説14本、エッセイ6本。普段は明かされることのない原稿依頼内容と、書き終えての自作解説も収録された一冊。10周年に合わせて依頼された新作小説も収録。

 本書は、タイトル通り、様々な企業から“発注いただいた”小説やエッセイが全20作収録された作品集。森永製菓やJRA、サッポロビールなど名だたる大企業から課されたお題・原稿の依頼内容が公開されており、「aikoの楽曲を題材にした短編小説」「『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『チア男子!!』のコラボ小説」など、個性豊かな依頼に著者がどのように応えたのか、それぞれの完成作品と創作を振り返った解説も掲載されています。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月23日

『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』山田昌弘




 世界で「反面教師化」する日本の少子化対策。家族社会学者である著者が、日本の少子化対策が失敗した原因を分析・総括するとともに、日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。

 家族社会学者である著者は、日本の少子化対策が事実上失敗に終わっているのは、未婚者の心と現実に寄り添った調査、分析、政策提言ができていなかったからだと考える。具体的には、欧米に固有の慣習や価値意識をモデルの前提にし、日本人に特徴的な傾向・意識、そして経済状況の変化を考慮しなかったのである。本書では失敗の原因を分析・総括するとともに、日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。

 本書は、統計分析やアンケート、インタビュー調査の成果というエビデンスに基づいて日本の少子化問題の実態をあぶり出したもの。少子化の原因についてを解説した内容ではありますが、原因は様々な要因があるでしょうが、今の日本の現状では少子化はある意味当然のことでもあるだろうし、国としての将来設計ができていないということが形として出ているとも思います。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月22日

『日本ワインの図鑑』日本のワインを愛する会

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日本ワインの図鑑 [ 日本のワインを愛する会 ]
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 日本国内から厳選した100のワイナリーとおすすめの1本を紹介。基本的な知識として知っておきたい日本ワインの歴史やブドウの種類、日本ワインを嗜むときのマナー、ワインバーでの楽しみかたなども解説します。

 日本にある300軒以上のワイナリーから厳選した100本の日本ワインをブドウの品種、地域を詳しく解説。日本ワインの歴史や醸造方法、正しいテイスティングやマナーなどはじめての方にもわかりやすく紹介します。

 本書は、国内の厳選した100本のワインの特徴とワインを楽しく味わう基礎知識について紹介された一冊。ワイン初心者からワイン愛好家まで楽しめる一冊になっており、知っておきたい歴史やマナーなどについても解説されています。

【満足度】 ★★★★
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『「日本が世界一」のランキング事典』伊藤賀一




 「平均寿命」のような日本人であれば当然知っている世界一から、「ビニール傘消費量」など意外な世界一まで、日本が世界に誇る「世界一のもの」をランキング化して紹介。さらに現在では世界一ではなくなったものも掲載。

 日本が世界に誇る「世界一のもの」を一冊にまとめました。「平均寿命」のような日本人であれば当然知っている世界一から、「ミシュランの星付き店舗数」「海外旅行の自由度(ビザなしで渡航できる国数)」といった意外な世界一まで網羅してランキングも掲載しました。さらには「自動車生産台数」のように現在では世界一ではなくなってしまったものも補足。読めば日本を誇らしく思え、新たな発見がたっぷりの352ページです。

 本書は、あらゆるジャンルに目配りしながら「日本が世界一」になっている項目をまとめたもの。世界最大や世界最古などについても補足されている他、「ザンネンな世界一」についてもリストアップしていますが、内容がかなりザックリしすぎていて、やや物足りないところもありましたが、雑学として面白かったです。

【満足度】 ★★★☆
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2020年09月19日

『日本マンガ全史 「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで』澤村修治




 草創期から現在に至る日本マンガの主要作家と、「のらくろ」「鉄腕アトム」から「進撃の巨人」「鬼滅の刃」まで、500点以上の作品を一挙紹介。日本マンガの歴史を「物語」として描き出す。

 マンガは日本の大衆文化の重要な一翼を担ってきた。古来あった戯画の伝統にせりふを加え、ポンチ絵や新聞マンガなどマスメディアの一部としても発達したことで、戦後、マンガ文化は大きく花開いて現在に至る。巨人・手塚治虫の功績、少年マンガ誌の隆盛、女性に向けて発展した少女マンガ、アニメ・映画とのコラボレーション。その表現方法と題材の広さ、深さは特筆に値する。「のらくろ」「鉄腕アトム」から最新作までを網羅。大衆エンターテインメントの代表、広大なマンガの世界を知ろう!

 本書は、日本マンガ史の膨大な流れを整理し、基本事項を新書版一冊内に収めたもの。12世紀の「鳥獣戯画」から現代の「鬼滅の刃」まで、日本のマンガの歴史を語った資料でもあり、巻末にはマンガの歴史年表もあります。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月18日

『地政学 サクッとわかるビジネス教養』奥山真司

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サクッとわかる ビジネス教養 地政学 [ 奥山 真司 ]
価格:1320円(税込、送料無料) (2020/9/18時点)




 地政学を知ると、世界の姿が見えてくる。地政学で考える日本、アメリカ、ロシア、中国、アジア、中東、ヨーロッパの特徴を、オールカラーのイラストでわかりやすく解説。地政学の基本的な概念も紹介する。

 新型コロナウイルス後、中国がより台頭する!? イギリスにとってEU離脱がチャンスな理由。アメリカにとって超重要な沖縄基地。本当の世界情勢がわかる! 防衛のプロへも指南、地政学の第一人者が伝授!

 本書は、地理的に衝突が頻発する3大エリア(アジア・中東・ヨーロッパ)をめぐるパワーバランスについて、多様なカラーイラストで分かりやすく地政学として紹介したもの。世界情勢を理解するには、地政学が必須でもありますが、国際情勢の疑問が地政学で納得できる解説がされており、世界を知るための基礎知識としても読みやすかったです。

【満足度】 ★★★★
ラベル:奥山真司 地政学
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2020年09月17日

『できるテレワーク入門 在宅勤務の基本が身に付く本』法林岳之/清水理史/できるシリーズ編集部




 新しいワーキングスタイルとして注目を集めている「テレワーク」。テレワークのメリットやリスク、通信回線などの環境、Slack、Zoom、Teamsなどを用いるチャットやビデオ会議、共同編集の方法などを解説します。

 本書は、テレワークのメリットやリスク、通信回線やグループウェアなどの環境の準備や、クラウドストレージやチャット、ビデオ会議などのツールの実践方法など、テレワークに必要な基本的要素をひとつずつ分かりやすく解説したもの。初めてテレワークに挑戦する方に向けて、豊富な図解と画面写真で基本をかみ砕いて解説した書籍で、「ファイル共有」「チャットの活用」「オンライン会議」など、幅広いテーマを解説。それぞれツールも複数紹介しています。あくまでも入門書でもあるため、個人的には非常に物足りない内容ではありましたが、これからオンラインミーティングを始めようとする人には、参考になる一冊だと思います。

【満足度】 ★★★
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2020年09月16日

『終の盟約』楡 周平

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終の盟約 [ 楡 周平 ]
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 認知症になった親が死を望んでいたらあなたはどうしますか。認知症の父の突然死。医師同士による、ある密約。医師の兄と、弁護士の弟は、真相にたどり着けるのか。

 ある晩、内科医の輝彦は、妻・慶子の絶叫で跳ね起きた。父の久が慶子の入浴を覗いていたというのだ。久の部屋へ行くと、妻に似た裸婦と男女の性交が描かれたカンバスで埋め尽くされていた。久が認知症だと確信した輝彦は、久が残した事前指示書「認知症になったら専門の病院に入院させる。延命治療の類も一切拒否する」に従い、父の旧友が経営する病院に入院させることに。弁護士をしている弟の真也にも、事前指示書の存在を伝えた。父の長い介護生活を覚悟した輝彦だったが、ほどなくして久は突然死する。死因は心不全。しかし、あまりに急な久の死に、疑惑を抱く者もいて……。

 本書は、安楽死がテーマの作品で、認知症になったら家族に迷惑をかけることなく死にたいと望む元医師の死を巡る物語。認知症介護の過酷さと、命の選択の問題を突き付けてくる作品でもありますが、認知症の介護される側と介護する側の過酷な現実、終末医療の延命と介護について改めて考えさせられる作品です。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月15日

『チーム・オベリベリ』乃南アサ

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チーム・オベリベリ [ 乃南 アサ ]
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 横浜の女学校に学ぶ鈴木カネ。兄の銃太郎は北海道開拓について考え、渡辺勝、依田勉三と「晩成社」を興した。女学校を卒業したカネは渡辺勝と結婚、オベリベリとよばれた帯広へ行くことを決意し…。『群像』連載を改稿。

 私たちの代が、捨て石になるつもりでやっていかなければ、この土地は、私たちを容易に受け入れてはくれない…。宣教師たちが開いた横浜の共立女学校に学ぶ鈴木カネは、父や兄にならって聖書の教えを受け、勉学に励んでいた。兄の銃太郎は、神学校で一緒だった渡辺勝、依田勉三と北海道開拓について考え始めている。彼らは勉三を中心に「晩成社」を興し、新天地へ向かう準備を進める。明治15年、23歳になったカネは女学校を卒業し、渡辺勝との結婚、そしてオベリベリとよばれる帯広へ行くことを決意する。

 本書は、史実に基づき、明治維新後の激動の時代に北海道・帯広の開拓に身を投じた渡辺カネの人生を描いた物語。約140年前に北海道十勝の原野へ渡った主人公らが、厳寒の帯広(オベリベリ)で自然と闘い開墾を進めるもののうまくいかず、絶望の中でも信仰を支えに立ち上がっていく姿が書かれていますが、開拓の困難さは勿論のこと、どのような境遇でも教育がいかに重要であるかについても物語として骨太の作品として描かれています。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年09月14日

『戦国大名の経済学』川戸貴史

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戦国大名の経済学 (講談社現代新書) [ 川戸 貴史 ]
価格:1100円(税込、送料無料) (2020/9/14時点)




 兵士の装備一式70万円、鉄炮1挺50万〜60万円、1回の合戦の費用、締めて1億円! 戦争の収支、戦国大名の収入、鉱山開発や城下町、税制改革など、経済という視点から戦国時代の日本を読み解く。

 本書は、合戦にかかる費用、貿易の利益などを現在の貨幣価値に置き換えて、経済学としてまとめたもの。戦国大名がどんな収支で行動し、同時代の日本経済はどう動いていたのかを、貨幣経済史研究者の著者が読み解いていきますが、戦国時代をお金から見る視点は面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月12日

『人面瘡探偵』中山七里

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人面瘡探偵 [ 中山 七里 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2020/9/12時点)




 相続鑑定士の三津木六兵の右肩には、頭脳明晰な人面瘡のジンさんが寄生している。山林王の当主が亡くなり、相続人が次々に不審死を遂げた。ジンさんの指示を受け事件を追う六兵が辿り着いたのは…。『きらら』連載を加筆改稿。

 相続鑑定士の三津木六兵の右肩には、人面瘡が寄生している。六兵は頭脳明晰な彼を“ジンさん”と名付け、何でも相談して生きてきた。信州随一の山林王である本城家の当主が亡くなり、六兵は遺産鑑定のため現地に派遣される。二束三文だと思われていた山林に価値があると判明した途端、色めき立つ一族。まもなく長男が蔵で、次男が水車小屋で、と相続人が次々に不審死を遂げていく。これは遺産の総取りを目論む者の犯行なのか? ジンさんの指示を受けながら事件を追う六兵がたどり着いたのは、本城家の忌まわしい歴史と因習深い土地の秘密だった。限界集落を舞台に人間の欲と家族の闇をあぶり出す圧巻のミステリー。

 物語は、相続鑑定士である主人公の右肩に人面瘡が寄生し、その人面瘡をジンさんと名付けて、一緒に事件を解決していくというミステリ。発想としては面白いものの、登場人物の個性が薄く、展開やラストもイマイチで、やや期待ハズレの一冊でした。

【満足度】 ★★★
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2020年09月11日

『三年長屋』梶よう子

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三年長屋(1) [ 梶 よう子 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2020/9/11時点)




 河童が祀られた通称「三年長屋」に住むものは、なぜか3年ほどで出世したり、良縁に恵まれたり…。長屋の差配と店子たちが織りなす奇蹟の物語。学芸通信社の配信により各紙にて掲載したものを加筆し単行本化。

 下谷の山伏町にある風変わりな名前の「三年長屋」。その河童が祀られた長屋に三年ほど暮らした者は、居職の者なら工房と弟子を抱え、棒手振り稼業なら表店を出し、女子は良縁に恵まれるという―。お節介と差し出口が過ぎる差配と、一癖も二癖もある店子たちの願いは、果たして叶うのか…。

 本書は、3年住めば願いがかなうといわれる、かっぱを祭った長屋を舞台に、今でいう管理人に当たる、おせっかいな差配と店子が織りなす物語。人情長屋の物語ですが、稲荷ではなく河童を祀っている「三年長屋」の喜怒哀楽を交えた物語は味があって良かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月10日

『教育現場は困ってる 薄っぺらな大人をつくる実学志向』榎本博明




 あらゆる学習において実用性を重視する実学志向が強まっている教育現場。社会に出てほんとうに役に立つ教育には何が大切なのか。教育界の現状や教育改革の矛盾を指摘し、学校教育のあり方に警鐘を鳴らす。

 いま、教育の現場では、英会話を小学校から始めるようになったり、2022年度から、高校の国語の授業で契約書の読み方を学ばせるなど、あらゆる学習において実用性を重視する実学志向が強まっている。だが、社会に出てほんとうに役に立つ教育には何が大切か、いま一度、立ち止まって考える必要があるのではないか。このままでは、変化の激しい時代に柔軟に生きるのは困難になるだろう。教育界の現状や教育改革の矛盾を指摘し、学校教育の在りかたに警鐘を鳴らす。

 本書は、今の教育の現場では、あらゆる学習において、社会に出てからの実用性を重視する実学志向が強まっていますが、基礎知識や教養、物事を深く考える習慣を身につけさせないのであれば、先の読めない変化の激しい時代を柔軟に生きることは困難だとして、学校教育のあり方について問題提起した一冊。実学志向が強くなった一方で、著者は読解力や教養を身に付けられていないと指摘していますが、教育については様々な見直しが必要とも思いますし、教育改革に対して一石を投じる一冊だと思います。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月09日

『お酒の経済学 日本酒のグローバル化からサワーの躍進まで』都留 康




 国内消費が減少する日本の酒類。一方、高級日本酒やウイスキーが製品差別化により国内需要を回復させており、海外からも高く評価され輸出も急増している。その課題と可能性を、経済学と経営学の最新の研究成果から解き明かす。

 日本のお酒をめぐる環境が激変している。日本酒からビール、焼酎と主役が入れ替わりつつ一貫して消費が伸びてきたが、1990年代半ばをピークに減少に転じた。その後はデフレ下で新ジャンルやサワーが躍進する一方、クラフトビールや純米大吟醸なども人気を集める。また、日本酒やウイスキーは海外から高く評価され、輸出が急増している。日本の酒類が抱える課題とは、可能性とは。経済学と経営学の最新の研究成果を踏まえて読み解く。

 本書は、日本の酒類の生産から消費までを、経済学と経営学の視点から平易に解説したもの。「日本のお酒の現在」「日本酒」「ビール」「ウイスキー」「焼酎」「グローバル化」「日本のお酒はこれからどうなるか」が各章で書かれており、出荷量のグラフや、ビールとウイスキーではベンチャー企業が参入していることなど、読み応えのある内容でした。

【満足度】 ★★★★
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2020年09月08日

『いまこそ「小松左京」を読み直す』宮崎哲弥




 大規模自然災害、ウイルス・パンデミック、科学技術の進歩と限界…。驚くべき精度で「現在」を予見したSF作家・小松左京。「日本沈没」をはじめとする代表作を読み解きながら、戦後最大の知識人の洞察の淵源を探る。

 戦後日本を代表するSF作家として知られる小松左京。その作品は、大規模自然災害、ウイルス・パンデミック、科学技術の進歩と限界等、現在の私たちが直面し、未だ解決できない問題を先取りするかのようなリアリティを持っていることから、いまふたたび注目を集めている。彼は危機の予言者なのか? それとも……。作家としての出発点『地には平和を』、日本SFのオールタイムベスト『果しなき流れの果に』、460万部超の大ベストセラー『日本沈没』、カルト的な人気を誇る『ゴルディアスの結び目』、未完の遺作『虚無回廊』等、小松の仕事を画期する代表作群を読み解き、時代を超える洞察の淵源をさぐる。小松左京を「SF作家」にとどまらない、戦後最大の知識人として捉えなおす試み!

 本書は、評論家でもある著者が『地には平和を』『果しなき流れの果に』『日本沈没』『ゴルディアスの結び目』『虚無回廊』等の小松左京の代表作を読み解き、戦後最大の知識人でもある小松左京の思索に迫った一冊。中学・高校時には小松左京の作品を好んでよく読みましたが、改めて小松左京作品を考えると奥深さがより一層感じます。

【満足度】 ★★★★
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