2020年09月16日

『終の盟約』楡 周平

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終の盟約 [ 楡 周平 ]
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 認知症になった親が死を望んでいたらあなたはどうしますか。認知症の父の突然死。医師同士による、ある密約。医師の兄と、弁護士の弟は、真相にたどり着けるのか。

 ある晩、内科医の輝彦は、妻・慶子の絶叫で跳ね起きた。父の久が慶子の入浴を覗いていたというのだ。久の部屋へ行くと、妻に似た裸婦と男女の性交が描かれたカンバスで埋め尽くされていた。久が認知症だと確信した輝彦は、久が残した事前指示書「認知症になったら専門の病院に入院させる。延命治療の類も一切拒否する」に従い、父の旧友が経営する病院に入院させることに。弁護士をしている弟の真也にも、事前指示書の存在を伝えた。父の長い介護生活を覚悟した輝彦だったが、ほどなくして久は突然死する。死因は心不全。しかし、あまりに急な久の死に、疑惑を抱く者もいて……。

 本書は、安楽死がテーマの作品で、認知症になったら家族に迷惑をかけることなく死にたいと望む元医師の死を巡る物語。認知症介護の過酷さと、命の選択の問題を突き付けてくる作品でもありますが、認知症の介護される側と介護する側の過酷な現実、終末医療の延命と介護について改めて考えさせられる作品です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 16:36| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする