世界で「反面教師化」する日本の少子化対策。家族社会学者である著者が、日本の少子化対策が失敗した原因を分析・総括するとともに、日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。
家族社会学者である著者は、日本の少子化対策が事実上失敗に終わっているのは、未婚者の心と現実に寄り添った調査、分析、政策提言ができていなかったからだと考える。具体的には、欧米に固有の慣習や価値意識をモデルの前提にし、日本人に特徴的な傾向・意識、そして経済状況の変化を考慮しなかったのである。本書では失敗の原因を分析・総括するとともに、日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。
本書は、統計分析やアンケート、インタビュー調査の成果というエビデンスに基づいて日本の少子化問題の実態をあぶり出したもの。少子化の原因についてを解説した内容ではありますが、原因は様々な要因があるでしょうが、今の日本の現状では少子化はある意味当然のことでもあるだろうし、国としての将来設計ができていないということが形として出ているとも思います。
【満足度】 ★★★★