2020年11月19日

『家族写真 3.11原発事故と忘れられた津波』笠井千晶

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家族写真 3.11原発事故と忘れられた津波 [ 笠井 千晶 ]
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 福島第一原発から北に22キロ。福島県南相馬市で生きる、上野さん一家を襲った東日本大震災。避難を拒み、仲間とともに行方不明の家族を自力で捜す上野さんの姿を、著者が7年にわたり丹念に取材した記録。

 福島県南相馬市で生きる、上野敬幸さん一家を襲った東日本大震災。上野さんは、両親と幼い2人の子どもの家族4人が津波にのまれました。しかし、その後に起きた原発事故により、自宅のあった地区は避難指示区域に指定されます。そして、行方不明者がまだいるにも関わらず、警察も自衛隊も捜索に入らなくなってしまったのです。本書は、そのような中で避難を拒み、仲間とともに行方不明の家族を自力で捜す上野さんの姿を、著者が7年にわたり丹念に取材した記録です。震災から年月が経つにつれ一般には報道されにくくなってしまった、被災地での現実が明らかにされる労作です。

 本書は、第26回小学館ノンフィクション大賞受賞作。東日本大震災で被災した家族を追ったノンフィクションですが、避難を拒み行方不明の家族を探す、上野さん一家(妻と娘)に寄り添った7年間を記録した一冊で、報道されない現実がここにあります。警察も自衛隊も捜索に入らなくなった原発避難指示区域で、行方不明の家族を捜し続ける上野さんを、著者が7年にわたり、通い続けた記録の凄さは勿論ですが、有給を取りすぎて会社をやめて独立してでも、毎週末のように自費で深夜バスで静岡から福島に通い取材し続ける姿勢には心が打たれました。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 16:01| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする