孫正義に見出された男は、なぜ異国でカーレースに出て、そして死んだのか。「Yahoo!JAPAN」を年商1兆円に育て上げた井上雅博の、60年の生涯を追ったノンフィクション。『週刊現代』連載を書籍化。
1996年1月、ソフトバンク社長室の一角で『Yahoo! JAPAN』は産声を上げた。専属スタッフわずか3名のその会社を、「年商1兆円」の巨大IT企業に育て上げた男の名は、井上雅博。世田谷の都営団地に生まれ、孫正義に見出された男は、ヤフーを爆発的に成長させ、サラリーマンでありながら1000億円と言われる資産を手に入れた。ひっそりと実業界を去った井上は、桁外れの趣味の世界に溺れ、17年4月にカリフォルニアのクラシックカーレースで非業の死を遂げる。ヤフー・ジャパン、そして日本のインターネット産業の裏面史を、大宅賞作家が描く。
本書は、孫正義に見出され、ヤフーを爆発的に成長させた伝説の男・井上雅博の半生を描いたノンフィクション。実質ヤフージャパンの創業者でもある井上雅博氏の伝記でもありますが、井上氏の魅力はたっぷりと描かれるものの、IT環境が大きく変化する時代に、なぜヤフーのポータルサイト・ビジネスが成功できたのか、そして井上氏の経営判断はどこにあったのかなどが浮き彫りになっておらず、そこがやや物足りなかったです。
【満足度】 ★★★☆