2021年01月09日

『生かさず、殺さず』久坂部羊

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生かさず、殺さず [ 久坂部 羊 ]
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 認知症専門病棟の医師・三杉のもとに、元同僚で鳴かず飛ばずの小説家・坂崎が現われ、三杉の過去をモデルに「認知症小説」の問題作を書こうと迫り…。現役医師が描いた医療サスペンス。『週刊朝日』連載を加筆し書籍化。

 息もつかせぬストーリー展開で、認知症専門病棟の医師と看護師、家族の壮絶で笑うに笑えない本音を、現役の医師が描いた医療サスペンスの傑作。認知症の患者も、がんや糖尿病などさまざまな病気を患う。彼らをどのように治療すべきか。一般の患者なら、検査や治療に協力も得られるが、認知症の患者はスムーズにはいかない。認知症患者専門病棟「にんにん病棟」では、主人公の医長の三杉や看護師たちが、日々認知症相手ならではの奮闘を続けている。とりわけ看護師たちの苦労は並大抵ではない。一方、医者から作家に転じた坂崎は、鳴かず飛ばずのスランプを脱するべく、三杉をモデルにした小説を企てて、取材協力を求めてきた。坂崎は三杉が密かに悔やむ過去を知っており、それをネタに三杉を追い詰め、窮地に陥れて、小説にしようとするが……。治療が認知症患者に必要以上の苦痛をもたらすとき、いったい医師は、どのような治療を選択すればよいのか。そこにある葛藤と逡巡。在宅医療を知る医師でもある著者の既刊『老乱』『老父よ、帰れ』につぐ「認知症小説」の決定版。

 本書は、認知症専門病棟の医師と看護師と家族の、壮絶で笑うに笑えない本音を現役医師が描いた医療サスペンス。物語は、がん、糖尿病など様々な理由で入院しつつも、認知症を併せ持つ患者のために設けられた認知症専門病棟を舞台に、自身の要望をうまく伝えられない認知症患者の治療の選択を誰が行うのか、生きるとは、ほどよい治療とは何かなど、様々なことを考えさせられる物語で、認知症の老人とその家族の人間模様が面白く、エンタメとして面白い作品でした。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 18:43| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする