2021年02月15日

『兄の終い』村井理子

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兄の終い [ 村井理子 ]
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 警察署からの電話で兄の死を知った。周りに迷惑ばかりかける人だった。体を壊し、職を失い、貧困から這いあがることなく死んだ兄を弔うために、元妻、息子、妹である私が集まり…。怒り、泣き、ちょっと笑った5日間の実話。

 本書は、疎遠だった兄の遺体を引き取り、後始末をした怒濤の5日間を克明に綴ったもの。兄の死によって波が立ち、揺れ、溢れそうになる著者の感情が、徐々に平穏を取り戻していく過程を追った、鮮やかで生々しい5日間の記録でもありますが、複雑な家庭事情と兄の子供、地域の人の優しさなど人間模様が本書に詰め込まれています。音信不通の兄に死後整理が書かれており、重いテーマではあるものの、身内の死の対処や処分問題、そして兄の子どもの今後を考え奔走する姿に引き込まれると同時に、人の人生の深さというものも感じさせられました。兄に長年悩まされてきた妹のつらい思いと、それでも捨てきれない兄への情が痛いほど伝わってきました。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 20:42| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする