2021年02月16日

『暗闇にレンズ』高山羽根子

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暗闇にレンズ [ 高山 羽根子 ]
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 高校生のわたしは、親友と監視カメラだらけの街を歩き、携帯端末の小さなレンズをかざして世界を切り取る。かつて母や、祖母や、曾祖母がしてきたように…。時代に翻弄されつつもレンズから世界をのぞき続けた“一族”の物語。

 高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、携帯端末の小さなレンズをかざして世界を切り取る。かつて「わたし」の母や、祖母や、曾祖母たちがしてきたのと同じように。そうして切り取られた世界の一部は、あるときには教育や娯楽のために、またあるときには兵器として戦争や紛争、弾圧のために用いられた……映画と映像にまつわる壮大な偽史と、時代に翻弄されつつもレンズをのぞき続けた”一族”の物語。

 本書は、『首里の馬』で芥川賞受賞した著者の受賞後の書き下ろし長編作品。物語は、監視カメラがあふれる街角でスマホを操る2人の少女が主役のサイドAと、19世紀末の横浜で娼館・夢幻楼を営む嘉納家に連なる女性達の歴史をたどるサイドBに分かれ、Bの時代が少しずつAに近づいていくという展開となっています。映画と映像にまつわる壮大な偽史と、時代に翻弄されつつもレンズをのぞき続けた一族の物語で、戦争時代の歴史、海外の舞台、女性の4代に繋がる歴史など、永く複雑な物語を紡いでおり、壮大なドラマを見たような感覚の作品でした。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 17:45| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする