2021年02月23日

『絶滅危惧個人商店』井上理津子




 個人商店は「町の宝」だ! 食料品、衣類、質屋、銭湯…。チェーン店やアウトレットに負けずに、個人で商売を続ける店を訪ね歩いた記録。店主たちのヒストリーを伝える。『ちくま』連載に加筆・編集して単行本化。

 本書は、著者が外観や客あしらいからその店と通底する心意気の店に違いないと踏んだ個人商店19店を丹念に取材し、各店と店主のヒストリーに加え、「今」の店模様が綴られた一冊。大型店や通販に押され、苦境に立つ街の個人商店を取り上げ、商店街が寂しくなるのは全国どこでも見られる光景ではありますが、大型店や量販店にも負けず、元気を個人店で商売をする店主の矜持と背負った歳月の厚みがしっかりと紹介され、今の商売を語る生き生きとした店主と家族の姿は、読んでいても元気をもらえます。地域に根差した商売を長年続ける個人商店を訪ね歩き、店の来歴や店主の人柄、客との交流を細やかに記録していますが、町の歴史も文章から感じられ、それぞれのお店に訪ねたくなりますし、それぞれのお店の価値も伝わり、感動も覚える内容でした。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 18:55| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする