2021年03月31日

『五色の殺人者』千田理緒

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五色の殺人者 [ 千田 理緒 ]
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 高齢者介護施設で働くメイはある日、利用者の撲殺死体を発見した。五人が犯人と思しき人物を目撃するが、犯人の服の色についての証言は「赤」「緑」「白」「黒」「青」と、なぜかバラバラ。さらに、凶器も見つからず…。

 介護施設・あずき荘で働く、メイこと明治瑞希はある日、利用者の撲殺死体を発見する。犯人を目撃したのは、同じく利用者である5人の老人。しかし、犯人の服色は「赤」「青」「白」「黒」「緑」と、なんとバラバラの5通りだった! 同じ部屋から目撃したのに、なぜ証言が食い違うのか? ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている相手に犯人の容疑をかけられる。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として事件解決に乗り出すことになるが……。

 本書は、第30回鮎川哲也賞受賞作。介護施設を舞台に、利用者の殺人事件、目撃証言による犯人の服装がバラバラで一致しない謎に新人介護士が挑むミステリですが、ライト感覚で読めるミステリで、ユーモアも交えて読みやすい物語でした。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月30日

『欺瞞の殺意』深木章子




 わたしは犯人ではありません。あなたはそれを知っているはずです…。殺人犯として服役していた元弁護士が仮釈放後にある関係者に送った書簡。それが「毒入りチョコレート事件」のすべてを根底から覆す引き金となり…。

 無実にもかかわらず「自白」して無期懲役となった元弁護士と事件関係者との「往復書簡」は、「毒入りチョコレート」殺人をめぐる推理合戦となり、やがて「真相」のぶつかり合いが思わぬ方向へ物語を導いていく。

 本書は、無実の罪で服役していた元弁護士とその恋人が、42年の時を経て推理を往復書簡で展開するミステリ。書簡の応酬によるスリリングな推理合戦は読み応えがあり、二転三転する展開も面白く、本格ミステリを堪能できました。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月29日

『逆ソクラテス』伊坂幸太郎

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逆ソクラテス [ 伊坂 幸太郎 ]
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 逆境にもめげず簡単ではない現実に立ち向かい非日常的な出来事に巻き込まれながらもアンハッピーな展開を乗り越え僕たちは逆転する! 無上の短編5編(書き下ろし3編)を収録。

 逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える……「逆ソクラテス」。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが……「スロウではない」。最後のミニバス大会。5人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも……「アンスポーツマンライク」ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」……書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。

 本書は、第33回柴田錬三郎賞受賞作で、収録されている全5編全ての主人公が小学生という短編集。表題作の「逆ソクラテス」は、上の立場から決めつける教師の先入観を崩そうと、転校生の安斎が作戦を練り、主人公たちを巻き込んで実行していく物語ですが、大人の支配下にある無力な存在の関係が逆転される痛快さが実に面白く、どの作品も読後は爽快感があり、特に表題作は子供達が知恵を振り絞って大人に立ち向かうさまは痛快で、非常に印象に残りましたし、願わくば映画化してほしい作品です。

【満足度】 ★★★★☆
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2021年03月27日

『#ある朝殺人犯になっていた』藤井清美

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#ある朝殺人犯になっていた [ 藤井清美 ]
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 売れない芸人の淳弥は、ある朝、SNS上で自分が時効間近のひき逃げ犯だという噂が広がっていることを知る。否定すればするほど、過去が暴かれ、プライバシーが晒されていき…。電子書籍を単行本化。

 浮気淳弥(28)は、佐藤昌紀(25)と漫才コンビ「スレンダーズ」を組んで3年の売れない芸人。ある朝、目覚めた浮気は、SNS上に自分がひき逃げ犯だという噂が広がっていると知る。6歳の女の子がひき逃げされた悲惨な事件が時効を迎えようとしており、ネット民は怒り狂っていた……。「俺は関係ない」と否定すればするほど、過去が暴かれ、プライバシーが晒されてゆく。人生を取り戻すなら犯人を見つけるしかない! 炎上や個人攻撃のメカニズムを赤裸々に暴き出す、迫真のジェットコースター・エクスペリエンス!

 本書は、SNSで糾弾されることの怖さを描いたサスペンス。主にツイッターで「こいつが殺人犯だ」と騙られてしまった若手芸人が、プライバシーが晒され、自宅やアルバイト先も特定され、実家や家族の写真も晒されるネットの怖さが物語となっていますが、文章や描写は荒いものの、エンタメとしては面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月26日

『彩無き世界のノスタルジア』行成 薫

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彩無き世界のノスタルジア [ 行成 薫 ]
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 両親を殺され逃げてきた少女・彩葉と、裏社会で生きる「交渉屋」の男キダ。ひょんなことからふたりの共同生活がはじまり、それは孤独な男の運命を変えていき…。「名も無き世界のエンドロール」続編。

 過去を捨て、裏社会で生きる「交渉屋」のキダ。キダに仕事を発注、交渉時に使用する銃器や爆発物を調達するなど、表向きの輸入代行業とは別に裏稼業を営む会社「川端洋行」に、ある日両親を殺されたという少女・彩葉(いろは)が訪れる。その子の世話を押し付けられたキダは彩葉を匿うことになり、奇妙な共同生活がスタートする。彩葉と暮らすうち、孤独に暮らしていたキダの世界に鮮やかな色が満ちていく。しかし、その裏で蠢く影が、次第にキダを飲み込もうとしていた。やがて明らかになる彩葉の真実とは……。

 本書は、前作『名も無き世界のエンドロール』の結末から5年後の物語。映画「レオン」を彷彿とさせる作品で、徐々に人間としての色彩を取り戻していく主人公の姿が良かったです。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月25日

『いつの空にも星が出ていた』佐藤多佳子

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いつの空にも星が出ていた [ 佐藤 多佳子 ]
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 高校の先生、家業の電気店を継いだ若者、少年野球のピッチャー、洋食店のシェフ…。一見つながりのない人たちを結んでいる、強くてまっすぐな気持ち! 熱くてかぎりなく純粋な、人生と応援の物語。『小説現代』掲載を書籍化。

 物静かな高校の先生、予備校に通う女子高生、家業の電気店を継いだ若者、少年野球のピッチャー、洋食店のシェフ……つながりのない人たちを結んでいる、強くてまっすぐな気持ち! なにかを心から「好き」でいる、すべての人へ贈る爽快な感動!!

 本書は、プロ野球の横浜大洋ホエールズから現在の横浜DeNAベイスターズに至る球団の実際の歴史を縦軸に、各時代を見届けていたファンの群像劇を描いた短編集。優勝した98年とその前年に青春を過ごした10代男女の物語や、優勝直後の低迷でいわゆる暗黒期となる2000年代も応援を続ける人たちの物語、そして2010年代後半の物語…など、横浜ベイスターズを応援する人達を描いた作品で、ファンの熱い想いも伝わる物語です。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月24日

『アンダードッグス』長浦 京




 裏金作りに巻き込まれて全てを失った元官僚の古葉慶太は、イタリア人大富豪に世界を揺るがす計画を託される。それは“負け犬”仲間たちとチームを組み、香港の国家機密を奪取するもので…。『小説 野性時代』連載を単行本化。

 本書は、元官僚の証券マンの主人公が顧客の大富豪から国家機密を強奪する計画を託され、中国返還前の香港に渡り、国籍バラバラのアンダードックスの仲間たちと共に計画を実行していくミステリ。大国相手の騙し合いや裏切りなど、スピード感ある展開も含めて、アクション映画を見ているような感覚で、エンタメとして面白い作品でした。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月23日

『あかり野牧場』本城雅人

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あかり野牧場 [ 本城雅人 ]
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 北海道の小さな牧場が生んだ競走馬キタノアカリ。無敗のG1挑戦に、町全体がそわそわ、大騒ぎ。陰で笑われやっかまれ、肩身が狭くなろうとも、牧場主の灯野摂男はダービー制覇の夢を見続ける…。『優駿』連載に加筆修正。

 家族経営の零細牧場「あかり野牧場」で生まれた一頭の馬は、「北の大地に灯りがともれば」との願いを込めて、キタノアカリと名付けられた。中央競馬デビュー以来、圧倒的着差をつけて連勝し、いよいよG1に挑む。広大な町の狭いコミュニティーは、アカリの話題で持ちきりだった。町全体がそわそわ、ワチャワチャ大騒ぎ。陰で笑われやっかまれ、肩身が狭くなろうとも、牧場主の灯野摂男は、ダービー制覇の夢を見続けた。大牧場が席捲するGT戦線で、世代7000頭超の頂点に立つことなどできるのか? 牧場を営む家族、馬産地の仲間たち、崖っぷちの騎手……多くの想いを背に乗せて、希望の灯りがターフを駆ける。

 本書は、北海道の家族経営の小さな牧場の生産馬がG1レースでの勝利を目指す中での周囲の人間模様を描いた作品。生産者、調教師や騎手の視点から人間ドラマとしてもしっかりと描かれており、生産馬への愛情、地方ならではのやっかみなど、かなりリアルな描写で、日本ダービーのレースの興奮も伝わる感動作で、競馬ファンにはオススメの一冊です!

【満足度】 ★★★★☆
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2021年03月22日

『問題発見力を鍛える』細谷 功

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問題発見力を鍛える (講談社現代新書) [ 細谷 功 ]
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 何が起こるかわからないVUCAの時代を生きる人間に必要なのは、問題を発見する力。思考法の第一人者による、前向きな脳の使い方のレッスン。問題発見のためのさまざまなものの見方、考え方を解説する。

 「2月と8月はものが売れない」「アメリカで流行ったことが1年遅れて日本で流行る」よく言われるこんな「ビジネスの常識」を貴方は疑ったことがありますか? 「そんなの常識だよ」とわかったふりして思考停止していませんか? デジタルの進化と新型コロナ問題で、もはや何が起こるかわからない、いままでの常識が通じない時代(VUCAの時代というそうです)が一気にやってきました。これに立ち向かうには自分の頭で考えて、問題・課題を発見する能力が不可欠です。あの『ノートの魔力』で絶賛された『具体と抽象』はじめ、「アナロジー思考」「メタ思考」などを平易に解説したビジネス思考法のベストセラーを書いてきた著者が、「問題発見力」を切り口に、様々な思考法を解説します。

 本書は、すでにある問題の解決を行うのではなく、解くべき問題を発見することができる能力が大切であることを解説したもの。先の見えないVUCAの時代だからこそ、与えられた課題を解決するのではなく、解決すべき問題を発見する力が必要になってくるでしょうし、その問題を発見するための視点について考えさせられる一冊でした。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月20日

『身近な人が亡くなった後の遺品整理』奥村 拓

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身近な人が亡くなった後の遺品整理 [ 奥村 拓 ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2021/3/20時点)




 遺品整理を行うときに、疲れず、時間をかけすぎず、価値があるものを捨てずにすむようにするためのポイントをわかりやすく解説する。遺品整理業者選びのチェックポイントも収録。

 価値あるモノの見分け方、遺品整理業者の選び方と上手な依頼の仕方、後悔しない遺品整理のポイント、遺品を1円でも高く売る方法、できるだけ遺品を捨てない方法など、遺品整理についての一から十までをプロの視点から紹介!

 本書は、遺品整理についてをまとめた一冊。身近な人が亡くなったとき、遺された家族は悲しむ間もなくさまざまな手続きに追われます。そのひとつが「遺品整理」で、「遺品整理は引っ越しの3倍は大変」とも言われており、作業量の面でも、費用の面でも、「こんなにコストがかかるとは思わなかった」と感じる方が多いようで、「いつから遺品整理をはじめればいいのか?」「具体的にどのような手順で進めるのか?」「価値のあるものの見分け方は?」など遺された家族が知りたいことを解説しており、遺族となった方、なる可能性のある方に寄り添う一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月19日

『みんなで一人旅』遠藤彩見

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みんなで一人旅 (集英社文庫(日本)) [ 遠藤 彩見 ]
価格:748円(税込、送料無料) (2021/3/19時点)




 トラブル続きの一人旅。悪夢のような出張。悩ましい親孝行旅。ままならない旅路の果てに待ち受ける、予想外の結末とは…。ほろ苦くて切ない大人の旅を描く。全7編を収録。『web集英社文庫』『小説すばる』掲載を文庫化。

 30歳にして初めての海外、しかも傷心旅行。不安な佳乃子は“お一人様限定ツアー”に参加し、憧れのイタリアの地へ降り立つが…。憂鬱な社員旅行。トラブル続出の一人旅。悪夢のような出張。悩ましい親孝行旅。幸せという目的地に着くための方法は、きっと一つではない…。ままならない旅路の果てに待ち受ける、予想外の結末とは。ほろ苦くも温かい、大人の旅物語7編。

 本書は、旅の途中で出会う様々な人生の場面を描いた7つの短編集。味わいの違う7つの物語はそれぞれに楽しめ、大人のほろ苦い事情、裏切りや後悔など、それぞれのドラマが楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月18日

『湖の女たち』吉田修一

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湖の女たち [ 吉田 修一 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2021/3/18時点)




 琵琶湖近くの介護療養施設で、100歳の男が殺された。刑事と容疑者、出会うはずのない男女の人生が交差する。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ね…。『週刊新潮』連載を加筆し単行本化。

 琵琶湖近くの介護療養施設で、100歳の男が殺された。捜査で出会った男と女…謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった2人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが…。昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。

 本書は、介護老人施設で人工呼吸器を装着していた高齢男性が何者かに殺害され、介護療養施設職員を追い詰め犯人に仕立てようとする警察、昔の事件を追うジャーナリスト、施設職員の女性と刑事……と、様々な人物が複雑に交差する物語。人間の罪や狂気、そして絡み合う愛情を著者ならではの作品に仕上げており、読み応えも十分。不完全燃焼のラストが今一つではあったのが残念でしたが、面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月17日

『半グレ 反社会勢力の実像』NHKスペシャル取材班




 暴対法を潜り抜ける“つかみどころのない悪”半グレとは何か。成立から具体的事件まで当事者の肉声を基に炙り出し、その正体に迫る。「NHKスペシャル」を書籍化。

 「自分はきっちりやっていたから、絶対に捕まらない」。暴力団のように、特定の事務所を持たず、常に離合集散を繰り返し、犯罪ごとにメンバーが入れ替わる。時には一般人として普通に暮らし、必要に応じて犯罪に手を染める。暴対法を潜り抜ける“つかみどころのない悪”半グレとは何か。その正体に迫るため、成立から具体的事件まで、当事者の肉声を基に炙り出す…。「NHKスペシャル」待望の書籍化!!

 本書は、暴力団の陰で非合法活動を行う「半グレ」に迫ったNHKスペシャルを書籍化したもの。詐欺の末端で働いた沖縄出身の若者、大阪ミナミで活動する半グレのリーダー、弁護士や政治家にもつながる元半グレの経営者の取材などは読み応えがあり、今の社会の暗部が取り上げられています。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月16日

『盆踊りの戦後史 「ふるさと」の喪失と創造』大石 始




 人が集まり、音頭にあわせて踊る「盆踊り」は、楽しいだけでなく人や地域にとって大切な役割を持ち、その役割も時とともに変化してきた。盆踊りを通して日本の地域コミュニティの変遷を見つめ、その未来を考える。

 盆踊りは、戦後大きく形を変えてきた。敗戦、高度経済成長、ニュータウンの造成、バブル、東日本大震災、地域の高齢化・過疎化、そしてコロナ禍…。人が集まり、音頭にあわせて踊ることは、楽しいだけでなく、人や地域にとって大切な役割を持っている。そして、その役割も時とともに変化してきた。盆踊りを通して、日本の地域コミュニティの変遷を見つめ、その未来を考える。 本書は、戦災・震災後の鎮魂の盆踊り、団地の盆踊り、野外フェスのような盆踊り、コロナ禍の盆踊り…など、盆踊りを通して戦後日本の変遷を見、その未来も考える一冊。戦後日本社会やコミュニティの変遷も見える内容で、伝統行事であると同時に、地域のコミュニティー活動でもある盆踊りが古くから担ってきたものについて、改めて考えさせられます。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月15日

『避難所に行かない防災の教科書』西野弘章

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避難所に行かない防災の教科書 [ 西野弘章 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2021/3/15時点)




 強烈な台風や大地震などでも「逃げなくていい家」をテーマに、家族を守る家をDIYで実現する方法、停電や断水等とうまくつきあいながらストレスなく避難生活を送るためのノウハウを、写真やイラストを豊富に使って紹介する。

 著者は、2019年の台風15号と19号で、自宅の千葉県・富津市で、2週間にわたるライフラインの断絶を経験。電気などのライフラインを自給し、自身が被災者であるにも関わらず、周辺の家々を修理し、知人から集まった物資の配布、炊き出しや食料を配布するなどして、周囲の被災者を助けることができた経験で見えてきた、被災時に必要なノウハウや道具、備えを、誰にでも真似できる形に体系化したのが本書です。ベランダ発電所のつくりかたや雨漏りの補修などの応用的な内容も、写真や図解でわかりやすく紹介しており、まさに「避難所に行かない防災」対策として参考になる一冊です。

【満足度】 ★★★★☆
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2021年03月13日

『人は話し方が9割』永松茂久

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人は話し方が9割 [ 永松茂久 ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2021/3/13時点)




 話し方をちょっと変えるだけで、仕事もプライベートも大きく好転する! 「あなた」を多用して自分のファンを作る、肩書き・立場によって話し方を変えないなど、楽しく会話できる「とっておきの秘訣」を紹介する。

 本書は、コミュニケーションの基本である会話がうまくいくようになる、ちょっとした、でも多くの人が気づいていないエッセンスについてまとめたもの。その本書の中では、会話がうまくなる方法について、「苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やす」ことが書かれていますが、相手を否定せず、自分自身も否定しないで、相手の立場で考えることの大切さが書かれています。人前で話す機会もあるものの、スムースな話し方ができるポイントも幾つか書かれており、参考になる内容でした。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月12日

『本当は危ない国産食品 「食」が「病」を引き起こす』奥野修司




 「国産食品だから安心、安全」というのは嘘である。実は日本では一部の農薬の規制が世界的に見ても緩く、それらが残留した食品が病を引き起こすのだ。農薬の驚くべき毒性について紹介する。『週刊新潮』連載を加筆・改編。

 「国産食品だから安心、安全」というのは嘘である。実は日本では一部の農薬の規制が世界的に見ても緩い。それらが残留した日本茶、野菜、果物、コメ、パン、パスタなどを私たちは日常、口にしているのだ。研究者たちが指摘するのは、肥満、アレルギーのみならず、脳の萎縮、自律神経の失調、神経伝達の異常、発達障害など、数々の重大なリスクである。最新の科学データと緻密な取材をもとに、大宅賞作家が警鐘を鳴らす問題作。

 本書は、残留農薬の危険性が主に書かれた一冊。世界が農薬を規制することに向かう中、日本はアグリ企業から要請を受けたアメリカ政府の指示を受けて規制緩和をするという真逆の方向に向かっていますが、食の安全を考えさせられる内容です。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月11日

『「日本の伝統」の正体』藤井青銅

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「日本の伝統」の正体 (新潮文庫) [ 藤井 青銅 ]
価格:649円(税込、送料無料) (2021/3/11時点)




 「日本の伝統」はいつ、いかにして創られ、私たちはどのようにして、受け入れてきたのか。初詣、神前結婚式、恵方巻、大安・仏滅、三世代同居など、さまざまな「伝統」を取り上げ、その成り立ちなどを明らかにする。

 その伝統、本当に昔からあった? お正月の定番「初詣」も「重箱おせち」も、実は私鉄や百貨店のキャンペーンから生まれた新しい文化。喪服は黒、土下座が謝罪のポーズになったのも実はごく最近。行事・風習・食生活……日常のいたるところに潜む、一見それらしい“昔からのしきたり”や“和の心”の裏側には、面白エピソードが盛りだくさん。楽しく学べるベストセラーに大幅増補。待望の文庫化。

 本書は、初詣、お節料理、伝統芸能、神社仏閣など、日本の伝統の歴史を調べ、その成り立ちを紹介したもの。日本の伝統的なものだと感じていることも、実は文化として定着してそれほど年数が経っていないことが結構あるということも分かりましたし、雑学としても興味深い内容でした。

【満足度】 ★★★★
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2021年03月10日

『ニキ』夏木志朋

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ニキ (一般書 292) [ 夏木 志朋 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2021/3/10時点)




 高校生の田井中広一が、唯一人間的な関心を寄せた美術教師の二木良平。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、取引をもちかけ…。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描いた青春小説。

 高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける……。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。

 本書は、2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。物語は、生きづらさを抱えた高校生と美術教師の奇妙な関係を描いた作品。主人公の背景にあるマイノリティの生きづらさや、自分を好きでいるための行動など、登場人物の心理描写が巧みで、マイノリティに対して考えさせられ、爽やかなラストも良かったです。

【満足度】 ★★★★
ラベル:夏木志朋 ニキ
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2021年03月09日

『地方を生きる』小松理虔




 いま、余白がある「地方」にこそ可能性が広がっている。福島県いわき市を拠点とする活動家がこれまでの活動や取り組み、そこで出会った人たちの興味深い活動などを紹介しつつ、地方で生きるとはどういうことなのかを語る。

 いま地方にこそ可能性が広がっている。これまでと違った視点でみれば、新たな魅力と課題が浮かんでくる。仕事、暮らし、苦労などローカルな生き方をお伝えします。

 本書は、福島県いわき市小名浜にUターンした著者ならではのローカル論。ウェブマガジンを制作したり、オルタナティブスペースを運営したり、大小様々なイベントを企画したり…と、著者の行動力に驚かされますが、地方の特色を活かし、様々な可能性を模索しながら、色々と取り組んでいく姿勢には共感を覚えます。生きることに面白がって、主体的な何かを始める大切さを感じる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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