高齢者介護施設で働くメイはある日、利用者の撲殺死体を発見した。五人が犯人と思しき人物を目撃するが、犯人の服の色についての証言は「赤」「緑」「白」「黒」「青」と、なぜかバラバラ。さらに、凶器も見つからず…。
介護施設・あずき荘で働く、メイこと明治瑞希はある日、利用者の撲殺死体を発見する。犯人を目撃したのは、同じく利用者である5人の老人。しかし、犯人の服色は「赤」「青」「白」「黒」「緑」と、なんとバラバラの5通りだった! 同じ部屋から目撃したのに、なぜ証言が食い違うのか? ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている相手に犯人の容疑をかけられる。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として事件解決に乗り出すことになるが……。
本書は、第30回鮎川哲也賞受賞作。介護施設を舞台に、利用者の殺人事件、目撃証言による犯人の服装がバラバラで一致しない謎に新人介護士が挑むミステリですが、ライト感覚で読めるミステリで、ユーモアも交えて読みやすい物語でした。
【満足度】 ★★★★