日本兵1万人がいまだ行方不明という、「硫黄島の戦い」の謎。滑走路下にいるのか、それとも…。新聞記者が、民間人の上陸が原則禁止された硫黄島に4度上陸し、日米の機密文書も徹底調査。執念でたどりついた真実を明かす。
僕は、硫黄島発の電報を受けた側にいた父島の兵士の孫だった。『祖父の戦友とも言える戦没者の遺骨を本土に帰したい』13年前に一念発起し、政府派遣の遺骨収集団への参加を模索し続け、ようやく参加が認められたのだった。僕の心には、あの電報があった。『友軍ハ地下ニ在リ』硫黄島の兵士たちは今も地下にいて、本土からの迎えを待っているのだ。電報を信じ、地を這うように玉砕の島の土を掘りまくった。結果、僕はこれまでにどの記者も挑まなかった謎の解明に、執念を燃やすことになった。その謎とは……。
本書は、硫黄島に4度渡り、日米の機密文書等を徹底調査した成果をまとめたもの。北海道新聞の記者でもある著者は、戦時中に小笠原諸島・母島の警備隊兵士だった祖父の軍隊手帳を見たのを機に、硫黄島に関心を持ち、新聞記者としてでなく「母島の兵士の孫」として、派遣団の一員として硫黄島に渡れる機会を得て、遺骨の収集作業に今も当たっています。北海道新聞社での著者のオンライン記者トークにも参加させていただき、貴重な資料や硫黄島の派遣団の現実など、実際に体験した人でなければ分からない話も聞かせていただきましたが、本書では知られざる様々な真実についても書かれており、著者の熱い想いが伝わる内容でもあり、多くの人に硫黄島の現実を知ってほしいとも思います。
【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 19:16|
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