ひとは誤ったことを訂正しながら生きていく。哲学の魅力を支える「時事」「理論」「実存」の三つの視点から、現代日本で「誤る」こと、「訂正」することの意味を問い、この国の自画像をアップデートする。
保守とリベラルの対話、成熟した国のありかたや老いの肯定、さらにはビジネスにおける組織論、日本の思想や歴史理解にも役立つ、隠れた力を解き明かす。それは過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現実に合わせて変化する力―過去と現在をつなげる力です。持続する力であり、聞く力であり、記憶する力であり、読み替える力であり、「正しさ」を変えていく力でもあります。そして、分断とAIの時代にこそ、ひとが固有の「生」を肯定的に生きるために必要な力でもあるのです。
本書は、現代日本で「誤る」こと、「訂正」することの意味を問い、この国の自画像をアップデートする必要性をまとめたもの。硬直化した保守とリベラル、ダイパ、コスパばかり持て囃される風潮に一石を投じる論考であり、内容は多岐に渡って深く考えさせられた一冊です。
【満足度】 ★★★★