巨大地震が発生。地下の危険地帯に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。崩落と浸水で救助隊の進入は不可能で、およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれしまう。運命はドローンを操るハルオの指先に託され…。
事故で、救えるはずだった兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから災害救助用ドローンを扱うベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)として活動する中川博美だった―。崩落と浸水で救助隊の進入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。無音の闇を彷徨う要救助者の女性と、過去に囚われた青年。二人の暗闇に光は射すのか…。
本書は、超難関の救出作戦を描いた作品で、IT技術を結集させた地下都市を巨大地震が襲い、目が見えず耳も聞こえず、話せないという3つの障害のある女性が取り残される。がれきや火災で救助隊の進入は不可能で、浸水により救助までのタイムリミットは6時間。次々と不測の事態に襲われながら、危機的状況に置かれた女性をいかに救うかを描いた物語。冒頭から緊迫感ある展開が最後まで続き、巨大地震で地下水による浸水が迫るなか、ドローンビジネスを手掛ける企業に勤める主人公を始めとする救助チームがドローンを使って、スリリングな救出劇を展開します。救助を進める中で、様々な困難や疑惑なども起きる中、ラストの展開はとても良く、できればぜひ映像化してほしい作品です。
【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 19:08|
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