2024年06月29日

『ルポ 海外出稼ぎ 「安いニッポン」から「稼げる国」を目指す若者たち』NHK「クローズアップ現代」取材班




 上がらぬ賃金、円安と世界インフレ、社会の閉塞感の中、日本に見切りをつけ海外へ出稼ぎに行く若者や外国人労働者が増えている。彼らの本音に迫り、日本の課題を探る。NHK「クローズアップ現代+」の放送内容を元に書籍化。

 上がらぬ賃金、円安と世界インフレ、社会の閉塞感…。「日本離れ」が始まった若者や外国人労働者たちの本音に迫った渾身ルポ。SNSで話題沸騰の番組を完全書籍化!日本に見切りをつけた若者たちのリアル。

 本書は、同タイトルでNHK「クローズアップ現代」での放送内容をまとめたもの。永住者も含め海外に長期滞在する日本人はおよそ130万人で、この20年で6割増加しており、背景の1つとして指摘されているのが若者たちの日本離れとのこと。期間限定で働けるワーキングホリデービザなどを利用して海外でアルバイトとして働き始め、それをきっかけに就労ビザを取得して定職に就いたり、さらには永住権を取得するケースも増えており、「日本の倍は稼げる」という海外出稼ぎの実態を取材しまとめており、今後の日本の大きな問題や課題についても取り上げています。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月28日

『夜行列車盛衰史 ブルートレインから歴史を彩った名列車まで』松本典久




 あさかぜ、はやぶさ、北斗星、明星、銀河、ムーンライトながら…。1世紀以上の長期にわたり、人々の足として重要な使命を担ってきた「夜行列車」。生い立ちから現状までその盛衰の歴史を振り返る。

 ブルートレインを筆頭に、かつて津々浦々を走り回った夜行列車。経済発展を支える足として夜行列車は増加しつづけ、特急を補完した夜行急行、快速・普通列車も数多く走っていた。しかし70年代以降徐々に減少、「北斗星」など豪華列車も登場したものの現在、定期列車は「サンライズ」のみという絶滅寸前状態だ。今後、夜行列車に再生の可能性はあるのだろうか。夢と希望を乗せて日本中を走った夜行列車130年の全歴史。

 本書は、鉄道史に名を残した名列車を振り返りながら、人々に愛されながらも消えていった夜行列車の歴史130年をたどる一冊。本書で書かれる夜行列車は、いわゆる寝台特急のみならず、夕刻から翌日の朝まで運行する鈍行列車も含めた、全ての夜行列車の歴史を通史として時系列で紹介しているもので、夜行列車の登場から寝台車の登場、寝台の形式や利用方法やサービスの内容など、鉄道ファンならずとも興味深く読める内容となっています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月27日

『夜明けのはざま』町田そのこ

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

夜明けのはざま (一般書 442) [ 町田 そのこ ]
価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/6/27時点)




 地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝う花屋…。死を見つめることで、自分らしさと生への葛藤と決意を描く。『季刊asta』連載に加筆修正。

 地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺れる中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦…。死を見つめることで、自分らしく生きることへの葛藤と決意を力強く描きだす、本屋大賞受賞作家、新たな代表作!

 本書は、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」を舞台に、その斎場をとりまく人物たちによる連作短編集。仕事か結婚かに悩む葬儀場スタッフ、夫とうまくいかなかったシングルマザー、学生時代に自分をいじめていた加害者と再会した青年……「身近な人の死」という避けられない現実と向き合うことで、初めて他者、そして自分自身に立ち向かっていく登場人物たちの姿が描かれ、自分らしく生きることの葛藤と決意が物語となっています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月26日

『もしも世界からカラスが消えたら』松原 始

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

もしも世界からカラスが消えたら [ 松原 始 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/6/26時点)




 カラスがいないと生態系や人間社会、都市環境はどうなるのか? カラスを愛しすぎている鳥類学者が、ただの空想ではなく、膨大な資料や考察をもとに展開するサイエンス・フィクション。

 不本意ながら、嫌われ者のカラスをこの世から消してみました。カラスがいないと人間社会や生態系はどうなる?カラス学者が占うSFな未来。カラスを愛しすぎている鳥類学者がカラス寄りの目線で挑んだ新境地…はたして結末は!?

 本書は、嫌われ者のカラスが生態系や人間の生活に果たす意外な役割を動物行動学の研究者が紹介した一冊。カラスだけじゃなく、鳥類やその他動物の豆知識も豊富で、カラスが絶滅した世界、カラスがそもそも存在しなかった世界、二つのカラスが消えた世を空想する内容となっていますが、カラスの代わりを探すことで他の種の事を知ることができ、改めて生態系や人間社会を考えざせられました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月25日

『ヘンな信号機』丹羽拳士朗

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ヘンな信号機 [ 丹羽拳士朗 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/6/25時点)




 やたら灯火の数が多かったり、歩灯の人形が消えていたり、矢印がクルンと丸まっていたり…。固定観念を吹き飛ばす「ヘンな信号機」の数々を紹介する。信号機の基礎知識も解説。

 赤だったら「止まれ」、青だったら「進んでもよい」。子供からお年寄りまで誰もが目にし、その意味を知っている交通信号機。だが、中にはそんな信号機の固定観念を吹き飛ばすような“ヘンな”信号機があるのだ。やたら灯火の数が多かったり、歩灯の人形が消えていたり、矢印がクルンと丸まっていたり…。ディープな「信号機趣味」の世界に足を踏み入れてみよう!

 本書は、全国各地の様々な「ヘンな信号機」を写真と共に紹介した一冊。歴史や文化、地理的なものも含め、見たことがない信号機ばかりでとても興味を惹かれます。色々な信号機ばかりを集めたマニアックな内容ですが、信号機の写真を見ているだけでも楽しいです。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月24日

『板上に咲く』原田マハ




 1924年、画家ゴッホへの憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。しかし、絵を教えてくれる師も、画材を買うお金もなく…。棟方と苦楽を共にし支えた妻・チヤの無尽の愛と激動の時代を描くアート小説。

 1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていく……。墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。感涙のアート小説。

 本書は、ゴッホに憧れた青年、棟方志功が青森から上京し、絵を教えてくれる師もおらず、材料を買うお金もないところから、世界のムナカタになるまでの軌跡を描いたアート小説。妻チヤの視点から波瀾万丈の創作の軌跡を描いた異色作で、夫婦愛に満ちた半生が描かれます。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月22日

『ファラオの密室』白川尚史

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ファラオの密室 [ 白川 尚史 ]
価格:1,650円(税込、送料無料) (2024/6/22時点)




 紀元前1300年代後半、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻り、自分が死んだ事件の捜査を進めるが…。

 紀元前1300年代後半、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。セティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな事件に直面する。棺に納められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室から消失したというのだ。これは、唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王が葬儀を否定したことを物語るのか?タイムリミットが刻々と迫るなか、セティはミイラ消失事件の真相に挑む!

 本書は、第22回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。物語は古代エジプトを舞台に、期間限定で蘇ったミイラが探偵役となり、ピラミッドの密室の謎を解く…という驚きの設定のミステリでしたが、エジプトの世界観を上手くミステリに活かした展開です。謎解きは少々物足りなさを感じたものの、歴史と推理とファンタジーを上手く融合させていて面白かったです。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月21日

『二人キリ』村山由佳

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

二人キリ [ 村山 由佳 ]
価格:2,310円(税込、送料無料) (2024/6/21時点)




 脚本家の吉弥は、少年時代に阿倍定事件に遭遇。以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだす…。『小説すばる』連載を加筆・修正。

 その女は愛する男を殺し、陰部を切り取り逃亡した…。脚本家の吉弥は、少年時代に阿部定事件に遭遇。以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。幼なじみ、初恋の人、初めての男、芸妓屋に売った女衒、更生を促した学校長、被害者の妻、そして、事件から三十年が経ち、小料理屋の女将となっていた阿部定自身…。それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだす…。昭和の猟奇殺人「阿部定事件」。何が彼女をそうさせたのか?性愛の極致を、人間の業を、圧倒的な筆力で描き出す比類なき評伝小説。

 本書は、昭和史に残る猟奇殺人事件を起こした阿部定の生涯を題材に、その内面に迫った評伝として描いた作品。阿部定の生い立ちから事件を起こすまでとその後を、被害者である吉蔵の息子が、様々な人たち野証言を聞き取っていくことで、事件の真相に迫っていき、阿部定本人との交流も描かれますが、どこまでが事実でどこからが創作なのかがわからなくなるほど、読み応えがありました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月20日

『ブレイク』真山 仁

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ブレイク [ 真山 仁 ]
価格:2,035円(税込、送料無料) (2024/6/20時点)




 若手議員の仁科良一は、地熱発電の普及に燃えていた。そんな中、仁科が推進していた大規模地熱発電所の開発が凍結。その裏には巨大なエネルギー利権をめぐる策謀があり…。『小説野性時代』掲載に書き下ろしを加え単行本化。

 エネルギーの新時代を予言する政治経済小説の最高峰!脱炭素、脱原発が叫ばれる現代。若手議員の仁科良一は、安定した再生可能エネルギーである地熱発電の普及に燃えていた。そんな中、仁科が推進していた大規模地熱発電所の開発が凍結されてしまう。その裏には巨大なエネルギー利権をめぐる策謀があった。長年の悲願である開発を再開し、さらに、従来の地熱発電をはるかに超える夢の新技術「超臨界地熱発電」を実現させるため、仁科が繰り出した秘策とは…。

 本書は、地熱発電開発をめぐる関係者の奮闘を描いた作品。政治家、官僚、経済人、技術者といった様々な立場の人々が、日本の電力問題を救う秘策として期待される「地熱発電」開発のために奮闘する展開ですが、利権をめぐる策謀なども絡め、著者らしい作品となっています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月19日

『歩山録』上出遼平

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

歩山録 [ 上出 遼平 ]
価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/6/19時点)




 何より理屈を愛する山田が思い立った登山は、完璧な計画通りに遂行されるはずだった。山中で出会った博士風の奇怪な男の一言を発端に、山田はいつしか思いもよらない異常事態に迷い込み…。『群像』連載を加筆し書籍化。

 奥多摩から埼玉、長野の県境を歩いて山梨の北杜市へ。製薬会社勤務六年目、何より理屈を愛する男・山田が思い立った登山は、完璧な計画通りに遂行されるはず、だった…。山中で出会った博士風の奇怪な男の一言を発端に、山田はいつしか思いもよらない異常事態に迷い込む。理屈が通らない混沌の先、山田を待ち受けていた運命は…?

 本書は、上級登山者の会社員の主人公が休暇を取り準備万端整えて挑んだ山歩きが、途中から雲行きが怪しくなり、熊の痕跡に怯え、虫の大量発生、眼が無く真っ黒の異常な少年との遭遇、謎の博士との邂逅と一難去ってまた一難の幸と不幸が連続して襲い掛かり心が折れていく主人公の喜怒哀楽が描かれる作品。登山小説ではあるものの、どちらかというと幻想ホラー小説で、やや期待ハズレでした。

【満足度】 ★★★
ラベル:上出遼平 歩山録
posted by babiru_22 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月18日

『墓じまいラプソディ』垣谷美雨

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

墓じまいラプソディ [ 垣谷美雨 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/6/18時点)




 「絶対にお父さんと同じお墓には入りたくない!」四十九日の法要を目前に控え、突然明らかになった姑の遺言。騒動の行方をワクワクしながら見ていた五月だが…。『小説トリッパー』連載を単行本化。

 「絶対にお父さんと同じお墓には入りたくない!」四十九日の法要を目前に控え、突然明らかになった姑の遺言。いきなりの真実に黙り込む義父と、亡き母の希望を叶えるために奔走する義姉。騒動の行方をワクワクしながら見ていた五月だが、自分の娘たちも厄介な問題を抱え込んでいて…。面倒なことこの上ない現代墓問題。あなたならどうする?

 本書は、墓問題や夫婦別姓について、深刻な家庭事情を軽やかな筆致で描いた物語。現代事情がリアルに描かれており、年代・男女による価値観の違いや現代の墓問題に鋭く斬り込みながらも、エンタメとしてコミカルに表現されています。主要人物それぞれの視点でストーリーが展開され、日本の家制度や現代社会問題を考えさせられる内容はとても興味深く、深刻な問題を気軽に読めるエンタメとしている点も非常に良かったです。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月17日

『タピオカ屋はどこへいったのか?』菅原由一




 ラーメン屋はなぜ麺の硬さが選べるのか? コンビニの向かいになぜ同じコンビニがあるのか? ビジネスの裏側を見てきた税理士が、スモールビジネスの儲けの仕組みを漫画や図を交えて解説する。

 新規ビジネスの必携書。ゼロからでも試したくなる儲けの仕組み。年商10億企業〜インフルエンサーまで、約1万社に及ぶ「儲けの仕組み」を垣間見てきた税理士が初公開!!

 本書は、サブタイトルに「商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ」とありますが、ビジネスの裏側を見てきた税理士の著者が、日常で起きているビジネスの儲けの仕組みを、漫画と図解でわかりやすく解説した一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月15日

『糖質疲労 「疲れやすさ」と「老化」の正体』山田 悟

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

糖質疲労 [ 山田 悟 ]
価格:1,540円(税込、送料無料) (2024/6/15時点)




 食後の眠気は健康を脅かす「糖質疲労」が原因かも。「そばならOKは誤解」「マヨネーズを加えると血糖値が劇的に上がりにくくなる」など、糖質疲労を解消するための、エビテンスに基づいた「食べ方」を紹介する。

 食後の眠気は病気の始まり。唐揚げにはマヨネーズをかけるほうがいい!世界最新医学が教える食べ方。

 本書は、糖尿病専門医である著者が、最新の医学情報、エビデンスを元にした「病気と糖の関係」と「健康になる食べ方」を紹介した一冊。現代社会は糖質があふれていますが、糖質疲労を解消するための内容は参考になりました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月14日

東京ミドル期シングルの衝撃 「ひとり」社会のゆくえ』宮本みち子/大江守之




 未婚率全国トップの東京23区で進む「日本の未来」とは。社会学・人口学・都市計画の研究者チームが、35〜64歳の「都市型」自由と孤独に焦点を当て、変貌する日本社会の根底を徹底分析する。

 未婚率全国トップの東京23区で進む「日本の未来」とは。孤独担当大臣も知らない、35歳から64歳の「都市型」孤独に焦点を当てる。

 本書は、日本が超高齢社会であることは周知の事実だが、その陰で、若年期と高齢期にはさまれた年齢層、具体的にいうと35〜64歳のミドル期の一人暮らしが増加していることはあまり報じられておらず、この状態が続けば、そう遠くない将来に高齢シングル問題が起きることは確実で、東京都特別区長会調査研究機構の調査データをもとに解析されたもの。未婚率全国トップの東京23区をはじめ、ミドル期シングルの現状と課題を提示しています。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月13日

『トラディション』鈴木涼美

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

トラディション [ 鈴木 涼美 ]
価格:1,650円(税込、送料無料) (2024/6/13時点)




 表面だけ明るく、少し退屈になった街で、みんながごく個人的に病んでいく…。ホストクラブの受付で働く「私」、男に入れ込む幼なじみ。夜の世界を「生き場所」とする彼女らの蠱惑と渇望を描く。『群像』掲載を単行本化。

 ホストクラブの受付で働く「私」、男に入れ込む幼なじみ。夜の世界を「生き場所」とする彼女らの蠱惑と渇望。

 本書は、ホストクラブの受付として働く主人公から見た、夜の歓楽街に生きる男と女の実相を描いた作品、歌舞伎町の明暗を描いた物語でもありますが、ホストクラブの受付をしている女性の日常が淡々と綴られており、物語としてもう少し光と影の部分を深く掘り下げてほしかったとも思います。

【満足度】 ★★★
posted by babiru_22 at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月12日

『団長とエース』栗山圭介

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

団長とエース [ 栗山 圭介 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/6/12時点)




 1983年、甲子園で怪物と呼ばれた中京高校投手・野中徹博と応援団長・東淳之介。マウンドとアルプススタンドを通して、ふたりの友情とプライドを描く青春小説。

 80年代、甲子園で怪物と呼ばれた投手・野中徹博(元阪急ブレーブス)と応援団長・東淳之介との友情と熱狂を描く。ドキュメンタリーを超える青春小説(ザ・フィクション)。

 本書は、中京高校の怪物投手、野中徹博選手と応援団長との物語。当時の鉄拳制裁など、時代背景が感じられ、懐かしさも感じる作品でした。マウンドとアルプススタンドを通して、二人の友情とプライドが描かれ、応援団のしごきや他校とのケンカなども、今ではありえないことですが、当時の青春小説として楽しめました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月11日

『タスキ彼方』額賀 澪

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

タスキ彼方 [ 額賀 澪 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/6/11時点)




 新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原は、戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記を受け取った。箱根を走ることに命を賭けて挑み散っていった青年たちの熱い想い、青春を令和の現代と交錯させて描く。

 ボストンマラソンの会場で、とある選手から古びたボロボロの日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原。それは、戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記だった。その日記から過去を覗いた二人が思い知ったのは、美談でも爽やかな青春でもない、戦中戦後の彼らの壮絶な軌跡。そこには「どうしても、箱根駅伝を走ってから死にたい」という切実で一途な学生達の想いが溢れていた。 現代の「当たり前」は昔の人々が死ぬ気で勝ちとってきた想いの積み重ねと知った彼らは……。そして、戦時下の駅伝を調べ、追う彼らに起きた、信じられないような奇跡とは。

 本書は、現在と戦時中を行き来しながら箱根駅伝を描いた作品。箱根駅伝は今年で第100回を迎えましたが、戦時下の箱根駅伝を描く昭和パートと現代の令和パートが交錯して描かれており、戦時中、戦後の開催に尽力した学生たちの想いには胸が熱くなりました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月10日

『続きと始まり』柴崎友香

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

続きと始まり [ 柴崎 友香 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/6/10時点)




 2つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日…。別々の場所で暮らす男女3人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。『すばる』連載を単行本化。

 あれから何年経っただろう。あれからって、いつから?どのできごとから? 二つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日…。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。

 本書は、コロナ禍に見舞われている日本で別々の場所に暮らす、3人の男女を描いた作品。物語は、2020年3月から22年2月まで別々の場所で暮らす滋賀県に住む三十代後半の石原優子、東京に住む33歳の小坂圭太郎、同じく東京に住む46歳の柳本れいの男女三人の日常生活が淡々と綴られるストーリーで、それぞれの生きづらさが物語となっています。

【満足度】 ★★★☆
posted by babiru_22 at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月08日

『誰かがジョーカーをひく』宇佐美まこと

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

誰かがジョーカーをひく [ 宇佐美まこと ]
価格:2,090円(税込、送料無料) (2024/6/8時点)




 夫の暴言に耐えきれず家を出て車を走らせていた沙代子。車に乗り込んできたキャバクラ嬢・紫苑の指示で回収したボストンバッグには現金3000万円! その金は実は誘拐事件の身代金。2人は窮地を乗り切ることができるのか?

 沙代子は夫の暴言に耐えきれず、衝動的に家を出て、車を走らせていた。そこに飛びだしてきたのはキャバクラ嬢の紫苑。彼女は沙代子の車に乗り込んできて、スポーツ公園の体育館の植栽に隠されているボストンバッグの回収を命じた。中に入っていたのは、なんと現金3000万円!紫苑は金の持ち逃げを提案。この金があれば、沙代子の実家・印刷所の倒産はまぬがれる。しかし、その金は実は誘拐事件の身代金で…。暴力団に、闇の犯罪集団、想定外の連中に追われる羽目に陥った二人。異色のバディは窮地を乗り切ることができるのか!?

 本書は、平凡な主婦と行動力あるキャバクラ嬢の異色のコンビのノンストップ逃走劇。専業主婦があれよあれよと誘拐事件に巻き込まれ、偶然出会ったキャバ嬢と3000万円を持ち逃げするという展開のサスペンスですが、展開が次々と変わり、ドタバタコメディでもある内容は楽しめました。まさかの結末も爽快感ある読後で、面白い作品でした。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月07日

『父がしたこと』青山文平

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

父がしたこと [ 青山 文平 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/6/7時点)




 秘密裡に告げられた藩主の病状。失敗の許されない手術を引き受けた医師は、目付の永井重彰にとって息子・拡の命の恩人でもあった…。武士が護るべきは、主君か、家族か。胸に迫る医療時代小説。『小説野性時代』連載を書籍化。

 目付の永井重彰は、父で小納戸頭取の元重から御藩主の病状を告げられる。手術を依頼されたのは向坂清庵。向坂は麻沸湯による全身麻酔を使った華岡流外科の名医で、重彰にとっては、息子・拡の命を救ってくれた恩人でもあった。御藩主の手術に万が一のことが起これば、向坂の立場は危うくなる。そこで、元重は手術を秘密裡に行う計画を立てるが…。

 本書は、漢方医が主流の江戸時代末期、藩主の麻酔を使った手術をするために名医を守る譜代筆頭の親子の医療時代小説。江戸時代の医療を中心に譜代小藩の藩主と藩士の在り方描いた物語で、当時の医療と時代背景をうまく作品として描いています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする