ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げている。新聞記者の檜葉菊乃は理事の神林晴海に目をつける。男性優位の社会で、共に無数の理不尽に直面してきた2人の闘いの行方は…。『ジャーロ』連載を単行本化。
ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げている―衝撃的な「噂」を耳にした新聞記者の桧葉菊乃は独自の調査を始め、理事の神林晴海に目をつける。巧みに追及を躱す神林だが、突破口はそこにしかないと考え、桧葉は何度となく攻め立てる。男性優位の社会で、共に無数の理不尽に直面してきた二人。それでも敵対せざるをえない彼女たちの闘いの行方は…。
本書は、医大入試における女子学生一律減点という実際にあった出来事を題材に、真相を求める女性記者と、大学を守ろうとする女性理事の対決を中心とした物語。読み応えのある社会派ドラマの作品で、男性優位の社会で、これまで幾度となく理不尽な扱いを受けてきた二人の女性が、それぞれの矜持と揺れる思いの中で、痺れるような対決が繰り広げられる女性同士の闘いは読みごたえがありました。
【満足度】 ★★★★