2025年01月31日

『積ん読の本』石井千湖

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積ん読の本 [ 石井 千湖 ]
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 読むことの本質に迫る積ん読名人12人のインタビュー集。

 ブックレビュアーの石井千湖が、斯界の本読み12人の「積ん読」事情を探るインタビュー取材を敢行。ある者は「積ん読」こそが出版界を救うものだと熱く語り、またある者は「積ん読」にこそ書物の真の価値があるのだと断言する。写真に収められた圧巻の「積ん読」の山と、「積ん読」を語るその言葉を一読いただき、読書家諸氏におかれては、ほっとするなり、笑うなり、共感するなり、感心するなり、呆れるなりしていただきたい。

 本書は、作家や漫画家、編集者、書店主ら、名だたる各界の本読み12人に、積ん読についてどのように考え、対処しているのかインタビューし、それぞれの書斎や書庫の写真も公開したもの。12名の本棚の写真と読書環境を見るだけでも面白く、積み本の整理の仕方や積ん読の想いなど、とても興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月30日

『さいわい住むと人のいう』菰野江名




 「そこにどれほどの幸福があったのか、私たち以外、誰にもわからない。」 時代をさかのぼり紐解かれていく桐子と百合子の姉妹の人生。戦争孤児だった二人は正反対の道を選ぶこととなり、背中合わせに生きてきた。 辿り着いた先に「幸い」があると信じて……。

 ある日、豪邸に住む高齢の姉妹が二人とも亡くなった。老姉妹は、なぜこんな豪邸に二人だけで住んでいたのか…?地域福祉課に異動になった青年・青葉が紹介されたのは、大きな屋敷に住む80歳の老女・香坂桐子だった。桐子は元教師で顔が広く、町の人々から頼りにされていた。妹の百合子と二人だけで暮らしているという。物語は2024年から20年ごとに遡り、姉妹の人生が少しずつ紐解かれていく…。姉妹の人生を壮大なスケールで描いた感動作。

 本書は、戦後、一生懸命に生きた姉妹について様々な人の視点で60年間を描いた作品。高齢の姉妹が住む豪邸は戦災孤児になり拠り所失った彼女たちの夢の結晶で、戦争孤児である姉妹が見えないほどに遥か遠くの幸せを追い求める物語は心に沁みる作品でした。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月29日

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』石川伸一/石川繭子




 2055年、破壊的イノベーションで食はこう進化する。

 本書は、食の未来を「かたちが変わる」「原材料が変わる」「時空間が変わる」「食生活が変わる」と4ステージに分け、全24の食シーンを提言した一冊。介護食、災害食、肥満対応、食品ロス、代替タンパク源など、3Dフードプリンターによって可能になるであろう、未来を予想するアカデミックなSFフードテック本で、3Dフードプリンターでどのような料理が作られ、どのように世の中が変わっていくのか、その可能性を示しています。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月28日

『米ビジネス』芦垣 裕

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米ビジネス [ 芦垣裕 ]
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 全国の農家を渡り歩いたお米のプロが教える、ビジネスパーソンが知っておきたい「教養としてのお米」

 米農家の3代目でお米マイスターのプロが教える、楽しく読める米の教養書です。この本を読めば、美味しいお米の食べ方から、米ビジネスのトレンドまで幅広く押さえることができます。

 本書は、製造から加工、小売、美味しいお米の食べ方など、米屋の店主である著者が「お米の教養」を紹介する内容で、「なぜコシヒカリは日本一有名なお米になったのか」「産地によってコシヒカリの味は違うのか」「なぜ無洗米は洗わなくてもいいのか」「精米で変わるお米の栄養価と味」「お米の値段はどうやって決まるのか」「稲作の最新テクノロジー」「驚きの進化を遂げるパックライス」など、米の雑学や知識を幅広く紹介しています。

【満足度】 ★★★★
ラベル:芦垣 裕
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2025年01月27日

『海賊忍者』諏訪宗篤

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海賊忍者 [ 諏訪 宗篤 ]
価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/1/27時点)




 伊賀忍者・向井正綱は、甲賀衆に襲われている市女笠の少女を助ける。少女―雪姫は、伊勢の戦国大名・北畠具教の愛娘。織田信長の子・茶筅丸への輿入れが決まっていたが、不本気な婚礼を嫌い、織田家の非道を京の幕府に訴え出ようとして狙われたのだった。「北畠を、伊勢を、お助けください!」姫君の懇願を聞き入れた正綱。山野を駆け滄海を渡り、甲斐の武田を引き入れ熊野水軍をも動かす。敵は信長。織田の大軍との大勝負が、はじまる…!

 本書は、第15回小説野性時代新人賞受賞作。物語は伊勢志摩を舞台に、伊賀忍者で志摩海賊の主人公が、伊勢の戦国大名北畠氏の姫君を救い、織田信長を敵に回して、甲斐の武田を引き入れ、熊野水軍を動かす時代活劇。戦国時代後期の実在の人物・向井正綱の史実を活かし、エンタメとして楽しめる作品で、まさに海賊忍者の活劇は読みごたえがありました。

【満足度】 ★★★★☆
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2025年01月25日

『籠の中のふたり』薬丸 岳

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籠の中のふたり [ 薬丸 岳 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/1/25時点)




 孤独な弁護士と人殺しの罪を背負う男。残酷な運命と過ちを知り、それでも友達でいたいと思う。二人は「過去」という「籠」から羽ばたけるのか。著書25作目、もっともハートフルな長篇ミステリーの誕生!

 弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るい亮介と交流することで人として成長していく。だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、自身の出生に関わる衝撃の秘密を知る。二人は全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのか……。

 本書は、孤独な弁護士と人殺しの罪を背負う男に芽生える友情を描いた作品。ミステリ仕立ての人間ドラマの物語で、登場人物の人間関係が入り組んでいるものの読みやすく一気に読まされました。自責の念に苦しめられながらも、誰かの為に生きようと必死に前を向く姿は印象に残り、伏線回収も良かったです。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月24日

『思えばたくさん呑んできた』椎名 誠

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思えばたくさん呑んできた [ 椎名 誠 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2025/1/24時点)




 あたまもグラスも地球をかけまわる。青春時代の酒盛りからコロナ禍の一人酒まで、酒と肴まみれの極上酩酊エッセイ!

 ただもう、うまい酒を求めて……飲んで飲んで飲みまくる!流木焚き火を囲みヒミツのキャンプ地で、新宿の地下の暗闇酒場で、銀座の屋上で、沖縄の離島で、台湾で、スコットランドで、シベリアで…国内外での酒まみれの歳月をつづる。二十歳の頃の極貧酒時代から、コロナ禍での一人ザケの愉しみまで、酒、酒、酒…のシアワセ。シーナと酒の魅力にどっぷりと浸かる一冊!

 本書は、著者らしいお酒のエピソードを盛り込んだエッセイ集。5つの章に分けられていて、「海釣りと焚き火酒」「酒と青春」「ビール礼讃」「コロナと家飲み、近場飲み」「人生いろいろ、酒もいろいろ」…と、国内外での酒まみれの歳月は面白かったです。

【満足度】 ★★★☆
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2025年01月23日

『ウマの科学と世界の歴史』リュドヴィク・オルランド




 サイエンスミステリーのような壮大な謎解き。DNAが解明した世界的な発見!家畜ウマの起源、古代ウマ、アラブウマ、中世の軍馬、農耕馬、荷馬、競馬のサラブレッドなど、ウマのすべてがわかる金字塔!

 本書は、4200年前にドン・ヴォルガ下流域で発祥した最初の家畜馬、古代ウマ、アラブウマ、中世の軍馬、農耕馬、荷馬、競馬のサラブレッドなど、世界を驚かせた発見を紹介するウマの世界史。ウマの起源から、遺伝学、生物学的な科学的視点と文明史的視点でたどるウマと人間の歴史は興味深く、4000年以上もの間、人間が手懐け征服したウマは、人間にとって最も必要であり、かつ高貴な存在で、人間の求めによって、ウマの活躍の仕方が変わって行く過程など、魅力に溢れるウマの歴史をたどっていくことで、私たちの社会がどのようなものだったのか、私たちの文化や歴史をも解き明かしていく一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月22日

『イーロン・ショック』笹本 裕




 リクルート、MTV、マイクロソフトを経てTwitterへ。「最強のCOO」が学んだイーロン・マスクの仕事術。

 最強のCOOが語る激動の日々。その時、Twitterに何が起きたのか? 一言でい言えば、「破壊」だった……。買収によりTwitter社に走った激震。リストラ、支払い停止、見えない方針。外資系企業を渡り歩いた著者がその時見たものとは?

 本書は、サブタイトルに『元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日』とありますが、Twitter Japanの社長だった著者が、イーロン・マスクによる買収完了後から退職するまでの215日のあいだに起きたこと、見たこと、聞いたことをまとめたもの。イーロン・マスクの人となりを知れたことは興味深かったですが、イーロン・マスクの改革が今後どうなるのかは少々注目しています。

【満足度】 ★★★☆
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2025年01月21日

『オーバーツーリズム 増補改訂版 観光に消費されないまちのつくり方』高坂晶子




 旅行者と住民がWin‐Winの関係を結びダメージでなくメリットをもたらす観光へ。新章追加、大幅改訂最新決定版!

 観光市場はコロナ禍後、急激に回復し、インバウンド消費は自動車に次ぐ輸出産業へと成長した。旅行者と住民がwin-winになり、地域にダメージでなくメリットをもたらす取り組み、コミュニティベースでリジェネラティブなツーリズムなど国内外の新たな動向を解説。初版から4年を経て、大幅な加筆、新章を追加した最新決定版!

 本書は、国内外の様々なオーバーツーリズムの取り組みから、観光のこれからを考察した一冊。旅行者の満足度を高め、地域が観光の利益を実感できるまちのつくり方を探る内容で、ソーシャルメディアの影響やICTを活用した対策など新たな動きを織り込み、旅行者の満足度とコミュニティの豊かさが両立する観光地のあり方については、地域活性化に繋がる取り組みにもなるだけに、地域全体で取り組むべき課題でもありますが、その課題への取り組みについては参考になりました。

【満足度】 ★★★★☆
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2025年01月20日

『アイドルホース列伝 超 1949-2024』小川隆行/ウマフリ




 永遠に色褪せない名馬たちの記憶。無傷の10連勝でダービーを制し、その17日後に急死した「幻の馬」トキノミノルから70余年。父譲りの美しい栗毛をなびかせ大レースに挑み続けたナリタトップロード、人気薄から何度も勝利を重ねた“奇跡”のステイヤー・ヒシミラクル、爆発的な末脚で二冠を達成して引退すると、わずか5年の種牡馬生活で活躍馬を輩出、早すぎる死が惜しまれるドゥラメンテ、世界ランク1位を獲得した新時代の史上最強馬イクイノックス、名手との絆で不運と挫折を乗り越えた現役トップのドウデュースなど。昭和の名馬から現役世代まで、時代を超えて愛される156頭の名馬たちの蹄跡をこの1冊に!

 本書は、昭和の名馬から現役世代まで、各年代毎に156頭の名馬を取り上げた一冊。新書サイズで、各ページ毎に名馬がわかりやすく紹介されていて、時代と名馬を様々な執筆者が紹介していて、スターホースの魅力を感じる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月18日

『荒れ地の種』江上 剛

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荒れ地の種 [ 江上剛 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/1/18時点)




 2011年の東日本大震災で津波による被害を受け、福島で200年以上続く、日本酒「福の壽」を造る矢吹酒造所も何もかもすべてが流された。地震後の原発事故により、町に住むことさえできなくなった8代目の蔵元・光は、酒蔵の再建を断念していた。そんななか、津波に襲われたときに一人の少女を救えなかったことを今でも悔やむ光が、テレビ番組の取材を受ける。その映像をきっかけに次々と若き協力者が現れ、光は再び酒造りに挑む!

 2011年の東日本大震災で津波による被害を受け、200年以上続く酒蔵を流された矢吹酒造所。地震後の原発事故によって、町に住むことさえできなくなった8代目の光は、酒蔵の再建を断念していた。津波に襲われ、一人の少女を救えなかったことを今でも悔やんでいる光だが、テレビ番組の取材を受けたことで、再建の意志を固める。

 本書は、福島の震災後12年経過し、地元の酒蔵を再建し、復興に立ち上がろうと地酒造りの人々の姿を描いた物語。物語で描かれる日本酒が「福の壽」ということから、実際に震災により被害を受けた福島県浪江町の「鈴木酒造店」の日本酒「磐城壽」がモデルなのか?と思いましたが、物語は完全なフィクション小説でした。酒造りの工程が丁寧に描かれていて、震災と復興を日本酒造りを背景に、読み応えある作品でした。

【満足度】 ★★★★☆
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2025年01月17日

『越境』砂川文次

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越境 [ 砂川 文次 ]
価格:2,310円(税込、送料無料) (2025/1/17時点)




 ロシア軍の侵攻から10年が過ぎた北海道東北部は、ロシア軍や自衛隊の残党、民兵、マフィア、ヤクザなどが群雄割拠している。日本政府「支援飛行隊」のイリキは、ヘリコプター墜落から九死に一生を得る。救ってくれたヤマガタ、アンナと共に、血なまぐさい「無法地帯」を奥へ奥へと進んだイリキの前に、ついに究極の兵器が現れる!

 本書は、芥川賞候補作となった『小隊』の続編で、自衛隊とロシア軍との激突から10年が経過し、北海道東北部がロシア軍および日ロ混成武装集団らによって占拠された北海道を舞台とした近未来小説。ロシアは国際世論の圧力の中で侵攻した部隊を反乱者として切り捨て、応戦した自衛隊も日本から見捨てられ、道東が無法地帯と化す設定はあまりにも現実味がなさすぎて、主人公の心象描写も曖昧すぎて、折角の設定が中途半端になっていたのが残念です。

【満足度】 ★★
ラベル:砂川文次 越境
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2025年01月16日

『私の実家が売れません!』高殿 円

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私の実家が売れません! [ 高殿 円 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2025/1/16時点)




 郊外築75年、大量のガラクタ、恐怖の再建築不可物件…。残された実家は超問題だらけ!!笑いと涙、前代未聞の実家じまい本!

 本書は、兵庫県郊外にある築75年・再建築不可の父の実家を、不動産仲介会社を挟まず、自力で50万円での売却に成功した著者が、実家じまいにどう立ち向かうべきかを、実体験を交えながら綴ったエッセイ。単なる家じまいのノウハウ本ではなく、家が残ったいきさつから起こったトラブルとどう解決してきたかが時系列で描かれており、実家の家の処分の体験談は興味深い内容でした。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月15日

『訳して、書いて、楽しんで エヴリシング・ワークス・アウト』村井理子




 探偵のように調べ、ワード数に泣き、文章にしびれる。仕事はつらいよ、でも楽しい!翻訳家のお仕事エッセイ。

 人気翻訳家でエッセイストの著者による、フリーランスとしての仕事論。目指す人は多いが実態が謎めいている「稼業としての出版翻訳」の世界について。出版翻訳家になるには? 出版翻訳家の仕事とは? 出版翻訳家は稼げるのか? 出版翻訳のおもしろさは? 仕事が絶えない状態になるには? キャリアの幅を広げるには? 元祖インターネット世代、ずぶの素人ながら、自作サイトでブッシュ大統領ウォッチを続け、面白い文章を書く人として注目を浴びることになった著者。やがて出版翻訳家としてデビューし、さらにはエッセイの仕事も得るようになった。振り返ると特別な才能があったのではなく、日々の努力と積み重ねが全てだった。今までにやってきたことを、ノウハウからマインドセットまで隠すことなくシェアする。実用お仕事エッセイ。……出版翻訳家の仕事とは、1冊の本を最初から最後まで訳す仕事である。これができるかどうかがすべてです。

 本書は、人気翻訳家でエッセイストの著者による、フリーランスとしての仕事論が書かれる仕事エッセイ。翻訳家は登場する地名や店内を丹念に調査し、本全体の背景を理解する、その作業量に驚きました。単なる語学力だけではなく、リサーチ力、忍耐力、日本語力が求められる仕事としての大変さが分かりました。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月14日

『マザー』乃南アサ

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マザー [ 乃南 アサ ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/1/14時点)




 5つの短編に待ち受ける、予想外の驚愕の結末!あなたはもう、以前の家族には戻れない。衝撃の令和の家族像。

 アニメのような三世代家族から独立して家庭を持った青年が、コロナ禍の間に立て続けに身内が亡くなった実家に久々に帰る「セメタリー」、過労によるうつ病で医師の仕事をやめて離婚した兄から、その身を案じながら亡くなった母の一周忌を前に再婚の知らせが届く「ワンピース」、娘が嫁いで一人残された高齢女性が、やがてマンション内で鞘当てが起きるほどに華やかに変貌していくさまを管理人の目から見た「アフェア」など、「母」という名に隠された一人の女性としての“本当”の姿を描き出す、直木賞作家渾身の家族小説!

 本書は、母をテーマにした5編を収める家族小説。報われない結末ばかりの作品集でもありますが、母を様々な角度から表現した作品で、女性の悲痛な叫びが上手く表現されていました。

【満足度】 ★★★☆
ラベル:乃南アサ マザー
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2025年01月13日

『プロ野球アウトロー列伝 異端の男たち』長谷川晶一




 記憶に残る一球一打、因縁のライバル、名将の素顔、引退の舞台裏、いまこそ語る!

 あの日あの試合の一球一打、因縁のライバル、名将の素顔、引退の舞台裏……記録より記憶に残る「異端な野球人」23人の衝撃&禁断のインタビュー集。俺たちが好きだった昭和平成のプロ野球シーンがいまよみがえる!

 本書は、著者が会いたい23名のアウトローなプロ野球OB達へのインタビューをまとめた一冊。愛甲猛、橋慶彦、八重樫幸雄、駒田徳広、里崎智也、G.G.佐藤、佐々木信也、大野雄次、大田卓司、角盈男、鹿取義隆、広瀬哲朗、金澤次男、近藤一樹、ギャオス内藤、パンチ佐藤、高橋智、川尻哲郎、新浦壽夫、小松辰雄、橋本清、松永浩美、佐野慈紀…と、個性派揃いの選手達らのエピソードは非常に興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月11日

『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』坂本貴志




 加速する人口減少は何をもたらすのか?深刻な人手不足で“この国のかたち”は激変する!先が見えない今こそ知りたい「10の大変化」と「未来の選択」

 なぜ給料は上がり始めたのか、経済低迷の意外な主因、人件費高騰がインフレを引き起こす、人手不足の最先端をゆく地方の実態、年間労働時間200時間減のワケ、医療・介護が最大の産業になる日、労働参加率は主要国で最高水準に、「失われた30年」からの大転換……10万部突破ベストセラー『ほんとうの定年後』著者がデータと取材で明らかにする、先が見えない今こそ知りたい「10の大変化」と「8つの未来予測」……。

 本書は、人口減少、少子高齢化による今後の労働動向からの賃金の上昇と労働者の減少で起こることの予測とそれに対する企業の対応についてデータを踏まえて日本経済のこれからを考察した一冊。多角的視点からの考察は分かりやすく、日本の現状と未来予測も参考になりました。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月10日

『ブランディング サクッとわかるビジネス教養』田中 洋




 見るだけで理解し実践できる!ブランドマーケティングの第一人者が伝授!MUJI、日清食品、BMW、ボタニスト、熱海市…etc.大企業だけではなく中小企業こそ必須!高価格でも売れ続けるカギ!

 本書は「ブランディング」について、たくさんの事例をもとに、理論的に、そして実務的に解説。体系的に学べるため、基本が理解できる内容です。また、コカ・コーラ、BMW、MUJI、日清食品、サントリーといった大企業の事例だけでなく、ボタニスト、熱海市など、ブランディングによって成功した身近な事例も多数解説しているため、ブランディングのポイントがすぐにイメージ・理解でき、ビジネスとして参考になる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2025年01月09日

『「ハラスメント」の解剖図鑑』宮本剛志




 知らなかったじゃすまされない!悪意はなくても、親切心でも、ハラスメントになってしまう!?

 2022年4月に中小企業でもパワハラ防止対策を実施することが義務付けられました(大企業は2020年から)。職場でも、ハラスメントはパワハラだけでなく、マタハラ、セクハラ、モラハラ、アルコールハラスメントなど、多岐に渡ることが周知されてきています。それにも関わらず、労働局などに寄せられる労働相談のトップはいまだに「いじめ、嫌がらせ」で、大企業では法律施行後も年間1万8千件以上のパワハラ相談が寄せられています。研修などで社員教育を進める企業も多くありますが、担当者でさえ、「何がハラスメントにあたるのか」「どうしたら防げるのか」を理解していない場合が多いのが実情です。本書は、企業や官公庁、学校にて年間150回程度のセミナーを行い、年間300人以上から個別の相談を受け、さまざまなハラスメントを解決に導いてきた著者が、職場で起きやすい全48種のハラスメントを解説します。

 本書は、ハラスメントについて種類別に詳しくかつ分かりやすくまとめた一冊。48のハラスメントそれぞれが分かりやすく解説されていて、参考になりましたし、どういったコミュニケーションがハラスメントになりやすいのかを知っておくことも大切だと思います。相手に対しての思いやりが適切であれば、ハラスメントも起きにくいとも思いますが、対応策としても実用的で役立つ内容です。

【満足度】 ★★★★☆
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