「架空の戦後沖縄の混沌としたエネルギーに、ただただ茫然自失した。まさか、サイバーパンクに涙する日が来るとは。疾走するストーリーの中、本物の魂が燦めいている」作家 貴志祐介氏、絶賛。『ループ・オブ・ザ・コード」の著者が紡ぐ、未体験ゾーン突入の歴史ハードボイルド超大作。
第二次世界大戦終結後、米軍占領下の琉球。その最西端の与那国島では、一本の煙草から最新鋭の義肢まで、ありとあらゆるものが売買される密貿易が行なわれていた!腕利きのサイボーグ密貿易人・武庭純は、ある日顔馴染みの警官からとんでもない話を耳にする。終戦とともに殺人鬼と化した元憲兵が島に上陸したというのだ。元憲兵探しに乗り出した武だったが、時を同じくして、謎のアメリカ人女性から「姿も形も知れない“含光”なる代物を手に入れろ」という奇妙な依頼が舞い込んでくる。相棒の島人とともに奔走する武は、やがて、世界を巻き込む壮絶な陰謀に巻き込まれていく…。琉球と台湾の史実をもとに描き出す、サイバーパンク巨編!
本書は、第77回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞作。第二次世界大戦後の米軍占領下にある琉球・与那国島を舞台に、機械の身体を持つ男が二つのミッションに挑戦するサイバーパンク。戦争がもたらした支配・被支配の構図、アイデンティティと居場所の簒奪、機械の身体を持つ人間というフィクションの背後にある史実…と展開での緊張感はエンタメとしてとても面白く、近未来的な要素と沖縄・台湾の文化、言語がまじりあった独特の世界観は読みごたえも存分にありました。
【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:47|
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