2009年03月13日

『哀哭者の爆弾』鳴海 章


哀哭者の爆弾

 日雇い仕事で糊口を凌ぐワーキングプアの「哀哭者」たちを誘導し、破壊工作員に仕立てて国家転覆を狙う組織が出現した。大胆なテロ活動に対し、解散したはずの「サクラ銃殺隊」の面々が秘密裏に召集される!

 衣・食・住より大事なものは携帯電話。ネットカフェを住処とし、携帯で探す日雇い仕事で糊口を凌ぐ若者たち…現代社会の病巣の一端を表わす「ワーキングプア」。将来どころか、目先の生活にも希望が持てない彼らは「愛国者」ならぬ「哀哭者」であった。そんな哀哭者たちを誘導し、破壊工作員に仕立て上げて国家転覆を狙う組織が出現した。右翼団体、暴力団に自衛隊まで絡んでの大胆なテロ騒動に対し、解散したはずの公安警察特殊部隊、通称「サクラ銃殺隊」の面々が秘密裏に招集された。メンバーの一員として左遷先の北海道警から警視庁に呼び戻された仁王頭勇斗。凶弾に倒れた僚友への想いを胸に、放つ銃弾が切り裂くは正か邪か……。

 著者の狙撃手シリーズですが、社会問題となっているワーキングプアや派遣問題と政治とテロ事件とを絡め、骨太の作品に仕上がっています。その物語では、ワーキングプアと呼ばれる日雇派遣労働者を集めて、テロリストに仕立てて、爆弾テロを実行させるという物騒な展開ではありますが、その背後関係なども中々面白く、一気に読まされた作品です。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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