2013年12月30日

『世界地図の下書き』朝井リョウ



 児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。夏祭り、運動会、クリスマス。そして迎える、大切な人との別れ。さよならの日に向けて、4人の小学生が計画した「作戦」とは? 『小説すばる』連載をもとに単行本化。

 突然の事故で両親を亡くし、「青葉おひさまの家」で暮らすことになった小学生の太輔。悲しみでしばらく心を閉ざしていたが、同じ部屋の仲間たちのおかげで少しずつ打ち解けていく。とくにお母さんのように優しい高校生の佐緒里は、みんなにとって特別な存在。施設を卒業する佐緒里のため、4人の子どもたちは、ランタンに願い事を託して空に飛ばす「蛍祭り」を復活させようと、作戦を立てはじめる…。

 物語は、主人公である小学校3年生の太輔を始めとして、同じ年の淳也、淳也の妹の麻利、太輔の1歳下の美保子、そして6歳上の佐緒里の5人を中心に、児童養護施設を舞台に、それぞれ事情を抱える子供たちの痛みや葛藤、そして成長を描いた作品で、この5人の出会いと、太輔が小学校を卒業する3年後の出来事が描かれます。いじめや運命に翻弄されながらも子供達は団結して耐え、太輔たちは、途絶えた「蛍祭り」を復活させようと作戦を考えます。その作戦に込められた子供達の思い、そして純粋な願いがうまく物語で表現されています。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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