2014年08月11日

『太陽の棘』原田マハ



 終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。奇跡の邂逅がもたらす、2枚の肖像画を巡る感動の物語。『別册文藝春秋』連載を単行本化。

 太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄。首里城の北に存在した「ニシムイ美術村」。そこでは、のちに沖縄画壇を代表することになる画家たちが、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた。その若手画家たちと、交流を深めていく、若き米軍軍医の目を通して描かれる、美しき芸術と友情の日々。史実をもとに描かれた沖縄とアメリカをつなぐ、海を越えた2枚の肖像画を巡る感動の物語。

 物語は、太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄を舞台に、その那覇市首里に存在したニシムイ(北の森の意、首里城の北に位置した)と呼ばれた小さな美術村で、後に沖縄画壇を代表することになる玉那覇正吉、安次嶺金正、安谷屋正義、具志堅以徳といった画家たちが、アトリエ兼自宅の小屋を作り、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた史実を基に、画家たちと交流を深めた若き軍医の目を通して、彼らとの美しき日々を描いた作品。彼らが、いかに生き延び、美術に向き合い、取り組んだのか。そして、大戦の傷跡のなか、日本とアメリカの狭間で揺れる沖縄で、困窮する生活と、創作活動の両立という困難が描かれますが、知られざる沖縄の過去を、芸術への情熱と共にしっかりと描かれています。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック