2014年10月15日

『許されざるもの』樋口明雄



 絶滅したオオカミを外国から移入し、健全な生態系を取り戻すプロジェクトの試験放獣の地に南アルプスが選ばれた。反対派や地元民の説得、政治家の利権など、環境省・野生鳥獣保全管理官の七倉は幾多の困難に立ち向かうが…。

 「オオカミ=悪」というイメージ。政治家の利権。野生動物の襲撃。クリアすべき問題は、尽きない。食物連鎖の頂上に立つニホンオオカミが日本で最後に確認されたのは1905年。絶滅したオオカミを外国から移入し、健全な生態系を取り戻す「ネオウルフ・プロジェクト」の試験放獣の地に南アルプスが選ばれた。反対派や地元民の説得、プロジェクトを町おこし程度にしか考えない政治家、中国奥地のオオカミ探索決死行など、環境省・野生鳥獣保全管理官の七倉は幾多の困難に立ち向かう。しかし…。

 物語は、『約束の地』の続編で、前作と同様に、人と大自然との様々な問題を見事に物語で描いています。今回は、中国奥地の大興安嶺と標高2000メートルの新雪の八ヶ岳を舞台に、野生動物による農作物の被害、国家政府の思惑など、社会問題を著者独自の視点で切り込んで描かれており、スケールの大きさは勿論のこと、大自然描写が実によく表現されており、展開は勿論のこと、読みながら風景が頭に浮かぶほどの作品で、実にインパクトがありました。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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