2014年11月07日

『浮浪児1945− 戦争が生んだ子供たち』石井光太



 終戦直後、12万人以上の戦災孤児が生まれた日本。その中心、焼け跡の東京に生きた子供たちはどこへ消えたのか? 資料や証言をもとに、浮浪児と呼ばれた子供たちの軌跡を追う。『新潮45』連載を加筆修正し単行本化。

 終戦直後、焼け跡に取り残された多くの戦災孤児たちは、どこへ消えのか? 1945年の終戦直後、焼け跡となった東京は、身寄りのない子供たちで溢れていた……全国では、12万人以上。復興と共に街が浄化され、居場所を失い歴史から“消え去った”彼らを、残された資料と当事者の証言から上野を中心に現在まで追う。戦後裏面史に切り込む問題作にして、戦争が生み出したものを見つめなおす必読の書。

 本書は、終戦後、浮浪児と呼ばれた12万人以上の戦災孤児達についてを、ノンフィクション作家の著者が、残された資料と当事者の証言から、上野を中心に現在までを追った1冊。国も、メディアも、研究者も、文学者も、特攻隊や被爆者などについては膨大な記録を作り上げたものの、浮浪児の記録だけは残さなかったため、事実上、浮浪児は歴史から無きものとされてきましたが、浮浪児たちが路上でいかにして暮らし、そこから続く69年間の人生を追っています。ある者は殺人を犯して死刑囚となり、ある者は企業の社長となって数十億円を動かし、ある者は記憶喪失となって自分が何者なのかわからぬまま生き、ある者はアメリカへ渡って移民として生きる……と、全ての浮浪児とは行かないまでも、著者の丹念な取材と、その取材の苦労の様子が本書からしっかりと感じることができました。これは、歴史から消された戦後史でもありますが、戦災孤児がどのように戦後を生き延びたのかは、それぞれに感動を覚えましたし、生きることへのひたむきな強さには、胸が熱くなりました。

【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
posted by babiru_22 at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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