2016年02月29日

『血の弔旗』藤田宜永

血の弔旗 [ 藤田宜永 ]

血の弔旗 [ 藤田宜永 ]
価格:2,376円(税込、送料込)



 1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。戦後の混乱期に財を成した原島勇平の屋敷から現金11億を奪うため…。昭和の時代と風俗を克明に描写した熱き犯罪小説。『小説現代』連載を単行本化。

 1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。現金11億を奪うためだ。戦後の混乱期に金貸しを始めて財を成した原島勇平の屋敷で根津は居合わせたクラブのママを射殺する。カーラジオからはローリング・ストーンズの『黒くぬれ!』が流れていた。14年の歳月が過ぎ、新たな事件が彼らの身の周りに次々と起こる。「誰が何のために?」混乱と疑心暗鬼の中、根津は煩悶する。袂を分かった男たちの軌跡が再び交差する時、戦中、戦後を生きた人間の業と事件の真相が明らかになる…。昭和の時代と風俗を克明に描写した熱き犯罪小説。

 物語は、太平洋戦争の最中、数奇な縁で結ばれた男達が戦後を駆け抜ける犯罪小説。自分を拾ってくれた貸金屋から政界に渡る裏金11億円を強奪し、そのために自分に懐いていた3匹の番犬や、現場に居合わせた女までも殺害。その資金を元手に戦後から高度成長期を生き抜く男を描いていますが、昭和の時代背景もしっかりと描かれており、約580ページとボリュームのある作品でもありましたが、昭和の熱気と懐かしさを織り交ぜたサスペンスで、著者の作品としても初期の頃のような熱さが感じられた傑作です。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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