2016年11月03日

『家族のシナリオ』小野寺史宜



 元女優の母と「元叔父」の父、近所で暮らす実父。反抗期の妹と16歳のぼく。ちょっと変わっていても平穏だったわが家は、母が家族ではない男性を看取ると宣言したことから、音を立てて崩れ始め…。家族の「熟成」を綴る物語。

 ヒッチコック好きのぼくはメガネをかけた地味な高校1年生。でも、家族はちょっと変わってる。母は元女優で、ぼくの実の父と離婚して、その弟の友さんと再婚した。どちらかというと父派だった妹のれなは、反抗期まっただ中で母とよく衝突する。そんなフクザツな状況なのに、最近母がやけに家を空けるようになった。ついにれなの怒りが大爆発した夜、母は決然とぼくたちの知らない男性を看取ると宣言。初めて見る母の顔を前に、平穏そうに見えていたわが家はガタガタと音を立てて崩れ始める。だからぼくは、“その人”に会いに行く決意を固めたのだけれど……。16歳の少年が、家族と演劇と、そして母の大切な人と向き合い、一歩一歩大人に近づく物語。

 物語は、ちょっと複雑な家庭事情の中で、主人公を含めて家族が成長していく作品。特別な意外性や激しい展開があるわけではありませんが、思春期の主人公の視点は良かったです。

【満足度】 ★★★☆
posted by babiru_22 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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