2017年05月15日

『姥捨て山繁盛記』太田俊明

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

姥捨て山繁盛記 [ 太田 俊明 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2017/5/15時点)



 中断したダム建設計画の補償金で「シニアの郷」計画が進む山梨県北部の過疎の村。初期の認知症で早期退職した59歳の男が「郷」に移り住んだ。男が水没予定地を訪ねてみると、理想郷のような風景が広がっていて…。

 山梨県北部の山あいの過疎の村が舞台。大水害に見舞われたことを受けて半世紀前に計画されたダム建設は中断しているが、ダムに沈みゆく土地の移転代替地では補償金を使い、高齢者介護・医療を目玉とする「シニアの郷」計画が進む。若年性認知症と診断された59歳の西澤亮輔は、都内の大手企業を早期退職して「郷」に移住する。自らの終の棲家とする条件に見合った場所だったからだ。しかし、施設はどこか暗く、西澤も老け込むばかりの毎日。なぜダム建設が計画のまま中断されているのか。それは水没予定地に留まり、ダム建設に反対する1%の人々がいるからだった。その集落は村人から「姥捨て村」と呼ばれ、完全に孤立している。しかし、そこには水害で母や弟妹を失った過去を持つ男が営む「日本一のワイナリー」があるという。のだ。ある日、思い立って西澤が訪ねると、理想郷のような風景が広がっていた。

 本書は、第8回日経小説大賞受賞作。ダム建設を巡って分裂した村を舞台に、還暦間近の主人公達が理想の村を求めて奮闘記が描かれます。まちおこしの夢を大きく描き、補助金頼みのダム計画を断念すべく、地域活性化のために住民が立ち上がる姿は、エンタメとしても面白かったですし、ダム建設の是非や限界集落などの時事問題を物語に上手く絡めていて、とても良かったです。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/449910791

この記事へのトラックバック