2018年02月23日

『クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』ジェニファー・ダウドナ




 ヒトラーが押し進めた優生学の復権か? 遺伝病に苦しむ人たちへの福音か? ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し修正するという技術を生んだ女性科学者の手記。

 「君の技術を説明してほしい」ヒトラーは私にこうたずねた。その顔は豚である。恐怖にかられて目が覚める……。ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し、修正するという離れ業ができる、その技術CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)。2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス」誌に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が、遺伝病の治療のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。豚の内蔵を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行なわれた。人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか? ノーベル賞確実と言われる画期的技術を開発した科学者の唯一の手記を独占出版。

 本書は、2012年に「CRISPR-Cas9」技術を発表した研究者の著書。これは「ゲノム編集」と言われ、従来の組換えDNA技術と異なり、ゲノム内の特定遺伝子を簡単に書き換えられる遺伝子編集技術ですが、この技術が生れるまでの研究過程、医療・農業など多分野への活用例と今後の可能性についてが書かれています。開発までの過程、適用事例、これから起こりうる社会・倫理的な問題など、遺伝子編集技術を通して、様々な問題や課題も浮き彫りになる一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 21:04| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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