![]() 消えた断章 [ 深木章子 ] |
被害者は、記憶を断片的に失くした少女と、白骨遺体で見つかった少年。十年前に起きた2つの奇妙な誘拐事件の、想像を絶する真相とは…。見えていた景色が一変する、本格ミステリー。
君原樹来は推理作家を目指す法学部の4年生。あるとき、同じ大学に通う妹・麻亜知の友人、葛木夕夏があるトラブルを抱えているといい、元C県警捜査一課の刑事であった樹来の祖父に相談しに行くことに。夕夏は10年前、実の叔父に誘拐されたことがあった。ただ、記憶を失った時間があっただけで被害はなく、当時は身内のトラブルと片づけられたのだが、最近になって警視庁が再捜査に乗り出しているという。同じ10年前、同じく誘拐された男児の白骨遺体が最近発見されたことが関係しているようだ。当の叔父は行方不明になり、裕福な創業者一家だった葛木家は、その後みるみるうちに崩壊していったのだが……。
本書は、『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』の続編で、前作では小学生だった君原樹来が大学生となり難事件に挑むミステリ。展開は良かったものの、推理と真相が強引すぎで、ラストもイマイチ。もう一捻りしてほしかったです。
【満足度】 ★★☆