2018年07月11日

『絶滅危惧種ビジネス 量産される高級観賞魚「アロワナ」の闇』エミリー・ボイト




 絶滅危惧種アロワナは、貴重な伝説の魚か、大量生産された商品か、それとも危険な外来種なのか? 業界が口を閉ざす世界屈指の高級観賞魚の謎に著者が命がけで迫るルポルタージュ。

 アジアアロワナの希少種は重装備の警備車両で輸送され、3000万円もの高値で取引される。日本を抜いて最大市場となった中国では、上昇志向のシンボルとなり、幸運のアロワナを信じる富裕層が購入。なかでも好まれる赤いアロワナ「スーパーレッド」は魚のフェラーリとも言われる。いっぽうで「石油やダイヤはもう古い、アロワナはいま最も効率の良い取引」とされ、フィッシュ・マフィアによる誘拐や殺人事件も後を絶たない。日本人バイヤーを誘拐し身代金を要求する事件も発生した。なぜアロワナは、これほどにまで人々を熱狂させるのか。はたして、絶滅危惧種アロワナは、貴重な伝説の魚か、大量生産された商品か、それとも危険な外来種なのか? 著者は3年半かけて世界15カ国の「現場」をめぐり、この矛盾に満ちた魚の謎を追いかける。熱狂的なコレクターや新種ハンター、そして世界屈指の探検家ハイコ・ブレハや日本の観賞魚トップシェア会社の創業者との出会いも。その目で野生のアロワナの実態を確かめるべく、ボルネオ奥地や立ち入り制限されたミャンマーの交戦地帯、そして武装した麻薬密売者が跋扈するゲリラの拠点コロンビア領アマゾンへ、ハイコ・ブレハとともに足を踏み入れる。ワシントン条約の杜撰さをも暴き、命がけで確かめた真実とは。石炭王が作ったアルビノだけの私設動物園や、オリーブの代わりに子羊の目玉を入れたマティーニやタランチュラのてんぷらが供される「探検家クラブ」のパーティなど、知られざる世界も覗き見ることができるスリリングな弩級ノンフィクション!

 本書は、東南アジア、アマゾン流域の国々を中心に15カ国を、アロワナを求めて旅をした著者が「絶滅危惧種ビジネス」の現実と闇をまとめたもの。背後にある矛盾と皮肉に満ちた現実が衝撃的でもありますが、絶滅危惧種であるにも関わらず高値で取引され、闇のビジネスの資金源にもなっているアロワナ取引の実態は興味深かったです。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 15:26| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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