2018年07月24日

『誰が一木支隊を全滅させたのか ガダルカナル戦と大本営の迷走』関口高史




 ガダルカナルの戦いにおける一木支隊の全滅は、一木支隊長の無謀な戦闘指揮によるものという評価は真実か。生還者や一木自身の言葉、軍中央部などの証言をはじめ、公刊戦史、回想録等を読み解き、作戦の実相を明らかにする。

 ガダルカナル島奪回作戦(昭和17年)で一木清直大佐率いる約900名は1万人以上の米軍に挑み、あえなく全滅した。戦後、「一木は、わずかな兵力でも勝てると敵を侮り、敗れた後は軍旗を焼いて自決した」「一木の無謀な戦闘指揮が敗因」という評価が定着していたが、果たしてそうなのか? 一木支隊の生還者、一木自身の言葉、長女の回想、軍中央部や司令部参謀などの証言をはじめ、公刊戦史、回想録、未刊行資料などを読み解き、作戦の実相を明らかにする。

 本書は、ガダルカナル島奪回の無謀な作戦の責任を全て一木支隊長に押しつけたのは誰なのか?を探る、従来の定説を覆すノンフィクション。ガダルカナル戦については、様々な書籍が出ていて、いわゆる定説についても書かれていますが、本書は著者が支隊の生還者や一木自身の言葉、軍中央部や司令部参謀などの証言を元に作戦の責任についてを改めて問う一冊で、その丹念な取材力から明らかにされる点が多いのは高く評価できます。本書で書かれることが全て事実かどうかは分からないところはあるものの、歴史資料となる内容で、一木支隊長の心情にはかなり迫ったノンフィクションとなっています。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 19:34| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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