![]() 沸点桜 [ 北原真理 ] |
歌舞伎町の風俗店でセキュリティをするコウは、生きるためなら手段を選ばないしたたかな女。わけあって、店から逃げた淫乱で狡猾な美少女とともに、海辺の団地に潜伏する。悲惨な人生を歩んできた2人に安息の日々は続くのか。
新宿歌舞伎町でセキュリティをするコウは、生きるためなら手段を選ばないしたたかな女。元情夫のシンプの指示で、風俗店“天使と薔薇”から逃亡した淫乱で狡猾な美少女ユコを連れ戻しに成城の豪邸へと向かう。そこには敵対する角筈の殺し屋たちが待っていた。窮地を躱したコウはユコを連れ、幼いころに暮らした海辺の団地に潜伏する。束の間の平穏、団地の住民たちとの交流、闇の世界から抜け出し、別人に生まれ変わった危ない女とやっかいな女の奇妙な共同生活。幼いころから虐待され、悲惨な人生を歩んできた二人に、安息の日々は続くのか…。第21回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
物語は、新宿歌舞伎町で暮らしている主人公が、仕事の依頼を受け医者の家を訪ねると殺し屋に襲われることとなり、その現場にいたユコとの逃避行劇が描かれるサスペンスミステリ。スピード感がよく、テンポが良かったものの、展開の中盤で中弛みがあったのと、その展開の荒さが少々マイナスではありましたが、新人作家の作品としては良かったです。
【満足度】 ★★★☆