2019年01月08日

『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ−500年の物語』田中靖浩




 帳簿と会社の誕生から、計算や報告の仕組みの変化、管理会計やファイナンスといった新分野の登場まで、会計の世界史を物語として綴る。簿記、会計、ファイナンスの全体がわかる一冊。

 「会計ギライ」の方を悩ませる、数字および複雑な会計用語は一切出てきません。「世界史ギライ」の方をげんなりさせる、よく知らないカタカナの人や、細かい年号もほとんど出てきません。登場するのは偉人・有名人ばかり。冒険、成功、対立、陰謀、愛情、喜びと悲しみ、芸術、発明、起業と買収…波乱万丈、たくさんの「知られざる物語」が展開します。物語を読み進めると、簿記、財務会計、管理会計、ファイナンスについて、その仕組みが驚くほどよくわかります。

 本書は、会計と簿記の誕生からその背景も含めて、会計と世界史の繋がりを分かりやすくまとめたもの。数多くのイラスト・写真・図表から、エンタメ感覚で会計の世界史が読めますが、会計本としては実に面白く、堅苦しい内容ではなく、会計の歴史に美術やミュージックまで交えて解説しており、ビートルズの楽曲の著作権の買戻しをしようとしていたマッカトニーとオノヨウコが、負担額の問題でグズグズしているうちに、M・ジャクソンにさらわれてしまう経緯を、取得原価主義と時価主義(将来キャッシュ・フロー重視)に例えて説明しているのは、特に秀逸です。数多くの雑学も交えており、会計本というよりも雑学エンタメ要素が強く、楽しめながら会計が学べる一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 17:29| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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