家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ詩穂。娘とたった二人だけで繰り返される毎日に、自分の選択が正しかったのか迷う。そんな彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいて…。
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める……。
本書は、女性が一人で家事や育児を抱え込むワンオペ育児をテーマに描かれた作品。専業主婦の詩穂、育休中キャリア官僚の達也、働く母の礼子の3組の若い夫婦を軸に、物語が展開しますが、それぞれの家庭事情、家事と育児の大変さは、子育て中の主婦の方は共感する人も多いと思います。
【満足度】 ★★★☆