2019年04月30日

『わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間』ミリアム・ラウィック/フィリップ・ロブジョワ




 戦闘の影に覆われていく平和な日常。学校の近くに落ちる爆弾、地下への避難。スナイパーが潜む通学路…。シリア内戦下の日々を、1人の少女が曇りなき目で綴った、21世紀版「アンネの日記」。

 2016年12月。かつてシリアの経済の中心だったアレッポは、内戦の激戦地となっていた。ジャーナリストのフィリップ・ロブジョワはその町で、ミリアムという13歳の少女とその母親に出会う。2013年にイスラム過激派の反政府組織に住み慣れた場所を奪われていたミリアム。彼女は、2011年から続く内戦下の日記を残していた。何気なく日常を過ごしていた世界があった一方で、シリアでは何が起き、子供たちの生活はどう変わったのか? 少女が内戦下の日々を曇りなき目で綴った記録。

 本書は、シリアに暮らす一少女が書いた日記から生まれたもので、原題は『ミリアムの日記』となっています。フランス人ジャーナリストのフィリップ・ロブジョワが取材のためにシリア入りし、現地の人々の生の声を拾わなければ、とうていシリアの内戦を理解し、語ることはできないという思いを抱いて、アレッポで避難民の支援活動をおこなっているカトリック系組織のマリスト・ブルーを訪ね、そこでもうすぐ13才になるというアルメニア系シリア人の少女・ミリアム・ラウィックに出会います。ミリアムは内戦下の暮らしや自分たち家族が経験したことを、日々学習ノートに書きつけていて、その日々の記録について、ロブジョワは一つ一つ質問し、ミリアムからさらに記憶を引き出していき、その作業を繰り返すことで、日記の内容は厚みを増し、本書へと繋がります。知られざる国際情勢の現実がここに書かれており、改めて平和のありがたさ、そして戦争の恐ろしさを考えます。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 16:28| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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