2019年06月24日

『THE LAST GIRL イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語』ナディア・ムラド/ジェナ・クラジェスキ




 貧しくも平和な村での暮らし。しかし、イスラム国の脅威は次第に強まり、虐殺と収奪の日々が訪れ…。戦下における武器としての性暴力の根絶に尽力し、2018年ノーベル平和賞を受賞した著者が、自身の壮絶な経験を物語る。

 イラク北部にあるコーチョという小さな村。少数派の宗教、ヤズィディ教徒たちが貧しいながらも日々を平和に暮らしていた。しかし、忍び寄る紛争の影が、平和を少しずつむしばんでいく。そしてついにあの日、イスラム国の一群による襲撃が行われた。そして待っていたのは、自分のすべてを踏みにじられる、性奴隷としての地獄の日々だった……。戦争犯罪の被害者として、「武器としての性暴力」の実態の告発と根絶を訴え続けた著者が、筆舌に尽くしがたい自らの体験を、圧倒的な臨場感で語る。イスラム国による他教徒への虐殺や性暴力・暴力の実態とは。彼女が決死の覚悟で逃れ、イスラム国支配地域の現状を世界に向けて発信するまでに、彼女を支えた人々とは。今、世界でもっとも注目されるノーベル賞平和賞受賞者の自伝、ついに翻訳刊行。

 著者のナディア・ムラド氏は、イラク北部生まれで2018年ノーベル平和賞を受賞。その受賞理由に、「戦争および紛争下において、武器としての性暴力を根絶するために尽力」したことが挙げられましたが、自身がイスラム国に囚われ、そこで受けた悲惨な体験を公表し、その実態を知らしめたことは、世界中に大きな衝撃を与えました。その著者が過酷な経験を経て人権活動家として自らの体験を訴えるまで壮絶な経験を書いたのが本書です。イラクの少数派宗教ヤズィディ教徒である著者がISISに多くの家族や仲間を虐殺され、自身も性奴隷として戦闘員の手から手へと売り渡された過酷な体験を綴った自伝でもありますが、過酷な現実には胸が痛みます。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 19:36| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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