2020年05月12日

『タイガー理髪店心中』小暮夕紀子




 穏やかだった妻の目に殺意が兆し、夫はつかの間、妻の死を思う。のどかな田舎町で変転する老夫婦の過去と行く末とは? 表題作ほか全2編を収録する。『小説トリッパー』掲載を単行本化。

 穏やかだった妻の目に殺意が兆し、夫はつかの間、妻の死を思う。のどかな田舎町で変転する老夫婦の過去と行く末。「これでお互いの老老介護が終わるのだな。楽になる。そうだ、楽になるのだ」伸びやかでスリリングな視線、独自の土着性とユーモア。老いた妻の発作的な豹変に戸惑う夫の緊張感を描き、井上荒野氏、角田光代氏、川上未映子氏の選考委員諸氏に絶賛された第4回林芙美子文学賞受賞の表題作。幼少時に亡くした母親の記憶を繰り返し反芻する老女の感慨を描く「残暑のゆくえ」を収録。

 本書は、第4回林芙美子文学賞を受賞した表題作を含む2作品が収められた作品集。表題作の「タイガー理髪店心中」、そして「残暑のゆくえ」と共に老夫婦を描いた物語でもありますが、老々介護や夫婦の歴史というものを考えさせられる作品で、老いとは何かを考えさせられました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 17:26| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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