2020年06月01日

『グッドバイ』朝井まかて

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グッドバイ [ 朝井まかて ]
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 長崎の油商・大浦屋の女あるじ、お希以(のちの大浦慶)は無鉄砲にも異国との茶葉交易に乗り出した。やがて明治という時代に漕ぎ出したお慶だが、思わぬ逆波が襲いかかる…。『朝日新聞』連載に加筆修正し単行本化。

 菜種油を扱う長崎の大店・大浦屋を継いだ希以(けい)26歳。幕末の黒船騒ぎで世情騒がしい折、じり貧になる前に新たな商売を考える希以に、古いしきたりを重んじる番頭の弥右衛門はいい顔をしない。やがて店は火事で焼け落ち、父は出奔、迎えた婿も気に入らず、いつしか独りで大浦屋を支えることを誓う。幼い頃に亡くなった祖父から聞いた言葉、「海はこの世界のどこにでもつながっとるばい。昔は自在に交易できたばい。才覚さえあれば、異人とでも好いたように渡りあえた」が幾たびもも胸に甦る。たまたま通詞・品川藤十郎と阿蘭陀人の船乗り・テキストルと知り合い、茶葉が英吉利では不足しているという話を聞き、ここぞと日本の茶葉を売り込む。待ちに待って3年後、英吉利商人のオルトが現れ、遂にお希以は旧弊なしがらみを打破し、世界を相手にするのだ……。成功と落胆を繰り返しつつ、希以……大浦慶が経たいくつもの出会いと別れ。彼女が目指したもの、手に入れたもの、失ったものとはいったい何だったのか。円熟の名手が描く傑作評伝。

 本書は、幕末の長崎で茶葉の海外貿易に独り乗り出した大浦慶の生涯を描いた作品。相次ぐ外国船の来航に揺れていた幕末の日本を舞台に、日本茶貿易の先駆者として財を成し、坂本龍馬や岩崎弥太郎とも交流があったとされる女商人の波瀾万丈の人生がダイナミックに描かれています。伝説の女商人の立志伝とも言える物語で、実に読み応えのある作品でした。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 17:00| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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